キツキトウ
DONE2024/1/24見えるから、それがシンとは限らない。
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「世界に知らされず、世界が知ろうともせず、世界が知らない」世界の話。そんな話はこの世の日常の中でさえ転がっている。世界を知らないのは何方なのだろうか。
エブリスタの企画「三行から参加できる」用に新しく書いたものに「終煙怪奇譚」として書き足したもの。お題は「犬」。
終煙怪奇譚:「井の中のシン、大海知らず」.
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「……」
今日も見える。
神社の境内。御使い達が御座すその台座。その片側では今日もあれがちょこんと鎮座している。……本来の像は何処行ったんだ?
(あれ……犬だよな……)
吽と口を紡ぎ、どやっと誇らしげな犬が鎮座している。真っ白くてふわふわですらっとした到底石像とは思えない犬が其処に居る。
此処は幸住神社だ。そして御使いは狛犬である。犬ではない。ただ、この道を通る度に、犬を見かける度に、(その毛並みを撫でてみたい)と思ってしまっていた。
私は犬好きである。
「あ、早く行かないと」
急いで行かねば遅刻する。
書店員として今日もお勤めに行かねば。給与前で金欠なのである。
急ごうとしたその端で。
2725.
「……」
今日も見える。
神社の境内。御使い達が御座すその台座。その片側では今日もあれがちょこんと鎮座している。……本来の像は何処行ったんだ?
(あれ……犬だよな……)
吽と口を紡ぎ、どやっと誇らしげな犬が鎮座している。真っ白くてふわふわですらっとした到底石像とは思えない犬が其処に居る。
此処は幸住神社だ。そして御使いは狛犬である。犬ではない。ただ、この道を通る度に、犬を見かける度に、(その毛並みを撫でてみたい)と思ってしまっていた。
私は犬好きである。
「あ、早く行かないと」
急いで行かねば遅刻する。
書店員として今日もお勤めに行かねば。給与前で金欠なのである。
急ごうとしたその端で。
結月(ゆづき)
DONEワンドロの#キラ受け版深夜の真剣創作60分一本勝負に参加させて頂きました。絆創膏とあってこれが真っ先に浮かびました。
絆創膏絆創膏(シンキラ)
カタカタと早いタッチでキーボードを叩く音と、ぱらりと書類を捲る音が執務室に響き渡る。
今日は真面目に仕事をしているキラに、シンは聞こえないように息を吐く。
いつもこうならこんなに仕事残る事ないのに。
出来るのにやろうとしないのはキラの悪い所だ。
アスランもシンに何度も言ってきたが、初めはどうせこの人の妬みかなんかだろうと思っていたが、真面目にきっちり仕事をこなしていたのは初めだけで、すっかりこの環境に慣れてから力を抜くことを覚えてしまったのか、ギリギリまでやらない事が増えてきた。
1度集中するときっかりこなすだけに勿体ない。
何度もジュール隊長に怒られているキラを見て何度助けたか。
まぁでも今日は久しぶりに定時で上がれそうだ。
1159カタカタと早いタッチでキーボードを叩く音と、ぱらりと書類を捲る音が執務室に響き渡る。
今日は真面目に仕事をしているキラに、シンは聞こえないように息を吐く。
いつもこうならこんなに仕事残る事ないのに。
出来るのにやろうとしないのはキラの悪い所だ。
アスランもシンに何度も言ってきたが、初めはどうせこの人の妬みかなんかだろうと思っていたが、真面目にきっちり仕事をこなしていたのは初めだけで、すっかりこの環境に慣れてから力を抜くことを覚えてしまったのか、ギリギリまでやらない事が増えてきた。
1度集中するときっかりこなすだけに勿体ない。
何度もジュール隊長に怒られているキラを見て何度助けたか。
まぁでも今日は久しぶりに定時で上がれそうだ。
キツキトウ
DONE2024/1/12「キツネ色」
「今日はあれに再挑戦をしようと思うのです」
「おお!」「頑張れよ!」
他愛もない一場面の会話。
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小説SS。
「キツネ色」.
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今日は沢山じゃが芋を貰ったのだ。
よしと気合を入れると、揃えた食材を卓に置いてまずは下拵えからと流し台までゆく。あの人は今どの辺りだろうか。
綺麗に洗ったじゃが芋を四~六等分に切り分け、鍋へ入れては被るくらいの水を入れる。少々の塩を加えたら、中火から弱火で軟らかく竹串が通るまで茹でていく。
頭の中で茹で上がったそれをついバターや塩でつまみ食いしたくなる。想像すると誘惑に負けそうになるが、そこをぐっとこらえて茹でている間に玉ねぎをみじん切りにした。
玉ねぎをバターで炒めている間に、燻るバターのまろやかな香りに混じって茹ったじゃが芋の匂いも立ち始めた。固さを確認してはざるにあげて水気を切る。炒めている玉ねぎにひき肉を加え、味付をして炒めているその間に冷蔵庫で休んでもらう事にした。
1405.
今日は沢山じゃが芋を貰ったのだ。
よしと気合を入れると、揃えた食材を卓に置いてまずは下拵えからと流し台までゆく。あの人は今どの辺りだろうか。
綺麗に洗ったじゃが芋を四~六等分に切り分け、鍋へ入れては被るくらいの水を入れる。少々の塩を加えたら、中火から弱火で軟らかく竹串が通るまで茹でていく。
頭の中で茹で上がったそれをついバターや塩でつまみ食いしたくなる。想像すると誘惑に負けそうになるが、そこをぐっとこらえて茹でている間に玉ねぎをみじん切りにした。
玉ねぎをバターで炒めている間に、燻るバターのまろやかな香りに混じって茹ったじゃが芋の匂いも立ち始めた。固さを確認してはざるにあげて水気を切る。炒めている玉ねぎにひき肉を加え、味付をして炒めているその間に冷蔵庫で休んでもらう事にした。
キツキトウ
DONE2024/1/12「朝に炊き立てのご飯を食べる」
布団に潜り、考えていたら何時の間にか眠りについていた。今が何時かも知らないままぼぅとしていたら、身体の底から生きる音が聞こえてきて。
だから久しぶりにご飯を炊いてみた。そしておかずには昆布の佃煮と卵を選んだ。……明日は塩鮭を焼いてみようかな?
