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    リレラ@刀さに垢

    @Lirela_tousani

    実休さんの夢女

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    リレラ@刀さに垢

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    実さに小話つめ

    実休さんと #女審神者 の小話7つ

    #刀さに #刀剣乱夢

    #刀さに
    swordBlade
    #刀さに(女)
    swordSize
    #刀剣乱夢
    swordAbuseDream
    #実さに
    #実休光忠

    実さに 小説log1🌿めにゅー

    1 【紫粋の瞳のその中に…】
    実休さんに会いたくて審神者になった話

    2【実休さんと朝チュン】
    実休さんと朝チュンしちゃうお話

    3【実休さんの神域】※会話文

    4【実休さんのお嫁さんになったらどぉなるの?】※会話文

    5 【生理の主と実休さん】※実休さん視点のお話

    6 【主の耳と実休さんのピアス】
    寝てる間に実休さんのピアス付けられてたお話

    7 【生理で悪寒がしててお腹痛くて寝れない主が真夜中に恋仲実休さんの元に行くお話】



    ■□▪▫■□▫▪■□▪▫■□▫▪■□▪▫■□▫▪





    【紫粋の瞳のその中に…】


    初めてその神様を見たのはほんの数ヶ月前…
    健康診断で審神者の素質があると言われ、けれど戦争の最前線のその場所へ、戦争を知らないあたしが行くにはピンと来ず、だからといって恐ろしいものであると知識での理解で断り続けていた時だった。

    一昔前は赤紙で強制的に審神者に招集されていたがそれも無くなり、今はきちんと本人の同意の元審神者となる。

    けれど審神者は常に人員不足らしく、時の政府の役人は何度もあたしな元を訪れ、その度に断っていた。
    来る度に違う刀剣男士を連れ、彼らがあたしを守るのだと。彼らと共に歴史を守るのだと力説されるのを、まるで他人事の様に聞いていたの。

    でもこれが最後だと役人と共にやってきた刀剣男士たちの一振、黒髪から毛先にかけ白色になる綺麗な髪、逞しく引き締まった大きな上背、顔の半分程もある火傷のあとさえも自らを魅了するもののひとつとし、甘く心地のいい声でゆったりとした喋り口調の、粋いた紫の瞳の神様に…心を奪われ気づいた時には「審神者になります」と口から言葉が出ていた。


    それからあれよあれよと座学、それから先輩審神者の元への研修とあっという間に時はすぎ、自分の本丸をもつ審神者となって今にいたる。
    辺りにも不純な動機に初期刀と初鍛刀や、それ以降に来てくれた刀剣男士達に話したけれど、みんな揃って

    「それはきっかけき過ぎない。いつかお迎えしてあげよう」

    と言ってくれて、あまりの優しさに涙が出るばかり。
    そうして立ち上がったばかりの本丸は少しづつ…うーん…、新人にしてはなかなかにハイスピードに進んでいっている。

    そして今、あたしの目の前のパソコンの画面に映し出される文字に固まっているところだ。

    「やったね主!やっと彼をお迎え出来そうだね」

    「ほ、本当に?本当に彼をお迎えできるかも…しれないの?」

    「確定報酬だしね。とはいえなかなかに大変そうな数を集めることになるけど今までこのためにみんなで頑張ってきた部分もあるから絶対大丈夫だよ。」

    一緒に政府からの【夏の連隊戦のお知らせ】を見ている燭台切光忠の声に、情けなく目尻に涙が浮かんだ。

    「まだ泣くのは早いよ。お迎えしてから、ね?」

    「うん!」

    画面に映る心を奪われた神様をそっと指で撫ぜた。


    .


