salmon_0724
DONE2023.1.14-15 そういうブラネロ8 展示作品です。※二つ前に投稿している作品の続きですが、読まなくてもたぶんそんなに問題ありません。
※賢者(女性)が出てきます。
くっついた直後のブラネロと魔法舎のみなさんの話「ネロさん、もしかして何かいいことでもあったんですか?」
急に声をかけられて、それまで別のことを考えていたネロは驚いて顔をあげた。
クリームシチューの鍋をかき混ぜていた手を止めると、夕食づくりを手伝ってくれているカナリアが、作業がひと段落したのか洗った手をタオルで拭いながら小首を傾げている。
「えっ、い、いや、なんで?」
「だってネロさん、ずっと小さく鼻歌を歌っていましたよ。よっぽど嬉しいことがあったんだなって思ったんです」
「……俺そんなことしてた?何か変なこと言ってたりした?」
指摘されるまで完全に無意識だった。
にこにこと微笑むカナリアに「今日はいつにも増して楽しそうにお料理していましたよ」と告げられ、穴があったら入りたくなってくる。
8192急に声をかけられて、それまで別のことを考えていたネロは驚いて顔をあげた。
クリームシチューの鍋をかき混ぜていた手を止めると、夕食づくりを手伝ってくれているカナリアが、作業がひと段落したのか洗った手をタオルで拭いながら小首を傾げている。
「えっ、い、いや、なんで?」
「だってネロさん、ずっと小さく鼻歌を歌っていましたよ。よっぽど嬉しいことがあったんだなって思ったんです」
「……俺そんなことしてた?何か変なこと言ってたりした?」
指摘されるまで完全に無意識だった。
にこにこと微笑むカナリアに「今日はいつにも増して楽しそうにお料理していましたよ」と告げられ、穴があったら入りたくなってくる。
tonoi00mhyk
DONEそういうブラネロ8 展示作品味覚を失ったブラッドリーのお話です。
展示時から少し修正しました。
だいじなもの ネロが最初に違和感を覚えたのは、三日前の昼食の時だった。
ブラッドの様子がおかしい、気がする。
食べ方にいつもの覇気がない。
気のせいだろうか。
<大いなる厄災>の傷で飛ばされて疲れただろうからと、サンドウィッチに挟むベーコンは厚めに切って、野菜もピクルスだけにしておいた。味付けも、ブラッドのはマスタードベースのパンチのあるソースにして、パンも軽くトーストして。好みの味に仕上げたつもりだったが、外したか。
様子が気になって、片付けをしながらちらちらと横目で見ていたが、それからは特段変わった様子もなく、怪訝な顔で「見過ぎだ」と言われた。
ただの考え過ぎかもしれない。
単純に疲れただけ、なんだろう。口に合わなかったんじゃなさそうだし。野菜も、いつもならきちんとバランスを考えて入れるが、今回はピクルスくらいしか入れていない。マスタードを効かせすぎた? いやいやそんな、お子ちゃまじゃあるまいし。
6200ブラッドの様子がおかしい、気がする。
食べ方にいつもの覇気がない。
気のせいだろうか。
<大いなる厄災>の傷で飛ばされて疲れただろうからと、サンドウィッチに挟むベーコンは厚めに切って、野菜もピクルスだけにしておいた。味付けも、ブラッドのはマスタードベースのパンチのあるソースにして、パンも軽くトーストして。好みの味に仕上げたつもりだったが、外したか。
様子が気になって、片付けをしながらちらちらと横目で見ていたが、それからは特段変わった様子もなく、怪訝な顔で「見過ぎだ」と言われた。
ただの考え過ぎかもしれない。
単純に疲れただけ、なんだろう。口に合わなかったんじゃなさそうだし。野菜も、いつもならきちんとバランスを考えて入れるが、今回はピクルスくらいしか入れていない。マスタードを効かせすぎた? いやいやそんな、お子ちゃまじゃあるまいし。
813_moo
DONE1/14. ブラネロwebオンリー「そういうことにしてるつもり!」8~New Year Party~開催おめでとうございます!展示の全年齢えろギャグパラロイ漫画です!
