6月最近仲良くなった歴史教諭のエルヴィン先生。
昼は晴れたら毎日中庭でジャンクフードを大きな口で食ってるのを見掛ける。
目が合うと嬉しそうに手を振ってくれるのが可愛い。
いや、違う、そこじゃない。先生は毎日ジャンクフード…マヨネーズとソースビタビタのジャンクフード。
だから気になって声をかけちまったんだ。
「毎日それで身体悪くなんねーか?」
「いーや、私はジャンクフードが好きなんだ。味が濃くてね」
あぁ、今日もイカしてるな。
笑顔が可愛い野郎め。
高身長でハンサムで声もデカくてなんでもデカイ。手も口も目もなんでもデカくて……はぁ、好き。
「いい歳なんだ。気にしろ」
「君はどうなんだ?」
「弁当持参だ」
ニコニコしてた顔が一気に真面目な顔になっちまった。そんな面もイカしてるぜエルビン先生。
「手作りだと?君が?」
「おう。簡単なモンだけど…」
「君の昼ごはんはいつだ!30分後かな!待ってるよ!お弁当分けて欲しい」
食べかけのサンドイッチを俺に差し出し「交換しよう」とまで言いやがる。なんで食べかけと交換しようとしてんだ!?
そんなソースビタビタのサンドイッチを俺が食うとでも?でも先生の食べかけのサンドイッチ…
「私は料理には全く興味がなくてね。独り身だと作るより買った方がコスパがいい。手作りに飢えている。君のを食べたい」
そんな真剣な顔で…そんな……こ、告白みたいに言うな。ドキドキしちまうだろうが!
俺はエルヴィン先生の顔と声に滅法弱い。どタイプな男にお願いされたら断れないだろ。
「ッチ。30分待ってられたら……分けてやらないこともない」
「待つよ!いつまでも」
くそっ…そんな良い笑顔で言うんじゃねぇ。好きって言っちまいそうになったじゃねーか。
エルヴィン先生とお昼食べれる~とウキウキ急いで事務所に向かったが…思い出した。
今日の弁当…昨日の残りの肉じゃがときんぴらごぼうと唐揚げだ。全部茶色ばっかだ、と。
しかも寒いからと味噌汁も持参していた。
……もっとちゃんとした物を作って来ればよかった。
しかし20分後、大喜びで肉じゃがときんぴらごぼうを食べ、味噌汁も飲み干し「これは赤味噌か?最高だ!私の好きな味だ、毎日飲みたいよ」と…。
言われてみたいプロポーズの言葉1位(俺ランキング)を言われエルヴィン先生に惚れ直した6月の梅雨の時期。
「え、エルヴィン先生は…作ってくれる女、とか、いねーのか?」
「……居たらどうする?」
「え…」
思いもよらない返答にドキドキした。
…もし、居たら…
「その女を樹海に放置して先生に一生会えなくしてやる」
「ははっ!冗談さ。好きな人はリヴァイ先生だけど、付き合ってる人は今の所いないさ」
「そ、そうか。冗談か……って、はぁ!?今、なんて…」
「さ、昼休みは終わりかな?また放課後に!」
ちょ、ちょっと待ちやがれ金髪ハンサム野郎!!!