    連隊戦が始まり、新人本丸としてはなかなかの練度のうちの男士達は戦うことが好きなのもありどんどん夜光貝を集めて行った。
    披露しては交代をして、でも休む時はみんなで休んでそして…

    目の前でひらひらと桜が巻い、、

    「僕は実休光忠…。二度も焼けて記憶はだいぶあやしいけれど、それで良ければ」

    あの神様が…実休光忠が顕現された。




    ■□▪▫■□▫▪■□▪▫■□▫▪■□▪▫■□▫▪



    【実休さんと朝チュン】



    「んんぅ…」

    目覚ましが鳴るまえに目が覚めたけど、まだ目を開けるのほど脳は覚醒していないし、目覚ましは鳴ってないからもう少しくらい寝てもいいよねなんてぽやぽやするまま、最近暑くなって変えたタオルケットをすっぽり被ろうとしてふと、腕が動かせないことに気づいた。
    はて?なにか拘束されるような状況になるものか?そんな場所で寝た覚えも、されるような覚えもないぞ?と思った。
    それになんだか暖かい…。そう、それこそタオルケットに包まれた暖かさとはちがって人肌の温度……人肌?
    そこまで思いぱちりと目を開けると

    「おはよう。かわいい寝顔だったね」

    「実休…?」

    「うん。寝起きの君もかわいいね」

    なんて柔らかく微笑みながらあたしの寝乱れた髪を優しくすぐ目の前にいた。

    「え?あれ?」

    動けないと思っていたのは当然で、あたしは実休に腕枕されていて、片腕はすっぽり包むように抱きしめられているから。

    「体は大丈夫?少し、無理をさせちゃったから」

    抱きしめつつも器用にあたしの腰をさする手はいやらしさの欠片もなくて、でもいたわるような手つきと実休の口にした言葉にさらに混乱する。

    「これは…どぉいう…」

    冷や汗が垂れてくるけど、それどころじゃなくてとにかくこの状況の説明をして欲しかった…。いや、聞きたくないような気もするけどハッキリさせないとヤバいのは確かだ。

    「ん?昨日は宴会でみんなとご飯を食べてお酒を飲んで…その後、僕が君を部屋に連れて行ってね。酔った君があまりにも可愛くて…そのまま。」

    ことに及んでしまったと…。

    「あ、でもね?ちゃんと確認したんだよ?僕ていいの?って。そうしたら君は僕のことが好きだから嬉しいっていってくれて、僕もずっと君が好きだったから。ちゃんと思いあって…だったんだけど…覚えてないかな?」

    しゅんっとして普段はキリッとした眉を下げて、あるはずのない犬とかみたいな三角の耳が垂れ下がった幻覚がみえている気がする。
    罪悪感がすごい…
    どぉやら酔ってやらかしてしまったらしい…。
    けど本当に申し訳無いけれど

    「ごめん…」

    「そっか…」

    とても切な気な声の実休に心がきゅぅって締め付けられて痛くなっ……た……
    までは、いいの。
    待って?実休はさっきなんて言った?

    「あたし…実休のこと…好きって、言った…の?」

    「うん。へにゃってとっても可愛い顔で僕の頬を包んでキスをくれて、好きって伝えてくれた。」

    それを聞いて一気に顔が熱くなった。
    そんな…そんなこと…酔った勢いで…!
    隠しておくつもりだった…。本丸をもつ審神者として、実休や他の刀剣男士の主として伝えないって決めてた。それこそあたしが審神者を辞める時には…とか思ったりもしてたけど。そんな…恥ずかしいやら自分の覚悟の弱さに情けないやらでいたたまれない。