パスワードは外しました。 11
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DONE2023/01/14ブラネロWEBオンリーそういうことにしてるつもり!8~New Year Party~
開催おめでとうございます。
急ごしらえで色々雑ですが、楽しんでいたければ幸いです。
展示は、盗賊団時代のブラネロで風邪ネタです。
ネロが体調不良です。回想で子ネロの体調不良もあります。
※嘔吐表現あり
よろしくお願いします! 7
908banmenokobun
DONE2022年6月5日開催の「ブラネロ パロwebオンリー『そういうことにしてるつもり!6~Another~」参加作です。冬春ブラネロ出会い編の後半です。前半からお読みください。cross_bluesky
DONEそういうブラネロ8開催おめでとうございます!メインストーリー更新分を読み、ブラッドリーの書が来たら"終わる"と震えながら書いた話です。
飢渇と安寧 かつてから、時折身を襲う飢餓があった。
飢えといっても、ものを食べれば落ち着く単純な空腹とは違う。喉の奥が焼け付くように熱くなり、脳髄が目に見えぬ『何か』が欲しいと訴える。
欲しいものは己の手で奪い取る。其れを信条としていたブラッドリーだが、この飢えについては何をしても満たせぬまま、気づけば随分と時が経っていた。
目に見えるものならば力尽くで奪えばいい。しかし、身を焼く渇きの厄介なところが、全身の細胞が沸き立つように欲しい欲しいと叫ぶわりに『何が欲しいのか』『どうすれば手に入るのか』を一向に示そうとしないのだ。
叩かれた扉の音に、ブラッドリーは銃の手入れの手を止めた。タイミングの悪い来訪者だ。なにしろ今のブラッドリーは満たされぬ衝動のせいで普段よりも気が立っている自覚があった。
6439飢えといっても、ものを食べれば落ち着く単純な空腹とは違う。喉の奥が焼け付くように熱くなり、脳髄が目に見えぬ『何か』が欲しいと訴える。
欲しいものは己の手で奪い取る。其れを信条としていたブラッドリーだが、この飢えについては何をしても満たせぬまま、気づけば随分と時が経っていた。
目に見えるものならば力尽くで奪えばいい。しかし、身を焼く渇きの厄介なところが、全身の細胞が沸き立つように欲しい欲しいと叫ぶわりに『何が欲しいのか』『どうすれば手に入るのか』を一向に示そうとしないのだ。
叩かれた扉の音に、ブラッドリーは銃の手入れの手を止めた。タイミングの悪い来訪者だ。なにしろ今のブラッドリーは満たされぬ衝動のせいで普段よりも気が立っている自覚があった。
plenluno
DONE1/14「そういうことにしてるつもり!」8~New Year Party~展示作品②読んでいただきありがとうございました!ぜひアフターでもお楽しみください!
元相棒と野球拳。
魔法舎です。最後だけ微微えちです。
まほやく世界にじゃんけんが輸入されてたのを公式で確認した(どのストか忘れた)のでそのあたりを修正したりしています。
それだけじゃ足りない 「野球拳?」
とある晩酌の夜、ネロは耳慣れぬ単語を反芻した。グラスの酒をあおって身じろぐと黒塗りのソファが小さく鳴く。隣に居るブラッドリーは酒を呑みながらネロ特製のつまみに舌鼓をうっていた。
「前の賢者に聞いたんだよ。じゃんけんして、負けた方が服を1枚脱ぐらしい」
「―っ! はぁ!?」
ネロは酒を吹き出しそうになって何とか堪えた。
「だから、負けたら服脱ぐんだよ。」
ネロは賢者の世界のじゃんけんについて軽く反芻する。握りこぶしの形のグーは石、手を開いたパーは紙、人差し指と中指だけを立てたチョキはハサミを表す。グーにはパーが強く、パーにはチョキが強く、チョキにはグーが強い三つ巴。3種の手の形と関係さえ覚えれば簡単だ。こちらの世界の似た遊びに賢者が反応したのをきっかけに話が盛り上がって以来、魔法舎では賢者にあわせてじゃんけんが使われることが増えた。子ども達が夕飯の献立で揉めたときなどはじゃんけんの勝敗ですんなり決まるのでネロにとっては便利だった。