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小説SS。
「朝に炊き立てのご飯を食べる」.
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こつん――、こつん――、こつん。
背後から、小さく乾いた音がする。
ハッとして振り向くと、月だけが照らす暗い空から何かが落ちてくる。それはきらきらと光る何かで――。
辺りが暗いのに、それがきらりと光るから。だからそれを見つける事が出来た。
身を屈め、真黒な地面に点々と転がる粒を一つ摘まんでみた。それに温度はなく、けれど白く淡く光る粒は月の光にも等しく思えた。鉱物のように煌めき続けている。
「……ああ、月から落ちてきているんだ。月が涙を流してる」
自嘲で駆けていく息が白い。月の舟の下で、また一粒音がした。
前に向きなおりそして俯く。濡れた瞳に溜まった粒がまた一つ落下してはさよならをしていく。
足元の水面から離れると、雲間を照らした粒を握ってそっと橋から離れた。
525.
こつん――、こつん――、こつん。
背後から、小さく乾いた音がする。
ハッとして振り向くと、月だけが照らす暗い空から何かが落ちてくる。それはきらきらと光る何かで――。
辺りが暗いのに、それがきらりと光るから。だからそれを見つける事が出来た。
身を屈め、真黒な地面に点々と転がる粒を一つ摘まんでみた。それに温度はなく、けれど白く淡く光る粒は月の光にも等しく思えた。鉱物のように煌めき続けている。
「……ああ、月から落ちてきているんだ。月が涙を流してる」
自嘲で駆けていく息が白い。月の舟の下で、また一粒音がした。
前に向きなおりそして俯く。濡れた瞳に溜まった粒がまた一つ落下してはさよならをしていく。
足元の水面から離れると、雲間を照らした粒を握ってそっと橋から離れた。
企画倉庫
DOODLEぷらりねがピアスをつけてみて、自分には必要ないなぁってなる話。独白系小説。宗教に対する個人的解釈があります。
片方にとって不安と退行の悲劇は、片方にとって安堵と成長の喜劇。 8997
マカロニサラダ
DONE創作ブロマンス、幽霊の友達が、これを見たらわかる‼️よろしくお願いします。・キャラ設定画像
・メインストーリーの概要
・時系列(おまけ)エンドはメインのIFルートとして考えてください。
⚠︎交通事故・動物の死体の描写あり
梓月視点で進みます(俺=梓月)
何かあれば →https://x.com/lifewithaghost?s=21 29
マカロニサラダ
DONE【IFルート短編】共に三途の川を渡ることになった、梓月とD君です。これ単体でも読めます。幸せは無いです。
何がきっかけだったか、幽霊となった友人と暮らしているうち、自らも死を選ぶことにした。
その後、見えた景色は、自分が乗っている木製の手漕ぎ舟と先の見えぬ長い川だった。日本では有名な話だ。三途の川だとすぐに分かった。三途の川とは、死後の魂が辿り着く場所であり、川が辿り着く奥深い場所にある地獄と、川岸に咲く花々に囲まれた美しい極楽浄土がある。
ここから先は独りか、と呟けば、聞き慣れた声が後ろから聞こえる。
「僕もいる」
振り返ってみれば、友人であるD君の顔が見えた。彼が事故に遭った時の、黒く濁った白い学ランの姿だ。恵まれた背丈のおかげで溺れていない。
けれど、明らかに息苦しそうな様子に早く乗るよう声をかけて手を貸した。
2043その後、見えた景色は、自分が乗っている木製の手漕ぎ舟と先の見えぬ長い川だった。日本では有名な話だ。三途の川だとすぐに分かった。三途の川とは、死後の魂が辿り着く場所であり、川が辿り着く奥深い場所にある地獄と、川岸に咲く花々に囲まれた美しい極楽浄土がある。
ここから先は独りか、と呟けば、聞き慣れた声が後ろから聞こえる。
「僕もいる」
振り返ってみれば、友人であるD君の顔が見えた。彼が事故に遭った時の、黒く濁った白い学ランの姿だ。恵まれた背丈のおかげで溺れていない。
けれど、明らかに息苦しそうな様子に早く乗るよう声をかけて手を貸した。
かがり
DONE(2023.12.31)「ご報告」する司くんとKnightsメンバーの話です。
ずっとちまちま書いていた小話を、1年の総括として……また来年も書いていきたいです。
ご報告があります!:司レオ「ご報告があります」
それは、Knightsの新入りたちとのレッスンを終えて彼らを帰した後に、俺とナッちゃんと新たな『王さま』の3人で、さぁ円卓会議だと意気込んでみせた直後のことだった。
やっと今の体制にも慣れてきたものの、いつだって少しの寂しさがある。明日は2人が帰国するねぇ、なんて、この場には居ないメンバーについて話を振れば、おずおずと手が挙がり、彼――ス〜ちゃんは先のとおり、重々しく口を開いたのだった。
思い詰めたように緊張を帯びた声色に、俺は思わず、直近の懸念事項から心当たりを探してしまう。少なくとも、取り返しがつかなかったり、もしくは、そうなり兼ねない事柄は、何も無かったはずだ。
「どうしたの? 司ちゃん」
6218それは、Knightsの新入りたちとのレッスンを終えて彼らを帰した後に、俺とナッちゃんと新たな『王さま』の3人で、さぁ円卓会議だと意気込んでみせた直後のことだった。