    顔を覆って俯いて自己嫌悪に陥ってるあたしにオロオロとして顔を覗き込もうとしてた実休が、そっと手を伸ばしてきたのを気づいてなくて

    「僕は、聞いてはいけないことを聞いてしまったんだろぉか?主である君を思って君を一夜愛したことは君は受け入れられない?」

    「そっ…そんなことない!覚えないけど!でもあたしが!……あたしが実休を好きなのは、本当で…でも言うつもりなんて無かったから」

    情けなくて視線がウロウロとして実休を直視できないあたしの手をそっと掴んで、泣きそうで目に涙が滲んで瞬きしたらこぼれてしまいそうなあたしの顔を実休が見つめてきた。

    「僕は嬉しかった。君も僕を好きでいてくれて、同じ思いでいてくれたことがなによりも。だから、ごめんね。無かったことにしてあげれそうに無いんだ。」

    その言葉にとうとう涙が頬を伝って零れ落ちた。
    真っ直ぐあたしを見つめてくる紫の瞳と視線が絡んで…そらすことを許してくれない。次から次に溢れて止まらない涙を、いつもの手袋のない実休の指先が拭い目尻を優しくなでる。

    「好きだよ。君のことが、すごく好きになったんだ。誰にも君を渡したくないくらい。」

    「…なん、で…」

    「んー、なんでと言われると困ってしまうかな。だって君の素敵なところを一つ一つ増えていく度に心がぎゅぅってしてあたたかくなっていくんだ。君はこの本丸の主だけど僕だけを見てほしい…なんて凄くわがままなことだけど、そぉずっとおもってたから。」

    「あたし、も…」

    一緒だ。
    実休のことを知る度に嬉しくて心が締め付けられるくらい切なくて甘くて…気づいたらずっと目で実休を追って探してる。

    「あたしも、実休が…好き、だよ。好き…すき、なの」

    酔った勢いじゃなくて、意識のはっきりしている今、自分の意思で言うつもりの無かった好きを口にしたら止まらない。この男があたしは好き。人間じゃ無い刀の付喪神。
    それでもあたしは…

    「実休が好き」

    「うん。僕も、君が好きだよ。」

    溢れて止まらない涙を今度は実休の唇が触れるとこで拭われ、その熱がそっとあたしの唇に触れた。

    「忘れてしまったならまた愛し合えばいい。僕の腕の中にいる時は僕だけの君でいて?」

    「ん…うん。うん!」

    堪らずあたしを抱きしめたままの実休に自分から抱きつくと、実休は両腕であたしを強く抱きしめた。



    ■□▪▫■□▫▪■□▪▫■□▫▪■□▪▫■□▫▪


    【実休さんの神域】※会話文


    「実休さんの神域はどんな感じ?」

    実休「僕?んー…薬草畑があるかな」

    「ふふ、実休さんのホントの秘密の花園だね」

    実休「そぉだね 。色んな薬草があるから美味しいお茶をたくさん入れてあげれるかな」

    「ご馳走してくれるの?」

    実休「構わないよ。でも、帰してはあげれないけど」

    「ずっと実休さんの神域で、実休さんと暮らすの?」

    実休「そぉ。僕の神域に主を閉じ込めてずーっと僕とふたり。のんびり生きていくことになるね」

    「浮気はしない?」

    実休「僕は君が可愛くて、愛おしくて仕方ないから浮気はしないよ。ずっと君だけ」

    「あたしすごく愛されてる!」

    実休「うん。僕は末端とはいえ神の端くれだからね。自分で言うのもなんだけど独占欲や執着心は強いと思うな。
    僕の腕で抱きしめて、神域から逃げられないように閉じ込めて、僕の思いでがんじ絡めにして僕だけを見て欲しい…って思っているくらいには傲慢な神さ」

    「ふふ、すごく重たい愛だ」

    実休「そんな僕は嫌い?」

    「ううん…大好きよ。ごうまんなあたしの神様をね」

    実休「うん」

    「愛してるの」

    実休「嬉しいなぁ

    「ふふ。あたしの神様がよそ見をしないでずーっと、その綺麗な瞳にあたしだけを写してて、あたしだけに愛を囁いて欲しくて、あたしだけをその腕に閉じ込めてて欲しい…
    そんな風に思ってるくらいには、強欲な人間なの」

