ニト保の記念日今まで付き合って来た女性には
『記念日はテーマパーク行って~近くのホテルに泊まりたい』『記念日は絶対でしょ』『エルヴィンって記念日忘れるよね…』『記念日は大事なんだよ』
と言われ続けてきた。
正直私にとっては記念日はどうでもよかった。
ただ過ぎ去る日々、記念日と言っても付き合って何ヶ月?とかだ。どうでもいい。
今まではどうでも良かった。でも…
リヴァイと出会いリヴァイを好きになったら
『リヴァイと出会って1年』という日がとても大切な気がしてきた。
「明日、出会って1年になるんだけど」
「ふーん。もうそんなにか」
「……なんかする?」
ソワソワしながら聞いたらリヴァイ君は俺の洗濯物を畳みながら「仕事だよ」と素っ気なく返事をした。
「仕事終わりとかに何処か行く?」
「なんでだ?お前は行きたいのか?」
「いや……別に」
リヴァイ君は「俺は普通に家でちょっと豪華な食べ物作って、普通にお前と過ごせたらそれでいい」と当たり前のような言った。
あー…多分リヴァイ君のこういう所が俺は惚れてしまったんだ。
その日その日を大切に生きるリヴァイ君が美しくて。
この世界に飽き飽きしていた見ず知らずの私を拾って、ここに置いてくれた優しいリヴァイ君。
次の日、記念日の日もいつもの時間で保育園に出勤するリヴァイ君に熱烈な行ってらっしゃいのチューをかまし今日1日の予定を確かめる!
まず髪型を整え髭を剃り、服もヨレヨレのスウェットから清潔なシャツとパンツに着替える。
夕飯の具材と高めのワインを買いに出掛け、昼から仕込み始める。
俺に出来る精一杯のお祝い。
クックパッドを見ながらビーフストロガノフとサラダ、ドレッシングも自分で作りデザートはプリンを作ってみた。
リヴァイ君の帰宅時間はもうそろそろ。
サプライズなんて初めてだ…ドキドキしてきた。
玄関のドアがガチャンと開く音がする。
「ただいま」
「おかえり!リヴァイ君」
夕飯は用意するよ、と連絡を入れてたから早く帰ってきてくれたリヴァイ君。
私が玄関にお出迎えに行くと、鳩が豆鉄砲を食らったかのように驚き……そして「イエマチガエマシタ」と出ていこうとしている!
「君の家はココだ!合ってる!」
「お、お前は誰だ!!俺のヒモ彼氏じゃねぇ!」
「君のヒモ彼氏のエルヴィンだ」
「なっ……おま…はぁ!?」
まじまじと上から下まで舐めるように見てから両手で顔をガシッと掴まれた。
「な、なに?」
「すげーーークソハンサムだ。惚れ惚れした。お前ちゃんとしたら俳優みたいだな。なんだこれ、驚いちまったぞ」
リヴァイ君が珍しく饒舌だ。これは結構喜んでるな。
「記念日だから、ちょっとちゃんとしてみたよ」
「ちょっとどころじゃねぇな。好きだ好き、クッソ好き好きエルヴィン最高だ好き!」
いつもは手を洗ってうがいしてからなのに、今日は頬や唇にチュッチュとキスを顔中にしてくれるリヴァイ君。か、かわいい!!
この顔に生まれてよかった~
「ね、ねぇちょっと待ってリヴァイ君」
「あぁ?このままセックスだろ?セックスしようぜセックスしよう」
「ゆ、夕飯作ったから!ちょっと豪華な感じの…」
「食う!エルヴィンが作ってくれた夕飯、俺はその為に急いで帰ってきた!」
「そっかよかっ……んっ!」
大喜びしたリヴァイ君が舌を私の口にねじ込み強引に深いキスをしてくる。
「あっ……まっ、りば……んむっ」
この小さい口に舌を吸われクチュクチュと舌と唾液を絡ませてくる。リヴァイ君のキスはかなり積極的で男らしい。
普段はお母さんみたいな包容力と優しさがあり、落ち着きのある人なのに途端に興奮するとガンガン攻めてくる雄になる。
こういうギャップもかなりグッときて惚れ直してしまう。
ゆっくりと顔を離し「リヴァイ、夕飯冷めちゃうよ」と言えばスイッチの入ったリヴァイは唇をキュッと噛み締めてから我慢するかのように私の首に噛み付きジュッと強く吸われた。
「痛っ」
「手洗ってうがいして1発抜いてくる」
「1回だけね。後でいっぱいするから」
「分かった分かった」
首筋に着いた鬱血痕に手を這わせた。
今日はたくさんリヴァイ君をめちゃくちゃにしよう……
最初はきっと誘ってきて主導権はリヴァイ君かな?その後はたくさん奥の奥を責めていじめて沢山孕ませたいな。
それは全部ご飯の後だ。
「リヴァイ~お風呂も湧いてるからそのまま入って来なよ」
「さすがだエルヴィン!愛してる」
「俺もだよ」
リヴァイ君の好きな入浴剤も入れてあるからゆっくりしてもらおう。
俺たちの記念日は普通にちょっと豪華な食べ物作って普通に君と過ごせたら、それでいいんだ。