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    ブラウン

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    ブラウン

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    我儘王女は粛正される2 (新兵15王女5)

    1日目の恋するプラ様Sideです。
    ⚠幼い子供にしてはしっかりさせ過ぎてます。半分ぐらいはふんわり感じている事と思ってください。

    我儘王女は粛正される2 (新兵15王女5)1日目
    プライド様Side


    何なのアイツ!!!
    父上とヴェスト叔父様しか訪れないこの部屋に新しい客が来るとジルベールに聞かされたのは昨日だった。
    他人になど会いたくない。
    会いたいのは父上と叔父様──と母上だ。
    苛ついたが父上の案と聞けば身だしなみだけでも整える気にはなった。父上にプレゼントされ綺麗と褒められたドレスに着替えて待つと時間通りにアイツは来た。
    真っ白な騎士の格好をした若い、まだ子供の男。
    凄くガッカリした。顔はまぁ綺麗だが、子供だ。
    自分が子供だから子供を充てがわれたと思ったら興味も失せた。構う気も全く起きなかった。
    折角早起きしてお気に入りのドレスを着たのにムカついて侍女に当たり散らした。でも全然怒りは治まらない。この部屋にいる侍女も衛兵も私が何を言ってもしても何も反応しない。ただただ私の命令を聞くだけ、私が怒れば勝手に震えて謝る。


    もうキライ!
    大っキライ!!
    みんな死んじゃえ!!


    『物を蹴っ飛ばしてはいけません』

    それは突然だった。
    厳しい言葉とよく通る声、なのに肩に置かれた手の温かさが優しくてびっくりした。見れば朝来た子供だ。
    今までは侍女と同じくただつまらなそうに私を見ていただけなのにいきなり怒鳴り、私が何を言っても一歩も引かなかった。いけないことはいけないと厳しい目と態度で示してきた。それはヴェスト叔父様に似ていて突っぱねることが出来なかった。
    こんなに自分に何かを言ってくる人は父上と叔父様以外では初めてだった。それが私の機嫌取りではないのはすぐに分かった。
    それがとても腹立たしく、手当たり次第に物を投げつけたのに全然引かない。

    悔しい悔しい悔しいッ!!

    ティーカップを持つと手を取られてお気に入りのドレスを汚してしまった。

    とても惨めで泣きたかった。

    どうしても何をしても上手くいかない、どうしたらいいのか分からない、そしたらまた説教された。涙が引っ込んで怒りが沸いた。

    何なのコイツ、どうでもいい侍女の味方までしてくる!
    あんただってそっち側なのだ!
    私に仕える者は私の言いなりにならなければならないのに!!
    私が父上に言えばクビに、死刑にすることだって簡単なのに!!


    『どうぞ、おっしゃってください!私は何も間違った事をしたとも言ったとも思っていません!』


    私の方が完全に言い負かされた。
    今までこう言えば皆震え上がり泣いて許しを請いていたのに、赤茶色の瞳が強い意志と光を灯して真っ直ぐに私の目を射抜く。とても綺麗な目だと思った。
    悔しいが私はこの人には口でも力でも勝てない。最後の望みの〝権力〟すら効かなかった。


    だから聞いてみた。


    「それは私が王女だから?」

    なぜそこまで私が傷付くことを気にするのか。私を傷付けたものはどんな者であろうと処罰されることは知っている。でも彼の瞳はどこまでも真っ直ぐに私を見ていて、本気で私の事を心配しているように感じた。

    『いえ、誰であってもです。あなたも、ここにいる皆もです。私は誰にも傷付いて欲しくない、誰もが傷付く前に救いたくて騎士になったのですから』

    その言葉は衝撃的だった。頭が殴られたように痛んだ。
    だって、目の前の彼は〝私〟を特別扱いしていないのだ。それどころかここにいる何の役にも立たない侍女達と私を同列に見ているのだ。

    なんて屈辱。
    なんて侮辱。

    でもプライドの心を支配したのはいつもの怒りではなく、途轍も無い悲しみと、怒ることへの虚しさと惨めさだった。それがどういう意味かを理解できず放心してしまった。
    どんなに頭が良くても答えは出ず、感情までもが死んでしまったかのようだった。


    汚れたドレスを着替えさせて貰いながら、働かない頭を何とか動かして理解出来たのは彼──カラムは〝私〟を恐れていないという事だ。しかも私を懐柔しようとする気もなく私が傷付くことを怒っている。

    プライドは混乱していた。
    初めて家族以外の男性に触れられ、どんなに厳しい言葉と物をぶつけても何事もなく処理された挙げ句、逆に自分が打ちのめされた。
    どんなに抗っても勝てなくて、どんなに自分の権力を振りかざしても屈服しない相手は初めてだった。
    悔しくて、ムカついて、悲しくて、それでもどの感情も浮かんでは消えた。
    変わりに思うのは


    ──赤茶色の瞳が綺麗だったな。


    今まで見たどんな綺麗な宝石もあの色の輝きは放てない。眼光の鋭さと意志の強さがあの輝きを生んでいることはぼんやりとだが理解出来た。
    あれは自分を本気で思ってくれている父上や叔父様と同じ目の輝きなのだ、と。


    ──あの目に見つめられていたい。


    それは恋焦がれる想い、だがまだ幼いプライドには理解出来ない気持ちであり、理解し切れないのが腹立しかった。

    ドレスを着替えている際も完全に毒気を抜かれていたプライドに侍女達が吃驚していたことをプライドは知らない。



    ソファに座ってカラムを待っていた時気付いた。

    ──お気に入りのドレス汚された!それに何よこのドレス!!