1827とある晩酌の夜、ネロは耳慣れぬ単語を反芻した。グラスの酒をあおって身じろぐと黒塗りのソファが小さく鳴く。隣に居るブラッドリーは酒を呑みながらネロ特製のつまみに舌鼓をうっていた。
「前の賢者に聞いたんだよ。じゃんけんして、負けた方が服を1枚脱ぐらしい」
「―っ! はぁ!?」
ネロは酒を吹き出しそうになって何とか堪えた。
「だから、負けたら服脱ぐんだよ。」
ネロは賢者の世界のじゃんけんについて軽く反芻する。握りこぶしの形のグーは石、手を開いたパーは紙、人差し指と中指だけを立てたチョキはハサミを表す。グーにはパーが強く、パーにはチョキが強く、チョキにはグーが強い三つ巴。3種の手の形と関係さえ覚えれば簡単だ。こちらの世界の似た遊びに賢者が反応したのをきっかけに話が盛り上がって以来、魔法舎では賢者にあわせてじゃんけんが使われることが増えた。子ども達が夕飯の献立で揉めたときなどはじゃんけんの勝敗ですんなり決まるのでネロにとっては便利だった。
plenluno
PROGRESSネロさんの爆弾処理が書きたかったけどテーマのほうが先に思い浮かんだので書き散らしこの部分はカプ要素ないけどゆくゆくはブラネロになります
爆弾処理書きたい(書け)
↓続き見たい!って思ったら♡ポチポチしてもらえると…嬉しい…(小声)
パラロイ ネロが爆弾処理するブラネロになる予定「ぁ…………」
気づいてしまった。悟ってしまった。
ダメだ、これは。
ネロは完璧に爆弾解除のプロセスを終えた。そのはずなのに、文字盤に表示された数字の減少は止まない。数字が減少するたびに鳴るピッ、ピッ、という音だけがメインシステム内に反響する。
「―――ブラッド、」
次の瞬間、衝撃波と轟音に全て掻き消された。
テセウスの船、という有名な哲学的問いがある。
遠い昔、人々は数々の伝説を残したとある船を後世へ末永く保存しようと考えた。
船は木製であったため、そのまま保管していれば当然風化し、朽ちていってしまう。
人々は船の保存のために、朽ちた部分の木材をその都度新しい木材に取り替えていった。
やがてその船は全ての部分が新しい木材に替えられたが、船の構造そのものは初めと同様に保たれた。
1315気づいてしまった。悟ってしまった。
ダメだ、これは。
ネロは完璧に爆弾解除のプロセスを終えた。そのはずなのに、文字盤に表示された数字の減少は止まない。数字が減少するたびに鳴るピッ、ピッ、という音だけがメインシステム内に反響する。
「―――ブラッド、」
次の瞬間、衝撃波と轟音に全て掻き消された。
テセウスの船、という有名な哲学的問いがある。
遠い昔、人々は数々の伝説を残したとある船を後世へ末永く保存しようと考えた。
船は木製であったため、そのまま保管していれば当然風化し、朽ちていってしまう。
人々は船の保存のために、朽ちた部分の木材をその都度新しい木材に取り替えていった。
やがてその船は全ての部分が新しい木材に替えられたが、船の構造そのものは初めと同様に保たれた。
yns39
MOURNING魔法使い総合商社(体育会系アットホーム企業パロ)営業課長のブラッドリーに、休日のドラッグストアで遭遇する晶ちゃんのブラネロです、エロではないですがやや下品な描写があります 2470rikap_D_gm
DONEうつさた開催おめでとうございます!しょぬ様(@44_mhyk)のブラネロ現パロ小説「jazzlike…」よりお題を頂き、「黒いオルフェ」ラストシーンを描かせて頂きました。(全4P・全年齢です)ありがとうございます…!
