朝はあまり得意ではない。正確に言えば学校がある日の朝が。家族や、大食漢の幼馴染みの食事を準備するから早起き事態は苦ではないけれど、数式や単語を詰め込まなければならない授業が後に控えていると考えるだけで、面倒くさいという気持ちが湧いてしまう。そもそもが勉強が得意ではないのだ。小学校の頃からテストはマルよりバツの方が多かったし、真面目に受けなければならない授業も幼馴染みと一緒にサボることの方が多かった。
不公平だと思うのはその一緒になってサボった幼馴染みはいざテストとなればネロよりはるかにいい点数を取ること。多分、頭の作りが違う。ネロは小難しい数式やら過去の歴史やらを一度聞いただけでは覚えられない。けれど幼馴染みであるブラッドリーは一度聞いただけで大抵のことは頭に入るのだと言う。
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