やっと今の体制にも慣れてきたものの、いつだって少しの寂しさがある。明日は2人が帰国するねぇ、なんて、この場には居ないメンバーについて話を振れば、おずおずと手が挙がり、彼――ス〜ちゃんは先のとおり、重々しく口を開いたのだった。
思い詰めたように緊張を帯びた声色に、俺は思わず、直近の懸念事項から心当たりを探してしまう。少なくとも、取り返しがつかなかったり、もしくは、そうなり兼ねない事柄は、何も無かったはずだ。
「どうしたの? 司ちゃん」
Quartz
DONE自作AUの10話目?……のはず。年末までには上げたかったので急いだ。誤字脱字等チェックが少し雑かも😢考えたのは自分だけどタイトルのせいで紛らわしい。
SansXFrisk要素がバリバリあるので注意です。
……カタカナ表記統一が一番難しいかも🤔日本語版と本家英語版が混ざる。
書き上げてしばらく書いてなかったので誰がなんの情報を持っているのか等を忘れかけている。反省です。 13772
ももた
MOURNINGハッピーバースデーエンカク!という勢いだけで久々に書いた炎博です。誕生日もすっかり過ぎ、久々の創作でうまくまとまりませんでしたが弊社の信頼度那由多の炎さんにプレゼントを贈る弊社博のお話です。 9
hatori_tks
CAN’T MAKEまったく筆が進まなくなってしまった🎄仕事高佐続き書くかはちょっと分からない
少し寂しい イルミネーションの輝きが、友人や恋人、家族と楽しそうに過ごす人々を照らし出す。クリスマスシーズンということもあり、どこか街は浮かれ気味だ。十二月半ば過ぎて、寒さが本格化する中、その寒さを凌ぐようにように寄り添う人が多い。そんな中私は、高木くんと手を繋いでゆっくりと歩いている。恋人としてではなく、仕事で。年末の人混みに紛れて動く被疑者追跡のためだ。この時期にはカップルの方が怪しまれず、動きやすい。そういう思惑があって私と高木くんが選ばれたというわけだ。服装も普段のスーツではなく、これからクリスマスディナーでも行きますと言ったような少し上品な装いである。高木くんは普段ならしないセンター分けのヘアスタイルに細い黒縁の伊達メガネをしている。参考にしたものが分からないが、一歩間違えばインテリヤクザ風である。いつもの高木くんとは雰囲気が異なるので、時々視界に入ると否応なしにドキリとしてしまう。
498hatori_tks
MAIKING間に合わなかった🔞🎄高佐。年内書き上がるといいね……どのメーカーか分かったらすごいな。
for you ついこの前に「もう二〇二三年も残り一ヶ月ですよ。早いもんですね」と話したばかりだった気がする。気づけばあと二週間ばかりで今年の終わりを告げようとしている。年末に近づくに連れて、悲しいかな警察の仕事は増える。今日はそんな忙しい日々の中で、高木と佐藤がゆっくり過ごせる夜だ。熱いシャワーを浴びると冷えた身体を暖めていく。湯船に浸かり、一息つく。佐藤が入れたであろう入浴剤の香りが浴室に広がっていた。香りにあまり詳しくない高木は、華やかな花の香りだなと感じた。
「今年もどうせクリスマスは仕事でゆっくり過ごせないだろうな」
そんな独り言が浴室に反響して、湯気と共に消えていった。
風呂から上がり、佐藤のいる寝室へ向かう。佐藤はもうすでにベッドの中だ。いつもなら布団から顔を出し、何かしらしていて起きているが、今日は布団を深く被っている。連日の疲れもあって寝てしまったのだろうかと考えながら、ベッドに入るために布団を少し捲ると佐藤と目が合った。
1372「今年もどうせクリスマスは仕事でゆっくり過ごせないだろうな」
そんな独り言が浴室に反響して、湯気と共に消えていった。
風呂から上がり、佐藤のいる寝室へ向かう。佐藤はもうすでにベッドの中だ。いつもなら布団から顔を出し、何かしらしていて起きているが、今日は布団を深く被っている。連日の疲れもあって寝てしまったのだろうかと考えながら、ベッドに入るために布団を少し捲ると佐藤と目が合った。
Nora_Ma13
PROGRESSうさぎも人間も食べる気は無い狼の話進捗
おおかみはうさぎをたべたくない 最近、厄介なことに巻き込まれた。元々は、自分の縄張りに人間が迷い込んで来たことが発端だ。狼を前にしても「わあ、白い狼なんて初めて見たよ」「きれいだなあ」等と呑気なことを言う人間に毒気を抜かれ、森の入口まで案内してやったのがどうもよくなかったらしい。
それから少しして、小さな赤い毛並みのうさぎが殴り込んできたのかと思うほどの勢いで縄張りまでやってきた。そいつは、俺が人間を食べようとしているのではないかという疑念を抱いているようで、そうならないようにと直談判をしに来たのだと言う。はっきり言えば、考えなしの行動だ。だが、自分以外のやつのために危険を冒してまで行動するところに興味が湧いた。それで、少し脅かしたら立ち去るだろうとからかってしまったのが最大の過ちだった。信じ難いことに、うさぎは自分の身と引き換えに人間を食べないようにと言い出して、「赤ずきんさんを守る」と息巻いたそいつがそれから毎日訪ねてくるようになってしまったのだから。