    放心していたプライドはどんなドレスに着替えさせられたかをこの時になってようやく気付いた。
    ドレスが気に入らないのではなく、自分が選んでいないドレスが気に入らないのだ。
    だがここでまた怒鳴ればカラムが口をうるさくするだろうことは優秀な頭が答えを出した。今の自分がカラムに敵うとは思えない。それぐらいは幼いプライドにも理解出来た。
    ならカラムがいなくなってからまた侍女達に当たればいい。それまでは我慢だ。プスプスと頭の中でだけ侍女たちを怒鳴りつけているとカラムが入ってくる。
    そして優しく笑ったと思ったらドレスが似合っていると褒められた。

    本当に何なの!?
    カラムに褒められただけなのにブワァァって心がざわつく。理解できないことがさっきから連続で起こっていて頭で処理できない。さっきまであんなに私を怒っていたというのに、今は優しい目で私を褒めてくる。

    ──分けわからない!!

    何よりも分からないのはそんな聞き慣れた褒め言葉なのにカラムに言われると擽ったくて落ち着かない自分の気持ちの方だ。
    可愛い、似合うなんて私には挨拶のようなものだ。聞き慣れている筈なのに。
    再び似合っていると言われて心が擽ったくて耐えきれず話をそらしたら何故かカラムも侍女たちも固まっていた。自分でも気づかない内に自然と「カラム」と彼の名を呼んでいることに気付いた。
    だが何故それで彼らは固まったのかまでは理解できない。

    『お友達になってもらえませんか?』

    また良くわからないことを言い出した。
    これを最初から言われていれば懐柔だと思っただろう。しかし今はもうカラムがそういう人間でないことは理解出来ている。
    何より真っ直ぐに私を見ている目はどこまでも優しく彼が本音で話していることを私に訴えていた。疑う必要も微塵も感じさせない目で。そこで叩き出した回答は。

    ──カラムは友達がいないから私なんかと友達になりたいというのかしら?

    聞いたら目を泳がせながらも肯定した。
    なら私が友達くらいなってやってもいいかと敢えて威張って私を“王女”、カラムを“騎士”と評したら何故か真っ赤な顔になり、片手で隠しながら背けた。
    見える耳まで髪に混じる赤より真っ赤だ。本当に意味の分からない奴だ。あまりの言い方にまた怒っているのか、とも思ったが特に何かを言ってくることもない。
    放置していると治まったのかまだ赤み差す顔を正面に戻したので、怒っていないのを確認するためにも次いつここに来るのか聞いてみた。

    その解答にショックを受けた。
    いつも来てくれるわけではないのだ。
    それでは父上や叔父様と同じではないか!!。
    私はまた独りになる。
    また待つだけの長い時間が繰り返される!!

    それを思うとまた怒りと悲しみが込み上げてくる。でもカラムにぶつける事も出来ない。
    彼は上に命令されて来てくれているのだから。
    命令は絶対、口答えは許されない。
    それは知っている。だって、この部屋でこの私がしていることなのだから。


    途方に暮れてたら彼は目線を合わせて語りかけてくれた。それはとても優しい目と声だった。
    差し出された手からも彼の優しさが伝わってくる。
    また真っ直ぐにその宝石よりも美しい目に囚われて、彼は私が理解できるようにゆっくりと心地の良い声音で、彼の本音を伝えてくれた。

    『私はずっとプライド様を慕っています』

    真剣な表情の綺麗な顔を私に向けて紡ぐ言葉は不思議な程すんなりと私の心に落ちて空虚だった心を満たしてくれる。


    上の命令1つで会えなくなる関係
    だからこそ伝えておきたいと、
    私の為に、
    私が傷付かなくていいようにと
    優しい言葉をくれた。


    ──会えないのは嫌いになったからではないのだと。


    何より間近にある綺麗な顔で優しく微笑まれた瞬間、心臓が大きく震えた。身体が熱くなって顔に熱が集まって熱くなる。
    たぶんさっきのカラムと同じくらい真っ赤な顔になったと思う。
    それでもカラムの話を聞いていたくて、恥ずかしさに耐えながらもカラムの顔と言葉に集中した。

    カラムはどこまでも優しい。
    優しい言葉をくれる。
    カラムなら本当に会えなくなってもずっと私を慕ってくれている、と思った。

    嬉しくて心が跳ねて、だけど言葉には出来なくてモゾモゾして、声も出なくて、それでもカラムは分かってくれて。


    私〝なんか〟の手の甲にキスをくれた。


    夢を見ているような、現実ではないような気がした。こんな絵本に出てくるような王子様がいるとは思わなかった。本当に絵本から出てきたのではないかと思ってしまった。

    でも、やっぱりカラムはカラムだ。
    王子様と思ったのも一瞬で、私のことを子供扱いして揶揄ってきた。
    やっと心に怒りが込み上ってきてぽかぽか叩いたのにカラムはそれすらダメージ受けてなくて一人で大笑いを続けた。

    こんな王子様なんか絵本の中にはいない。やっぱりカラムはカラムだ。
    でも、それがとても安心した。
    絵本の中から出てきた王子様ならやっぱり私なんか見向きもしないだろうから。

    カラムだから私に向き合ってくれるんだと思えた。
    会ったばかりで何故そこまで信じられているのか、幼すぎて理解出来なかった。それでもそれは些細なこと。

    「ふん、もういいわ。次来たら覚悟しなさい!」
    「はい、プライド様」

    まだ笑いながらも次を約束をしてくれたことにまた喜びが心を満たした。





    ■後書き
    プラ様サイドです。子供ではあるが優秀なプラ様なので普通の子供よりは思考しているかと思ったらこんなことに……。この思考の半分もプラ様本人はしっかりとは理解し切れていない曖昧だと思ってください。(それが表現できずに撃沈しました)

    幼プラ様は常に怒り散らかしているイメージです。






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