しょぬ様の書かれる二人のしっとりとした色っぽさを描ききれているのか大変不安ですが、少しでも楽しんでいただけましたら幸いです🙇♀️
しょぬ様の原案小説「jazzlike …」へのリンクはこちらです。
https://twitter.com/44_mhyk/status/1576706570440052736 4
salmon_0724
DONE2022.10.9 ブラネロ 現パロwebオンリー「現の沙汰もおまえ次第」展示作品です。配信者ブラッドリーと一般ゲーマー?のネロの話 品出しも清掃も終わった深夜のコンビニは、客も滅多に来なくて退屈だ。だからこそ、ぼんやり思考を巡らせるのにはちょうどよいところが気に入っていた。
一応レジに立ちながら頭の中で思い返すのは、バイト前にブラッドリーと共に最後に戦ったオンラインゲームの一戦だ。最後の最後で相手に撃ち負けて最初に落ちてしまい、味方も擂り潰されて2位に甘んじてしまった。
焦ると照準がすぐにぶれるのはブラッドリーにも指摘されるネロの悪い癖だ。わかってはいるものの簡単に直せるものではない。
やっぱり上達するには射撃訓練もちゃんとやらなきゃダメだよな、毎日反復練習しないとすぐに腕が落ちるし……と脳内で反省会を繰り広げていると、ポケットの中のスマホが震える。
11234一応レジに立ちながら頭の中で思い返すのは、バイト前にブラッドリーと共に最後に戦ったオンラインゲームの一戦だ。最後の最後で相手に撃ち負けて最初に落ちてしまい、味方も擂り潰されて2位に甘んじてしまった。
焦ると照準がすぐにぶれるのはブラッドリーにも指摘されるネロの悪い癖だ。わかってはいるものの簡単に直せるものではない。
やっぱり上達するには射撃訓練もちゃんとやらなきゃダメだよな、毎日反復練習しないとすぐに腕が落ちるし……と脳内で反省会を繰り広げていると、ポケットの中のスマホが震える。
sa____yu__
DONE同棲してる社会人二人の休日のお話PM1:00「なぁ、パン買いに行こうぜ」
「パン? どこに」
「三つぐらい向こうの通りに新しい店できたんだって、ほら、前行ったコーヒー屋の近く」
「そういや一件テナントが空いてたな」
「そうそうそこそこ」
遅い朝飯は、チキンのコンソメスープとエッグベネディクトだった。チキンの他にも野菜をたくさんいれて作られたスープは具沢山で腹が膨れるものだったが、まあもちろん、俺は野菜少なめ鳥多めに注がせて食べた。
片付けまでとっくに済ませて、二人でダラダラリビングのソファに座ってコーヒーを啜っていると、ネロが出かける提案をした。コーヒーの香りで思い出しでもしたのだろう。
「お客さんが教えてくれてさ。あんたが好きな固いパンがたくさんあるってよ」
1010「パン? どこに」
「三つぐらい向こうの通りに新しい店できたんだって、ほら、前行ったコーヒー屋の近く」
「そういや一件テナントが空いてたな」
「そうそうそこそこ」
遅い朝飯は、チキンのコンソメスープとエッグベネディクトだった。チキンの他にも野菜をたくさんいれて作られたスープは具沢山で腹が膨れるものだったが、まあもちろん、俺は野菜少なめ鳥多めに注がせて食べた。
片付けまでとっくに済ませて、二人でダラダラリビングのソファに座ってコーヒーを啜っていると、ネロが出かける提案をした。コーヒーの香りで思い出しでもしたのだろう。
「お客さんが教えてくれてさ。あんたが好きな固いパンがたくさんあるってよ」
azurem00n
MOURNINGフォル学でブラネロ未満。ゲストはミスラ。
「ネロ、ブラッドリーはどこですか」
「えぇ……知らねえよ…来てねえんならサボりじゃねぇの」
幼い頃やまだチームにいて連んでいた頃ならまだしも、今はもう、ネロはチームを抜けて、だからこそブラッドリーからも離れようとしている。
真っ当になりたい。
日々ケンカばかりしてそれが何になるというのだ。
怪我ばかりこさえて、それでも楽しそうに笑って、悔しそうに顔を歪めて。あんなにも騒々しくて目まぐるしい日々をネロには生きていくことがもうできない。
ふぅん、と聞いてきたわりに興味のない返事を返したミスラはネロの腕を引っ張り上げた。
「じゃあ、あなたでいいです」
「はっ!?」