421それから少しして、小さな赤い毛並みのうさぎが殴り込んできたのかと思うほどの勢いで縄張りまでやってきた。そいつは、俺が人間を食べようとしているのではないかという疑念を抱いているようで、そうならないようにと直談判をしに来たのだと言う。はっきり言えば、考えなしの行動だ。だが、自分以外のやつのために危険を冒してまで行動するところに興味が湧いた。それで、少し脅かしたら立ち去るだろうとからかってしまったのが最大の過ちだった。信じ難いことに、うさぎは自分の身と引き換えに人間を食べないようにと言い出して、「赤ずきんさんを守る」と息巻いたそいつがそれから毎日訪ねてくるようになってしまったのだから。
マカロニサラダ
PROGRESS幽霊の友達の本編書きかけ進捗😌😌応援して〰️😭※直接的な表現は無いですが、いじめを受けている匂わせあります
幽霊の友達(序) 七月二十五日。高校三年の夏休み初日。梓月はほの暗い部屋を照射する電灯を見つめている。黒く肩まで伸びきった髪は、毛先が不揃いで傷んでいる。蜂蜜色と薄花色のオッドアイが長い前髪から覗かせていた。カーテン越しに差し込む光も、窓の外の喧騒もない。このまま、誰にも見つけられずに往生を遂げるのか。
ふと、部屋が冷気を増して寂びれた心地になる。霜風の出処を見ると、毛布を被り現今にそぐわぬ書生服を着た友人の姿があった。いや、人ではない。暗がりの中なのに薄らと光を帯びており、透けた身体の向こうには午前三時を示した壁掛け時計が見える。梓月は、どうせ夢だと悟るも、それの顔を見て不愉快な表情を顕にした。都合の良いように生み出した存在が何故泣くのか。
7106ふと、部屋が冷気を増して寂びれた心地になる。霜風の出処を見ると、毛布を被り現今にそぐわぬ書生服を着た友人の姿があった。いや、人ではない。暗がりの中なのに薄らと光を帯びており、透けた身体の向こうには午前三時を示した壁掛け時計が見える。梓月は、どうせ夢だと悟るも、それの顔を見て不愉快な表情を顕にした。都合の良いように生み出した存在が何故泣くのか。
ranmao_cos
DONEカーヴェのプリンを食べたアルハイゼンと喧嘩して、代わりにカーヴェの好きなケーキを買ってきた話素直じゃない君 アルハイゼンと些細な事で、喧嘩をしたカーヴェ。理由は、簡単だ。冷蔵庫に取ってあった、カーヴェのプリンをアルハイゼンが食べてしまったのだ。
「おい、なぜ食べた!あれは、僕がデザートとして食べようとしたプリンだったんぞ!!」
アルハイゼンは、そんなカーヴェの怒りを聞きながらも本からは目を離さずに言う。
「君の名前が無かった」
「無くても、食べはしないだろ!それに、僕はちゃんと名前を書いた!」
「どこに?」
「……ぐ、あ、いや、それは……」
カーヴェは言い淀む。ただ冷蔵庫の中にプリンを置いてから自分の名前を書き忘れたことを思い出したのだ。だが今更それを素直に告げることなどできはしない。ああ、最悪だ。このままアルハイゼンが機嫌を損ねて、カーヴェのプリンが返ってこないのであればなおさらだ。
1960「おい、なぜ食べた!あれは、僕がデザートとして食べようとしたプリンだったんぞ!!」
アルハイゼンは、そんなカーヴェの怒りを聞きながらも本からは目を離さずに言う。
「君の名前が無かった」
「無くても、食べはしないだろ!それに、僕はちゃんと名前を書いた!」
「どこに?」
「……ぐ、あ、いや、それは……」
カーヴェは言い淀む。ただ冷蔵庫の中にプリンを置いてから自分の名前を書き忘れたことを思い出したのだ。だが今更それを素直に告げることなどできはしない。ああ、最悪だ。このままアルハイゼンが機嫌を損ねて、カーヴェのプリンが返ってこないのであればなおさらだ。
Nora_Ma13
PROGRESSsgdzの日の出られない部屋後日談進捗出られたあとの話「……で、俺たちに何か言うことは?」
自室にて、ソファに腰かけて腕を組み、正面に座る相手を見据える。
「いや〜、えろうすんまへん」
「ごめんね! 志賀、太宰くん!」
もはや清々しいほどに謝罪が軽い。飄々としているようで、内に鋭いものを持っている織田と、こうと決めたら譲らない、我の強い武者。この二人が組むとここまで面倒なことになるのかと、重い溜息が出た。
あの悪趣味な部屋から出た俺たちを迎えたのは、この二人に司書を加えた三人だった。危機に気付いて助けに来てくれたのかと思っていれば、「両想いおめでとう」とにこやかに言い放つ親友と、つかめない笑顔をうかべる織田と、申し訳なさそうな司書。三者三様の反応でわかったのは、見つけたら切り刻むと誓っていた犯人はこの三人だったという事だ。
2586自室にて、ソファに腰かけて腕を組み、正面に座る相手を見据える。
「いや〜、えろうすんまへん」
「ごめんね! 志賀、太宰くん!」
もはや清々しいほどに謝罪が軽い。飄々としているようで、内に鋭いものを持っている織田と、こうと決めたら譲らない、我の強い武者。この二人が組むとここまで面倒なことになるのかと、重い溜息が出た。
あの悪趣味な部屋から出た俺たちを迎えたのは、この二人に司書を加えた三人だった。危機に気付いて助けに来てくれたのかと思っていれば、「両想いおめでとう」とにこやかに言い放つ親友と、つかめない笑顔をうかべる織田と、申し訳なさそうな司書。三者三様の反応でわかったのは、見つけたら切り刻むと誓っていた犯人はこの三人だったという事だ。
sgrkn9188
DONE小説アップ石見氏、直し前はもっと底意地の悪い顔をしてました(性格のキツさは変わらない)
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=21142268 3