    実休「そうかな?すごく人間らしくて、いっそう君を愛おしいと感じるよ」

    「それなら、嬉しいなぁ」

    実休「なら…君を僕の秘密の花園に連れて行って(隠してしまって)も、いいかな?」

    「ふふ。喜んで♡」

    神隠しされる主と神隠ししちゃう実休さん






    ■□▪▫■□▫▪■□▪▫■□▫▪■□▪▫■□▫▪



    【実休さんのお嫁さんになったらどぉなるの?】※会話文

    「神様のお嫁さんになったらどうなるの?」

    実休「うん?僕達のお嫁さんってことかな?」

    「そぉ」

    実休「人間として寿命を全うすることもあるし、人としての理から外れてしまうこともある…かな?」

    「それはどぉ違うの?」

    実休「僕の気持ちを優先するか主を優先するか」

    「なるほど?」

    実休「主が人としての理から外れることなく老いて寿命を全うして、君の死を見届け生まれ変わるのを待ってるいるか
    生まれ変わるまで待ってるなんてしたくなくて、主の全部が欲しくて人の理から外れさせてしまうか…かな?」

    「実休さんは?」

    実休「僕?言っていいの?」

    「聞かせてくれる?」

    実休「僕は君の隣にいて、沢山笑ってて欲しいな。僕を見つめてくれる君の瞳に僕を写して欲しい。笑っていて欲しい。幸せだと感じて欲しい。
    きっと年老いていくことでたくさんのことを君は知って感じていくんだ。

    「うん。きっとそう」

    実休「でもね」

    実休「僕は例え君が老いることで経験することも感じていく素敵なこともあるって知ってても、君の死を見届けて生まれ変わるまでを待ってるなんてしたくないんだ」

    「ずっと一緒にいたい?」

    実休「ずっと君と一緒にいたい。君の心も体も、命も名前も…魂も全部全部奪って人の理から外れさせてでも、隠して僕だけが感じて抱きしめることが許される、僕だけのお嫁さんになって欲しいって思ってるよ」

    「実休さんはわがままだなぁ」

    実休「そぉだね。僕はすごく傲慢でわがままかもね。」

    「でも、すごく切なそうなお顔しているのはなぜ?」

    実休「だってこれは僕のわがままだから。主の…君の思いは関係ない。自分勝手なことだろう?」

    「どぉして?」

    実休「君を人としてあり続けることをのぞんであげれないのは…人間からすればすごく恐ろしいことだって、僕にも分かるから」

    「ばかだなぁ、実休さんは」

    実休「え?」

    「なんで言わないの?
    《ずっと一緒にいたい》って。
    あたしのきもちは聞いてくれないの?」

    実休「聞きたい…な」

    「ふふ。あたしもね。実休さんとずーっと一緒にいたい。人として生きて死 ぬことができなくなっても。実休さんがいなくちゃ生きていけなくなるんだとしても。
    それで実休さんを独り占めできるなら
    あたしはずーっと幸せって笑っていられるし、ずーっと実休さんの隣にいて一緒に笑っていられるって言いきれるよ!」

    実休さん「君は…すごくかっこいいなぁ」

    「かっこよくてかわいいお嫁さんはどぉですか?」

    実休「すごく素敵だと思う!
    ねぇ幸せにするから《僕に名前を教えて?》
    僕に君の全てをくれないかな?」

    「喜んで!」

    人の理から外れちゃった主と人の理から外れた主の全部を貰った実休さん





    ■□▪▫■□▫▪■□▪▫■□▫▪■□▪▫■□▫


    【生理の主と実休さん】



    僕が顕現した時、黒曜石みたいな綺麗な瞳を輝かせてはにかんだその表情がずっと頭に残ってるんだ。

    あの日からずっと「おはようございます実休さん!」「おえりなさ…ケガ!手入れ部屋ぁ!」「畑当番お疲れ様です。水分補給ちゃんとしてくださいね」

    僕を気にかけてくれて、「ありがとう」と言えばあのはにかんだ表情で僕を見てくる。
    それが酷く愛らしくて、だから僕もお茶を入れたんだって少しお話をするのがすきだ。多分顕現してからこの本丸で彼女と一緒にいた時間は僕が1番長いんじゃないかな?
    今迄もそうだったのかと聞いてみたけど、他の子は「実休さんほど一緒にはいなかった」と言っていたから少し嬉しくて、擽ったい気持ちになった。
    そんな日々を送っていたから今朝もいつも通り