がたん、と衝撃で倒れた椅子はそのままに、というかこちらの声も無視してズカズカと進んでいくものだから並んだ机のあちらこちらに体をぶつけた。その端正な容姿からモデルもやっているというミスラの歩幅に当然ネロが追いつけるはずもなく、若干足をもつれさせながら腕を引かれるままに着いていく。
1854「えぇ……知らねえよ…来てねえんならサボりじゃねぇの」
幼い頃やまだチームにいて連んでいた頃ならまだしも、今はもう、ネロはチームを抜けて、だからこそブラッドリーからも離れようとしている。
真っ当になりたい。
日々ケンカばかりしてそれが何になるというのだ。
怪我ばかりこさえて、それでも楽しそうに笑って、悔しそうに顔を歪めて。あんなにも騒々しくて目まぐるしい日々をネロには生きていくことがもうできない。
ふぅん、と聞いてきたわりに興味のない返事を返したミスラはネロの腕を引っ張り上げた。
「じゃあ、あなたでいいです」
「はっ!?」
がたん、と衝撃で倒れた椅子はそのままに、というかこちらの声も無視してズカズカと進んでいくものだから並んだ机のあちらこちらに体をぶつけた。その端正な容姿からモデルもやっているというミスラの歩幅に当然ネロが追いつけるはずもなく、若干足をもつれさせながら腕を引かれるままに着いていく。
plenluno
DONE10/9 ブラネロ 現パロwebオンリー「現の沙汰もおまえ次第」展示作品Twitterのブラネロ版ワンドロライでお題「一途」をお借りして執筆・投稿していたものです。
passはお品書き及びリトリンにあります。
信じていたあの頃の話
ブラッドリーからもらったマスコットのモチーフが実は子犬であることをネロが偶然知るのは数年後。
夏祭り「ネロ!」
名を呼ばれて振り向けば、黒とシルバーの髪が人ごみを揺れている。
「遅れた! 待ったか?」
ただでさえ暑いのに人が多い中走ってきて、ブラッドリーは汗だくだ。
「今来たとこ」
ブラッドの好きな炭酸飲料のペットボトルを手渡しながら答えた。
ほんとは1時間前からぶらぶらしたり人の波をぼーっと眺めたりしてたけど。
今日は近所の神社で夏祭り。もう少ししたら花火が上がるから、適当に屋台を回りながら花火が見える場所に移動しようと話していた。
数年前に見つけた、ブラッドと俺の2人しか知らない穴場があるのだ。
「お、射的」
焼きそば、たこ焼きなどを一通り見繕ったところで、ブラッドが射的の屋台に食いついた。
「ほんとそういうの好きだよな、お前」
949名を呼ばれて振り向けば、黒とシルバーの髪が人ごみを揺れている。
「遅れた! 待ったか?」
ただでさえ暑いのに人が多い中走ってきて、ブラッドリーは汗だくだ。
「今来たとこ」
ブラッドの好きな炭酸飲料のペットボトルを手渡しながら答えた。
ほんとは1時間前からぶらぶらしたり人の波をぼーっと眺めたりしてたけど。
今日は近所の神社で夏祭り。もう少ししたら花火が上がるから、適当に屋台を回りながら花火が見える場所に移動しようと話していた。
数年前に見つけた、ブラッドと俺の2人しか知らない穴場があるのだ。
「お、射的」
焼きそば、たこ焼きなどを一通り見繕ったところで、ブラッドが射的の屋台に食いついた。
「ほんとそういうの好きだよな、お前」
sa____yu__
DONE同棲してる社会人の二人の休日のお話AM11:00 瞼が開く。あまりにも軽くはっきりとした目覚めに、少なくとも早朝ではないだろうと考える。しかし腕の中にはまだ、ネロがいた。
俺の腕の中に潜り込むようにして目を閉じているネロは、普段であれば俺より早く起きて朝食を作っている。
さて、今は何時か。答え合わせをしようと手探りでスマートフォンを探していると、ネロが小さく唸ってうっすらと目を開けた。
「……はよ」
「おはよ」
「あんた全然起きそうにねえから、遅めの飯にしようと思って二度寝したんだよ」
その言葉を聞きながら、手に触れたスマートフォンを手繰り寄せスリープを解除する。時間は正午まで一時間を切っていた。
「何時?」
聞かれ、画面を見せる。
「うお、寝過ぎた。ブラッドあったけえからさ」
621俺の腕の中に潜り込むようにして目を閉じているネロは、普段であれば俺より早く起きて朝食を作っている。
