8月12日午前5時 夜明け前に別れた末の弟と妹は今頃仲良く夢の中だろうかと想いを馳せながら、ミカエラと何度も口づけを交わす。
ガタイのいい男が二人乗ってもなお広いビキニ御殿のミカエラの寝台の上で、背後から抱き込む形で腕の中に閉じ込めているのは、俺の見立てた鉄紺色の浴衣を着たミカエラ。
この日のために俺が選んだとっておきのラッピングを施された、俺のためだけのとっておきのプレゼントだ。
「毎年思うんだがな」
「うん?」
「どうせ脱がすのに何故わざわざ着せるんだ? しかも貴様の誕生日だと言うのにいちいち私のために衣装まで仕立てて」
「毎年言ってるだろ? 俺が選んだ服で着飾ったお前を俺の手で脱がすのが良いんだって。男のロマンだよ、ロマン」
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