mkn
DONELa Mortの世界観をお借りした死神パロ。少しだけストーリーの内容も含みます。零くんと凪砂くんの空気感が好きです。同じ内容の小説をpixivに上げております→ https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=19242218
午後五時の朝食 そろそろ、人間界でいう日没の時間になるのだろうか。厳密にはこの「世」に日没という概念はなく、二十四時間毎日薄暗い世界で雪がしんしんと降り続いている。自分の仕事は墓守をするだけの単純な作業だが、それ以外はずっと書庫に箱詰めで本を読み耽っていた。
寂しいこの世界で、楽しい事はなかなか見つからない。外の世界の事をたくさん書いてあるここが自分の楽園だった。知らない事を知る事はとてもわくわくする。だからこそ、凪砂はこの喜びを共有したかった。一冊の本を手に取ると急いで書庫を飛び出した。
古城の屋敷は歩くだけで音が鳴り響く。この屋敷の者たちはオルガンを演奏したり、儀式を行ったり、様々な自分の役割を行うのだが、それもしばらくは見ていない。何年か前に訪れた人間の少年が最後の訪問者で、ここに訪れる者も随分減った。あの時から消沈していた零に少しでも喜んで欲しかった。
2600寂しいこの世界で、楽しい事はなかなか見つからない。外の世界の事をたくさん書いてあるここが自分の楽園だった。知らない事を知る事はとてもわくわくする。だからこそ、凪砂はこの喜びを共有したかった。一冊の本を手に取ると急いで書庫を飛び出した。
古城の屋敷は歩くだけで音が鳴り響く。この屋敷の者たちはオルガンを演奏したり、儀式を行ったり、様々な自分の役割を行うのだが、それもしばらくは見ていない。何年か前に訪れた人間の少年が最後の訪問者で、ここに訪れる者も随分減った。あの時から消沈していた零に少しでも喜んで欲しかった。
ごふん
PAST【創作BL】ある野望を話したら夫が子どもを連れて出ていった話
小説ですがおまけ漫画描きました。
アルファポリス様で公開中です。お祭り参加中です。お読みいただけると嬉しいです🙏💍✨
https://www.alphapolis.co.jp/novel/122385549/725469677
仲間のえる
DONE『恋敵。』なのに。小説版guriguriおとこのこおんなのこに登場する、とも(右)&いつき(左)。ともぱいせんがいつきに会いにいつきのクラスにやって来た、あのシーン。本のサブスク?のあまぞんきんどるで、小説版guriguriが3作品(4作品中3作品)読める事に衝撃。実物の本も持っているのですが、電子で久しぶりに読んだら、やっぱり最高だなと。個人的にこの作品がオススメです。
zeppei27
DONE一次創作小説〜バナナの叩き売り屋が、特別なバナナに出会うお話。
芭蕉「りんごが赤くなると医者は顔が青くなるとは海の向こうのお話、バナナが黄色くなれば治療も進むってんで医者も喜ぶ有様。黒い斑点は虎の生まれ変わり、一皮剥けばおかみさんも羨む真珠美人だ。こいつは一房三百はくだらないってところだが、今日はお集まりいただいた皆さんご期待に応えて百五十、いや百と四十はどうだ?」
油紙のように舌をペラペラと滑らせながらも、叩き売り商の心はどこか虚だった。台にずらりと並ぶはバナナ、バナナ、バナナが山と積まれている。幸にして口上は客の関心を買えたようで、二百を飛び越して祝儀がわりだと三百超を財布から取り出す人まで現れる始末だった。今日も全く商売繁盛でありがたい。
手に握った張扇が景気の良い音を鳴らし、一つ二つとバナナは飛ぶように売れてゆく。山はあっという間に崩れ、横に並べた昨日発売日の雑誌や、もはや古い今日の朝刊新聞までもが姿を消していった。変わり種として仕入れたピーラーも売れたらば今日はおしまい。またどうぞ、という声に客が拍手をして店を畳む。
5862油紙のように舌をペラペラと滑らせながらも、叩き売り商の心はどこか虚だった。台にずらりと並ぶはバナナ、バナナ、バナナが山と積まれている。幸にして口上は客の関心を買えたようで、二百を飛び越して祝儀がわりだと三百超を財布から取り出す人まで現れる始末だった。今日も全く商売繁盛でありがたい。
手に握った張扇が景気の良い音を鳴らし、一つ二つとバナナは飛ぶように売れてゆく。山はあっという間に崩れ、横に並べた昨日発売日の雑誌や、もはや古い今日の朝刊新聞までもが姿を消していった。変わり種として仕入れたピーラーも売れたらば今日はおしまい。またどうぞ、という声に客が拍手をして店を畳む。
Quartz
DONE自作AUのMaGtale(仮名)の9話目。今回からカタカナ表記に統一していきたい……入力がちょっと面倒になってきた。
(タイトルの数字のせいでズレてるように見えるけど合っています)
サンフリ増々です、ご注意ください。 10106
鳥飼泰
MEMOテスト投稿。リアクションの絵文字をためしに押してみたりと、好きに遊んでください。何度でも押せるみたい(^^)
あと、トップページの「絵文字で応援する」の横にある吹き出しアイコン💭から、匿名でコメントも送れます。
原稿ができあがったら、この投稿は消します~。
*ワンクッション表記を使ってみたかっただけで、全くワンクッションなど必要のない内容です*