    「おはよう」

    声をかけた。
    いつものようにはにかんで返事が返ってくるとばかり
    思っていた僕に主は

    「……おはよぉございます」

    それだけを言うと早々にどこかへ行ってしまった。
    ぽかん…って多分すごく気の抜けた顔をしてたと思う。

    今日は出陣じゃなくて内番の日だから、時間を見て主に会いに行こう。
    そう思っていつもより早く当番の仕事をして、少しだけ彼女に会いに行く。

    .

    「主、少しいいかな?」

    彼女が美味しいと言ってくれた薬草茶を入れて、一緒に休憩出来ればと思ったんだ。
    でも執務室の障子の向こうからは

    「一緒にいたくないので結構です」

    突っぱねるような言葉だった。

    「僕なにかしちゃったかな?」

    「そぉじゃないですけどでもイヤなのであっちいってください」

    「そっか…ごめんね」

    手元の薬草茶の乗ったそれがかちゃりと小さく音を立てた。
    酷く胸が締め付けられるように痛む。

    主の部屋から離れ主の言葉を思い返す。僕がなにかした訳じゃないと言っていたけど、それでもどぉしてあんなことを主が言ったのかが分からない。
    それに酷く胸が締め付けられるように痛いままなのも…。

    「ん?どぉかしたかい?実休さん」

    「薬研くん。実は…」

    先程の主とのやり取りを話すと、あー…と言葉を濁す様に頬をかいて

    「別に主があんたを嫌いになったとかじゃぁない。絶対それだけは無い。」

    「そぉかな…」

    「月のもの…主は女人だろ?だから俺たちとは違って月のものがあるんだがそれが特に酷いらしくてな。酷いと寝込んじまう。それに不安定になるからって誰も近づけようとしないんだよ。」

    月のもの…なるほど。男の僕にはそれは確かに分からないものだ。

    「だから実休さんに八つ当たりしたくないとか、もし八つ当たりしてあんたに嫌われたくないって思ったんじゃないか?」

    「それはないよ。僕が彼女を嫌いになるはずない。」

    そう、嫌いになんてならない。

    無意識に酷く痛む胸元を握っていて

    「確かに胸が締め付けられたみたいに痛かったけど、それが理由なら仕方ない…よね」

    情けない声が出たものだ。
    でも嫌われた訳じゃないと教えて貰って凄く安心した。

    そんな僕を見て薬研くんは驚いた顔をしたけど、すが何故かニヤリと笑う

    「ほぉ…実休さんは無自覚なのか」

    「何がだい?」

    「いや、自分で気づかないと意味ないからな。野暮なことは俺っちは言わない。」

    薬研くんはなにかに気づいたみたいだけど教えてくれる気は無さそうだ。

    「なぁ、もう一度主のことに行ってきてくれないか?そろそろ主も休憩させないといけないんだ。
    薬草茶に詳しい実休さんなら、体を温めたりリラックス効果のある茶を入れる…なんて出来ないか?」

    笑っていう薬研くんに、僕は「もちろんだよ」
    主のために僕ができることならいくらでもお茶を入れよう

    主の体のことを考えて入れ直した薬草茶を持って、もう一度主の部屋へやってきたんだけど、凄く心臓がドクドクと早鐘を打ってる。
    戦場で高ぶってるのとは全く違うんだけど…なんて言えばいいのか、よく分からない。緊張…でもあってでも少し違う不思議が感じだ。