さて、今は何時か。答え合わせをしようと手探りでスマートフォンを探していると、ネロが小さく唸ってうっすらと目を開けた。
「……はよ」
「おはよ」
「あんた全然起きそうにねえから、遅めの飯にしようと思って二度寝したんだよ」
その言葉を聞きながら、手に触れたスマートフォンを手繰り寄せスリープを解除する。時間は正午まで一時間を切っていた。
「何時?」
聞かれ、画面を見せる。
「うお、寝過ぎた。ブラッドあったけえからさ」
908banmenokobun
DONE2022年10月9日開催のブラネロ 現パロwebオンリー「現の沙汰もおまえ次第」参加作です。デイトレーダーブラッドリーと料理人ネロがしゃべってるだけの顔マンガ。フォル学時空の未来のようなそうでないような。二人は付き合っていません。モブ女のセリフが結構含まれます。azurem00n
DONE若人に当てられた現パロブラネロの続き。ネロ目線。ふわっとした設定で書いてるのでふわっと読んでいただけたら。
これの前の話↓
https://poipiku.com/715549/7398561.html
パタンとドアの閉まる音が聞こえて、ネロは読んでいた本を閉じて冷蔵庫へと向かう。ぼんやりと眺めていた花火が終わって、屋台の片づけがあるブラッドリーと別れ、ネロは先に帰路へ着いていた。
花火の音で耳がやられたのかどこかふわふわとした頭で、それでも途中のコンビニでは詫びがてらブラッドリーの好きなビールを忘れずに買って帰った。
チキンの仕込みはすでに済ませていたから、ブラッドリーがシャワーを浴びている間に揚げるだけだ。
基本的にのんびりと過ごす時にはネロの部屋で過ごす。
ブラッドリーの部屋の鍵だってもらってはいるけれど、あのマンションはネロにはどうにも敷居が高いし、広々としていて落ち着かない。無駄に良い道具が揃っているキッチンだけは、ブラッドリーが仕事の付き合いなんかで食材を溢れさせたときにたまに使わせてもらいに行くが、それだってやっぱり使い慣れている自分の道具たちの方が手に馴染む。
3086花火の音で耳がやられたのかどこかふわふわとした頭で、それでも途中のコンビニでは詫びがてらブラッドリーの好きなビールを忘れずに買って帰った。
チキンの仕込みはすでに済ませていたから、ブラッドリーがシャワーを浴びている間に揚げるだけだ。
基本的にのんびりと過ごす時にはネロの部屋で過ごす。
ブラッドリーの部屋の鍵だってもらってはいるけれど、あのマンションはネロにはどうにも敷居が高いし、広々としていて落ち着かない。無駄に良い道具が揃っているキッチンだけは、ブラッドリーが仕事の付き合いなんかで食材を溢れさせたときにたまに使わせてもらいに行くが、それだってやっぱり使い慣れている自分の道具たちの方が手に馴染む。
リゲル
MOURNING2021年1月16日に書いたブラネロ小説に加筆修正したものです。盗賊団時代の話。みんなで銃を撃ちまくってた、とある日の出来事。
軽く汗ばんだブラッドリーの髪を手でゆっくりと梳いて、欠けた耳元を端っこを撫でつけた。ブラッドリーはネロの膝を枕にし、静かに目を閉じていた。明かりの消えた部屋の中、暗闇、窓の間から漏れ出す月光が風に靡いて、ほんの一瞬だけ、ネロはその横顔を覗けたのだ。
―
……みんなで銃を持ってったことがあっただろ。斧でも鈍器でもない銃の気分だとか、ふざけたこと言いながら、各々選んだ銃を手に持ってさ。俺も短いやつをひとつ持ってたな。あんたが貸してくれるってのをわざわざ断ってその小さくて重たいのを両手で包んでた。
弾は全部で6発全込めてあった。今更言えたことじゃないけど、俺は銃撃戦には自信がねえ、だって一度撃った弾丸は戻ってきてくれないじゃんか。
1798―
……みんなで銃を持ってったことがあっただろ。斧でも鈍器でもない銃の気分だとか、ふざけたこと言いながら、各々選んだ銃を手に持ってさ。俺も短いやつをひとつ持ってたな。あんたが貸してくれるってのをわざわざ断ってその小さくて重たいのを両手で包んでた。
弾は全部で6発全込めてあった。今更言えたことじゃないけど、俺は銃撃戦には自信がねえ、だって一度撃った弾丸は戻ってきてくれないじゃんか。
plenluno
DONE泣けないアシストロイドは誕生日の夢を見るか。ネロさん誕生日おめでとうございます!!!