パスワード:pass 303
キツキトウ
DONE2023/11/10「ひと間の嵐」「春の続く場所」「魅惑の秋色」、とある秋の日の零れ話。
「春の続く場所」のお題。:じりじりと焼け焦げる・常春の楽園・言葉より息が詰まる
https://shindanmaker.com/67048
Wisteria:零れ話(4)●「Wisteria:零れ話」について。
本編閑話タイトル其々のおまけのような話、補足や本編その後、とても短い話・隙間話や納めきれなかったお話達。時系列は都度変わります。大体本編と同じ様にいちゃついてるだけの他愛のない話。
以下は本編と同じ注意書き。
○「Wisteria」に含まれるもの:創作BL・異類婚姻譚・人外×人・R-18・異種姦・ファンタジー・なんでも許せる人向け
異種姦を含む人外×人のBL作品。
世界観は現実世界・現代日本ではなく、とある世界で起きたお話。
○R-18、異種恋愛、異種姦等々人によっては「閲覧注意」がつきそうな表現が多々ある作品なので、基本的にはいちゃいちゃしてるだけですが……何でも許せる方のみお進み下さい。
13437本編閑話タイトル其々のおまけのような話、補足や本編その後、とても短い話・隙間話や納めきれなかったお話達。時系列は都度変わります。大体本編と同じ様にいちゃついてるだけの他愛のない話。
以下は本編と同じ注意書き。
○「Wisteria」に含まれるもの:創作BL・異類婚姻譚・人外×人・R-18・異種姦・ファンタジー・なんでも許せる人向け
異種姦を含む人外×人のBL作品。
世界観は現実世界・現代日本ではなく、とある世界で起きたお話。
○R-18、異種恋愛、異種姦等々人によっては「閲覧注意」がつきそうな表現が多々ある作品なので、基本的にはいちゃいちゃしてるだけですが……何でも許せる方のみお進み下さい。
byakugun26
PASTハロウィン留文はっぴーハロウィン🎃「なんて恰好をしとるんだ、お前は!」
学園長の突然の思い付きで催されることになったハロウィンパーティーで、各組で仮装をすることになった訳だが、文次郎は目の前の男の装いを視界に捉えるなり、声を張り上げてしまった。
犬猿の仲である留三郎の仮装を見やれば、包帯を身に纏っただけの姿で恥ずかし気もなく歩いている。見慣れた男が包帯に包まれ、これまたよく見慣れた格好になっていた。今は怪我は無いようだが、いつもならこの包帯に見合うほどの重傷を負い、伊作に看病されている姿を何度も目にしている。
だが、文次郎が指摘したいのはそこではない。文次郎からすれば、包帯の下の柔い肌でさえ、よく見慣れたものなのだ。それが今では包帯一枚のみで隠され、やけにその体の線を強調させている。鍛えられた体と引き締まった腰つきが包帯によって更に顕著に現れ、文次郎に嫌な汗をかかせてきた。
1207学園長の突然の思い付きで催されることになったハロウィンパーティーで、各組で仮装をすることになった訳だが、文次郎は目の前の男の装いを視界に捉えるなり、声を張り上げてしまった。
犬猿の仲である留三郎の仮装を見やれば、包帯を身に纏っただけの姿で恥ずかし気もなく歩いている。見慣れた男が包帯に包まれ、これまたよく見慣れた格好になっていた。今は怪我は無いようだが、いつもならこの包帯に見合うほどの重傷を負い、伊作に看病されている姿を何度も目にしている。
だが、文次郎が指摘したいのはそこではない。文次郎からすれば、包帯の下の柔い肌でさえ、よく見慣れたものなのだ。それが今では包帯一枚のみで隠され、やけにその体の線を強調させている。鍛えられた体と引き締まった腰つきが包帯によって更に顕著に現れ、文次郎に嫌な汗をかかせてきた。
byakugun26
PAST留文の日ー!!おめでとうございますー!!新作は何もないので過去に書いたお話をのせて留文をうみだした気になるやつです劣情を宿した男 ――何をされるかわかっていた筈なのに、体はピクリとも動かなかった。
いつもの喧嘩。いつもの取っ組み合い。胸倉を掴まれたのを感じた途端、咄嗟に文次郎も留三郎のそれを掴んだ事は覚えている。空いていた片手に力を込め、整った顔立ちの男の頬へと、それを喰らわせてやろうと拳を作ったことも鮮明だった。だが、留三郎の闘志に燃えているであろう瞳を見つめた瞬間、文次郎の本能は警鐘を鳴らす。
闘志と共に見えるのは、別の色が紛れ込んだそれ。普段はこの男の奥深くに眠っているというのに、今では文次郎の目にもはっきりと映りこんでしまい、嫌でも自覚してしまう。
――色欲に似た、熱を孕んだ瞳。
この男の眼から時々チラつくその色に、文次郎は気付いていた。日々の喧嘩や勝負の時、己を真っすぐ見据えている際に現れる淡い劣情。じりじりと文次郎の身を焦がし、その上、心にさえ軽く火傷を負わせようとしてくる熱烈な視線に気付かない訳がない。だが、いくらその色を垣間見たとしても、文次郎は一度も指摘することはなかった。嫌な眼だと思いながらも、ましてやこの男の感情を知りながらも、文次郎は気付かないふりをした。いずれは忍びとなる身。道を違える身。更には男同士であり、犬猿の間柄だ。この男から向けられた感情を知ったところで、文次郎にはどうすることもできない。