    「主、そろそろ君も休憩するべぎて聞いたんだ。一緒にお茶なんてどぉかな?」

    「実休さん?……さっきも言いましたけど一緒にいたくないです」

    「うん。でも、僕が君と一緒にいたいんだ。少しだけ休憩しない?」

    さっきとは違い続けて言葉をかけると、しばらく無言が続いてから「どうぞ…」と小さく返事が返ってきた。

    閉められていた障子を開いて中に入ると、少しだけ表情が険しい…顔色の良くない主がいた。

    「どぉぞ」

    「ありがとう、ございます」

    ゆっくりと湯呑みを手に取ってひと口。
    ほっと息を吐いた主を見て僕も口をつけ、主が数度飲んだのを見て口を開いた。

    「ごめんね。薬研くんに聞いたんだ。」

    え?…驚いた顔をした主が僕をみて締め付けられるように痛かった胸の痛みが少しだけ和らいた気がする

    「僕は男だから君がどれほど痛いのかとか、色々とちゃん理解はしてあげられないけど…それでも君が無理してないかって凄く心配になるし、不安定になるならそれを取り除くことはしたいなって」

    「…八つ当たり…したくないので…」

    「構わない。代わってあげることは出来ないけど主のそばにいて、やれることかあるなら何でもするよ。八つ当たりだっていくらでも。それくらいなら受け止められるから」

    彼女の黒曜石の様な瞳が揺れてる…

    「でもっ!傷つける様なこと言っちゃうかもしれないし」

    「君が思ってもいないことを言ってしまったなら、それは確かに悲しいかもしれないけど不安定になっている時の君の言葉だよね?それはどぉしようも無いことだと僕は思うよ。」

    「よくない!あたしは!…あたしは実休さんが好きだから!だからすきなひとを傷つけるとかしたくなの!」

    主ははっとして口を噤んで手で口を覆った。
    黒曜石の様な瞳に涙を浮かべて僕から視線を逸らすのを見つめながら、すとんっとすっきりとした気持ちになった。
    酷く胸が締め付けられる様に痛くて、それからさっき薬研くんがニヤリとした顔をした意味を理解した。

    「そっか…。僕は君が好きだから一緒に居たいんだね。好きだから一緒に居たくないって言われて、あんなにも胸が締め付けられるように痛かったんだ」

    「…え?」

    「うん。僕は君が好きだよ。だからどんな君でも受け止めたいし、一緒に居たい。ダメだろぉか?」

    ぽろぽろと主の頬を流れ落ちる涙をそっと拭いながら見つめる。

    恐る恐る涙を拭う僕の手に重なった主の手は小さくて、こんなにも小さくてか弱いのか…と感じる。この子が僕の主で…好きな子

    「ほんと…ですか?一緒にいて…くれますか?八つ当たり、しちゃうと思うし酷いこと感情に任せて…言うかもしれない、のに…。好き…って」

    「本当だよ。僕は顕現された時からきっと…君が好きだったと思う。
    はにかんだ君が頭からずっと離れないんだ。いつも僕と一緒にいてはにかんでくれる表情がね、すごく可愛いんだ」

    気づいたばかりの気持ちを素直に伝えると頬を赤く染めた主の表情も、凄く可愛い

    「だから辛そうに顔を顰めてる君を放っておけない。だから…一緒にいたらダメかな?」

    八つ当たりでも何でもしてくれていい。一緒にいて何でもしてあげたい。甘やかして隣にいて少しでも君が表情を歪めることがないように…
    痛みなんて忘れられる様に…