色々あって大遅刻ですが、パラロイのブラネロでお祝いさせていただきます!
ブラッドリーがネロと出会った日をお祝いしようとしてジタバタする話。
視点の切り替わりごとに章区切りをしていて、全8章になります。
誕生日要素ふんわりな感じで、温めてたネタをちょこちょこ昇華した仕様になりましたが楽しく書けました😊
アシストロイドの落涙Ⅰ
ザザ…とノイズが走り、ざらついた視界でアシストロイドとしての「死」を認識する。
自分が何のために生きて、この死に何の意味があるのか。
そもそもアシストロイドにとっての「生」「死」とは何なのか。
たとえ自分が「心」など、「感情」など持たない身の上でも、今際の際にそれらについて思考するくらいは許されたいものだ。
そうだな、自分は元はといえば調理や給仕を行うために設計されたのだから、調理や給仕が自分にとっての「生きる目的」、ということになるだろうか。
だとしたら。
――最後にもう一度、俺の作った飯を誰かに食べてもらいたかったな。
ぽつりと呟いた言葉はもはや意味をなさない雑音に等しかったが、決して無意味ではなかった。
7084ザザ…とノイズが走り、ざらついた視界でアシストロイドとしての「死」を認識する。
自分が何のために生きて、この死に何の意味があるのか。
そもそもアシストロイドにとっての「生」「死」とは何なのか。
たとえ自分が「心」など、「感情」など持たない身の上でも、今際の際にそれらについて思考するくらいは許されたいものだ。
そうだな、自分は元はといえば調理や給仕を行うために設計されたのだから、調理や給仕が自分にとっての「生きる目的」、ということになるだろうか。
だとしたら。
――最後にもう一度、俺の作った飯を誰かに食べてもらいたかったな。
ぽつりと呟いた言葉はもはや意味をなさない雑音に等しかったが、決して無意味ではなかった。
813_moo
MOURNING9/7の夜の話。今後、ネ口の口から「お前に~してほしくない」じゃなくて「お前と~したい」が聞けたらいいなという願いを込めて。
当日ホームボイス聞いて、ネ口が思ったよりも周囲の気遣いを受け止めるようになっていたので供養です…ネ口…幸せになって…
お誕生日おめでとう!! 4
ろどな
DONE9/8 ブラネロ新しい関係を築いた二人がいちゃつく話
ぬくもり 夜の独り寝が寂しいと思うようになったのはいつからだろうか。いつから、彼の体温を求めるようになったのだろうか。
少なくとも『ボス』と慕っていた時代ではない。離れて、再会して、関係を隠すために画策してそして、すべてをやめて求めてから、か。
想う心に蓋はできず、閉じても閉じても溢れるばかり。彼を手元においておくことなど不可能なのに、不可能なはずだったのに、今はそれをできている。体温を触れ合わせて、心穏やかに過ごせるようになった。
ネロはひざ掛けを一枚手にして、自室を出た。音を立てぬように階段を上がり、それから目的地へと向かう。ノックの音は静かな最上階では響いてしまうかもしれない。まあ、いまさらか。魔法舎の中で自分たちの関係を知らぬものなどいないから、開き直ったように扉を叩いた。
1350少なくとも『ボス』と慕っていた時代ではない。離れて、再会して、関係を隠すために画策してそして、すべてをやめて求めてから、か。
想う心に蓋はできず、閉じても閉じても溢れるばかり。彼を手元においておくことなど不可能なのに、不可能なはずだったのに、今はそれをできている。体温を触れ合わせて、心穏やかに過ごせるようになった。
ネロはひざ掛けを一枚手にして、自室を出た。音を立てぬように階段を上がり、それから目的地へと向かう。ノックの音は静かな最上階では響いてしまうかもしれない。まあ、いまさらか。魔法舎の中で自分たちの関係を知らぬものなどいないから、開き直ったように扉を叩いた。
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MOURNINGブラネロwebオンリー「そういうことにしてるつもり!」7~Summer Carnival~開催おめでとうございます!8/21に頒布した小話詰め無配のなかのひとつです。
オーエンとブラッドリーの価値についてのお話になります。 6176