2828いつもの喧嘩。いつもの取っ組み合い。胸倉を掴まれたのを感じた途端、咄嗟に文次郎も留三郎のそれを掴んだ事は覚えている。空いていた片手に力を込め、整った顔立ちの男の頬へと、それを喰らわせてやろうと拳を作ったことも鮮明だった。だが、留三郎の闘志に燃えているであろう瞳を見つめた瞬間、文次郎の本能は警鐘を鳴らす。
闘志と共に見えるのは、別の色が紛れ込んだそれ。普段はこの男の奥深くに眠っているというのに、今では文次郎の目にもはっきりと映りこんでしまい、嫌でも自覚してしまう。
――色欲に似た、熱を孕んだ瞳。
この男の眼から時々チラつくその色に、文次郎は気付いていた。日々の喧嘩や勝負の時、己を真っすぐ見据えている際に現れる淡い劣情。じりじりと文次郎の身を焦がし、その上、心にさえ軽く火傷を負わせようとしてくる熱烈な視線に気付かない訳がない。だが、いくらその色を垣間見たとしても、文次郎は一度も指摘することはなかった。嫌な眼だと思いながらも、ましてやこの男の感情を知りながらも、文次郎は気付かないふりをした。いずれは忍びとなる身。道を違える身。更には男同士であり、犬猿の間柄だ。この男から向けられた感情を知ったところで、文次郎にはどうすることもできない。
zeppei27
DONE一次創作小説〜!顔立ちを見込まれた主人公が、謎の集落にスカウトされて移住を決めるまでの話です。リプに続きがあります。
魅惑の顔立ち Pという集落に出かけたのはほんの偶然で、首都大学のふるさとイベントなる地方誘致の一環でLさんと知り合わなければ決して実現し得なかっただろう。そもそもPという集落があること自体を私は寡聞にも知らず、ふるさとイベントに出るのもこれが初めてなのだとLさんははにかんでいた。彼女は一度首都に出てきて働いていたそうなのだが、やはりPというよくよく知る故郷の居心地の良さにUターン移住したのだという。
かく言う私はこれという特徴のないG県出身だが故郷に未練はなく、同時に首都での仕事に疲れてしまっていた。大学を訪れたのは、まだ前途洋々だと何も考えずにいられた時代を懐かしんでのことである。おりしも地方栄転という名の流刑に遭う羽目になり、すっかり嫌気がさしたところだった。
4682かく言う私はこれという特徴のないG県出身だが故郷に未練はなく、同時に首都での仕事に疲れてしまっていた。大学を訪れたのは、まだ前途洋々だと何も考えずにいられた時代を懐かしんでのことである。おりしも地方栄転という名の流刑に遭う羽目になり、すっかり嫌気がさしたところだった。
ranmao_cos
MAIKINGマフィアパロの🌱🏛小説サンプル※内容は、大幅に変わる可能性がある。一応、完成版はR18予定
マフィアに気に入られました(仮) カーヴェは、ただ黙って目の前で行われている黒スーツの男たちを見ていた。そうするしか、自分の命が助からないことを分かっていたからだ。
一際目立つ、長身で髪に軽くメッシュが入った男。その男は、部下らしき男たちからアルハイゼンと呼ばれている。どうやら、この組織(マフィア)の上層部にいる人物らしい。
(なぜ、こうなった……?)
カーヴェは、縄で体を拘束された状態で考える。なぜ、自分はこんなことに巻き込まれたのか。時は、数分前に遡る。
*****
「おい、いたか!?」
「こっちにはいなかった。」
「クソッ!どこにいるんだ!?」
(はあ……)
カーヴェは、路地裏に隠れていた。現在の居場所は、違法の風俗店が並ぶ歓楽街だ。だが、、今はどの店も閉まっている時間帯なので人の気配がなかった。カーヴェが隠れ場所として選んだのは、人気のない路地裏だった。
1386一際目立つ、長身で髪に軽くメッシュが入った男。その男は、部下らしき男たちからアルハイゼンと呼ばれている。どうやら、この組織(マフィア)の上層部にいる人物らしい。
(なぜ、こうなった……?)
カーヴェは、縄で体を拘束された状態で考える。なぜ、自分はこんなことに巻き込まれたのか。時は、数分前に遡る。
*****
「おい、いたか!?」
「こっちにはいなかった。」
「クソッ!どこにいるんだ!?」
(はあ……)
カーヴェは、路地裏に隠れていた。現在の居場所は、違法の風俗店が並ぶ歓楽街だ。だが、、今はどの店も閉まっている時間帯なので人の気配がなかった。カーヴェが隠れ場所として選んだのは、人気のない路地裏だった。
グ飴ミ
DOODLE呪いいつも彼女が用意してくれていた毎朝のコーヒーは今日も用意されていない。
僕はあの日彼女と喧嘩して以来、口を聞けていない。
「ごめんね」
たった一言。この言葉を言えていれば彼女を苦しませなかったのかも知れない。
だが、それももうできない雰囲気で、
別れることもできず、ただただこの二人の家で時を過ごしている。
コーヒーの飲めない彼女は僕の目の前で紅茶を一口。
僕は彼女を眺める。
次第に涙目になれば「ごめん。ごめんなさい。」と掠れた声で泣き出してしまう。
「いいよ。僕もごめん。」
そう言って彼女に微笑みかけてもその謝罪が消えることはなかった。
彼女に手を伸ばす。
優しく撫でようとしたその頭を、僕の手はすり抜けてしまう。
喧嘩したあの日。
440僕はあの日彼女と喧嘩して以来、口を聞けていない。
「ごめんね」
たった一言。この言葉を言えていれば彼女を苦しませなかったのかも知れない。
だが、それももうできない雰囲気で、
別れることもできず、ただただこの二人の家で時を過ごしている。
コーヒーの飲めない彼女は僕の目の前で紅茶を一口。