    「……八つ当たりわしたくないけど…本当は1人だと、寂しくて…」

    「うん」

    「お腹凄く痛いし…冷えるから腰だって痛くて…」

    「うん」

    「だから…実休さん…」

    「なんだい?」

    「八つ当たり…しちゃかもしれないし、突然泣き出すかもしれない…けど…一緒にいて、くれますか?」

    「あぁ、もちろんだよ」

    不安に揺れる瞳から溢れる涙を今度は唇で拭って、小さな体を抱きしめた…




    ■□▪▫■□▫▪■□▪▫■□▫▪■□▪▫■□▫▪


    【主の耳と実休さんのピアス】


    お昼も済ませお仕事の続きをしせ羊の刻に差し掛かる頃…

    「ふぁ…」

    「ふふ、昼ご飯食べてお腹もふくれて少し眠くなった?」

    「た、確かにそぉだけど恥ずかしい…」

    口を手で覆ったとはいえ好きなひとにあくびしているのを見られるのは恥ずかしい。

    「少しお昼寝してもいいんじゃないかな?」
    優しく微笑んだ実休さんの提案はものすごく魅力的で、でもチラリと手元の仕事を一瞥

    「今やってるのはいそぎとかでは無いんだ。少しくらい休んでもバチは当たらない」

    優秀な近侍の言葉に持ったままの書類を置いた。

    「じゃぁ少しだけ。半刻で起こして…って何してるの?」

    「うん?ここには枕がないから僕の膝を枕にでもと思って」

    きょとん?っして、それからにこにこ顔で膝をぽんぽんしてあたしを見る実休さん。
    好きな相手と急な距離にドキドキなあたしとは裏腹に、断られるなんて到底思ってもいなさそうな表情であたし見てくる実休さんにどぉする…って考えたのも少しだけ

    「お、願いします」

    「うん。どうぞ」

    欲に負けた…。好きなひとの膝枕。近くにいられるってことにどきどきと下心をだいて、ゆっくり膝に頭を乗せて…後悔した。
    (これ、すごく近くであたしの寝顔が実休さんに見られるってことでは??)
    なんて気づいた時にはもう遅い訳で、実休さんのお腹とは反対の方へ

    顔を向け少しでも顔を見られない様に横を向いてぎゅっと目を閉じる。

    「おやすみ、主」

    さらりと髪を梳くように頭を撫でる優しい力加減の手と、心地いい低い甘やかな声。頬に触れた少し固い膝から感じる温もりにあっという間に夢の中だった….。






    「主、そろそろ時間だよ」

    肩を揺すられる感覚にゆっくりと目を開くと「おはよう。ゆっくり休めたかな?」っていう実休さんの声と、お昼寝する前に感じた優しい力加減で髪を梳く様に頭を撫でてくれる手。

    「少し寝ぼけてるね。そんな姿も可愛いんだけど、少しお茶をして仕事に戻ろうと思うんだ。」

    くすくすと笑う実休さんの 仕事 の一言に脳が覚醒して慌てて体を起こす。

    「あ、ありがと実休さん!」

    「気持ちよさそうに寝てたね。」

    「う、ん。なんかすごく安心間というかなんというか…ぐっすり。でも寝たら頭スッキリしたから残りの仕事ちゃちゃっと片付けるね」

    寝乱れた髪を実休さんは直してくれ「なら良かった。お茶を取ってくるよ」と言って執務室を出ていった。

    あれから美味しい薬草茶を頂いて、お仕事も終わらせ、今日の仕事は終わり。
    本丸のみんなの出陣と内番も終わったのを確認して、ご飯も食べお風呂へ。一日の疲れを取るのに湯船にしっかり浸かって疲れを取り、スキンケアをして髪を乾かしてる時だった。