僕は彼女を眺める。
次第に涙目になれば「ごめん。ごめんなさい。」と掠れた声で泣き出してしまう。
「いいよ。僕もごめん。」
そう言って彼女に微笑みかけてもその謝罪が消えることはなかった。
彼女に手を伸ばす。
優しく撫でようとしたその頭を、僕の手はすり抜けてしまう。
喧嘩したあの日。
dps94kakuriyo
DONE『ロマンス』10/21開催のサテヨモwebオンリー「喫茶店でよもやま話を」展示作品その④。11月発行の新刊に収録予定です(加筆修正再録)サンプルとしてご覧ください( ✌︎'ω')✌︎ 6
dps94kakuriyo
DONE『鶴見川にて』10/21開催のサテヨモwebオンリー「喫茶店でよもやま話を」展示作品その①。11月発行の新刊に収録予定(新作)です。サンプルとしてご覧ください( ✌︎'ω')✌︎ 9
奈良音花
PROGRESSアシュレナ小説第2弾「ダブルキャスト」。アシュトンがもし光の勇者だったら、という設定で展開するもの。クロード達との出会いのシーンをサンプルとして。パスワードは「アシュトン」の英語表記。 3556
奈良音花
DONE第88回 お題キャラクター「レオン・D・S・ゲーステ」お絵描きではなく小説ですが、クロード達と出会う前のレオン君の小説を書きました。
奇襲夕闇が訪れる中、ラクール城の深部には、さざめく声や紋章の音が絶え間なく響いていた。その一室には、鉱石が焦げるような甘く痺れるような匂いと、金属が滑り合う繊細な音が充満していた。紋章術が照らす不自然に眩しい光が、部屋の中央に配置された機械と図面に影を投げかけている。
「レオン博士、調査隊より戻った者たちが、これを持参いたしました」
言葉を交わすのは、中年の兵士。彼の手には、謎の辞典のような分厚い書物が存在していた。
「そこにおいてくれ、ベルモンド」
応えるは、繊細な手元で設計図を持つ、見るからに幼さを感じさせる少年。その名はレオン・D・S・ゲーステ。歳はわずか十二。しかしその知識と技術は、城内で彼を博士と尊称する者たちに認められていた。
2799「レオン博士、調査隊より戻った者たちが、これを持参いたしました」
言葉を交わすのは、中年の兵士。彼の手には、謎の辞典のような分厚い書物が存在していた。
「そこにおいてくれ、ベルモンド」
応えるは、繊細な手元で設計図を持つ、見るからに幼さを感じさせる少年。その名はレオン・D・S・ゲーステ。歳はわずか十二。しかしその知識と技術は、城内で彼を博士と尊称する者たちに認められていた。
コペルタ
DONE※恋人ホルイルと夫婦ホルイルの交流話↑以前SS名刺で書いた【遠幻鏡】の本編。
※特殊な話の為、呼び名分けをしています。
遠幻鏡+*·🪞·*·+🪞+·*🪞·*+
かわいい かわいい、赤毛のネズミ。
ゆらゆら 揺りカゴ、夢のナカ。
いとしい いとしい、赤毛のネズミ。
ヨダレを 垂らして、眠ってる。
だいすき だいすき、赤毛のネズミ。
ふわふわ 落ちてく、穴のナカ。
あいして あいして、赤毛のネズミ。
ずうっと ずうっと、オレの物。
*+·🪞·*·+🪞+·*🪞·+*
柔らかくて、ハリのある弾力。
ゆっくりと頭を撫でる手つき。
枕ではない感触に、寝起きの頭を起こすと、
「おはよう、トポリーノ」
イルーゾォと、目が合った。
「何だよ、オメー……もう起きてたのか」
いつもなら、オレが先に起きて渋々起こすのに。
珍しく早起きしても、じっと見つめるなり「飯」と言い放っては、二度寝を決め込む野郎なのに。
4631かわいい かわいい、赤毛のネズミ。
ゆらゆら 揺りカゴ、夢のナカ。
いとしい いとしい、赤毛のネズミ。
ヨダレを 垂らして、眠ってる。
だいすき だいすき、赤毛のネズミ。
ふわふわ 落ちてく、穴のナカ。
あいして あいして、赤毛のネズミ。
ずうっと ずうっと、オレの物。
*+·🪞·*·+🪞+·*🪞·+*
柔らかくて、ハリのある弾力。
ゆっくりと頭を撫でる手つき。
枕ではない感触に、寝起きの頭を起こすと、
「おはよう、トポリーノ」
イルーゾォと、目が合った。
「何だよ、オメー……もう起きてたのか」
いつもなら、オレが先に起きて渋々起こすのに。
珍しく早起きしても、じっと見つめるなり「飯」と言い放っては、二度寝を決め込む野郎なのに。
ここあぱうだー
DONE【掌編】よくある話 男達は工事に取り組んでいた。
「俺、この工事が終わったら、今付き合っている彼女と結婚するんです!!」
若い男はこう言った。
しかし、願いが叶う事はなかった。
まもなくガスが暴発し、工事をしていた男たちはみんな死んでしまったのだから。
「工事に携わっていた者たちの名簿はどうしますか?」
「捨てろ。工事に関する他の証拠も、全部だ。跡形もなく捨てろ。」
事故は隠蔽された。
やがてこの地で、若い男と女の写真が入ったロケットペンダントが発見された。
235「俺、この工事が終わったら、今付き合っている彼女と結婚するんです!!」
若い男はこう言った。
しかし、願いが叶う事はなかった。
まもなくガスが暴発し、工事をしていた男たちはみんな死んでしまったのだから。
「工事に携わっていた者たちの名簿はどうしますか?」
「捨てろ。工事に関する他の証拠も、全部だ。跡形もなく捨てろ。」
事故は隠蔽された。
やがてこの地で、若い男と女の写真が入ったロケットペンダントが発見された。