    「あれ?ピアスが違う?」

    いつもの子ぶりなのじゃなくてなんだかごつい。それにどこかで見た事ある気がする…。なんだろう?と悩んで思い当たり頬が一気に熱くなった。

    「こ、れ…実休さんのピアスじゃ…」

    黒から白灰へ色の変わる実休さんのふわふわの髪から覗いているピアス。好きなひとの物だから見間違えるはずがない。でも

    「ピアスに刀紋なんて描かれてたかな?」

    実休さんの色でピアスに彼の刀紋なんて記憶には描かれてはいなかったはず。でも何故かあたしの耳にあるピアスにはそれがあって…

    「というよりなんで実休さんのピアスがあたしに付いてるの!?」

    慌てて部屋を飛び出し実休さんの元へ。途中走らない!って聞こえたけどそれ所じゃないから許して欲しい。

    何振りかの男士とのんびりとしていたらしい実休さんを見つけた。

    「実休さん!!ピ…ピアス!!」

    「気づかれちゃった」

    まるでイタズラっ子みたいに笑い、そっと近づいてきて黒手袋のされた手がピアスのある方の髪を優しく耳にかけてピアスに触れる。

    「嫌だったかな?」

    「いや、ではいけどなんで…実休さんのピアスをあたし、に?」
    それに尽きる?なんで実休さんはあたしに自分のピアスをしたんだろう?寝てる間にこっそりと。

    「僕の霊力とかを帯びた物だから。もし君に何かあった時、僕のそれがあれば直ぐに場所がわかる。」

    「な、るほど。ならそぉ言ってくれればいいんじゃ…」

    「なんていうのもうそじゃぁないんだけど…牽制、かな?君が僕の霊力と…神気を感じられる物を身につけてたら、僕のだったってなるだろう?誰にも取られたくないから。まーきんぐって、言うんだっけ?」

    「マーキング…」

    何を言われてるのか…頭が追いつかないけど、あたしはお昼寝の時からまだ夢でも見てるのかな?

    「刀紋もあれば誰だって見ただけで分かるしね。」

    ピアスに触れたまま、とろりと甘い紫の瞳であたしだけを写して伝えられる実休さんの言葉たちに、熱いお顔がもっと熱くなった。

    「あ、ぇ…それって…」

    「僕は君が好きで、誰にも渡したくないんだ。だからそれは外さないでくれると嬉しいんだけど…ダメかな?」

    びっくりすることばかりでほんとに何が何だかよく分からないけど、とりあえず…あたしの一方通行な思いじゃなかった様なので

    「だ、めじゃないです…」

    あたしも同じ気持ちだと伝えようと思う。




    ■□▪▫■□▫▪■□▪▫■□▫▪■□▪▫■□▫▪



    【生理で悪寒がしててお腹痛くて寝れない主が真夜中に恋仲実休さんの元に行くお話】


    生理で悪寒がしてお布団にくるまったりしてるけどやっぱり無理で、我慢の限界を迎えそっと部屋を出た。
    お腹も痛くて、それでも今のあたしにできる早足で恋仲の実休さんの元へ向かう。
    こんなみんなが寝静まった時間に行くのは流石に非常識なのは分かってる。
    でも、どぉしても悪寒がして寝れない。
    ズキズキと痛むお腹を抑えて真っ直ぐに彼の元へ進んでいく。




    実休さんの部屋は当然明かりなんて着いていなくてシン…と音もない。
    ここまで来たけど起こすのは申し訳ない…なんて気持ちが湧いてきた。
    明日も出陣があるし寝かせたあげるべきだ。起こして寝不足になって怪我をして帰ってくる…なんてことも有り得るしそれ以上の最悪まで…
    ぎゅぅ…とお腹を抑えていた手に力が籠り、自分の部屋へ戻ろうと背を向けた時だった

    「どうしたの?こんな夜遅くに」

    静かに襖が開いて穏やかな、それでいてあたしを心配する実休さんの声が耳に届いた。

    「あ…」

    何が言わなきゃ…と思うのに、実休さんの声と振り返り姿を見て安心したせいかズキリ…とお腹の痛みが悲鳴をあげ顔を顰めてしまった。
    そんなあたしをみて、普段はキリッとしている眉を下げあたしを覗き込んんだ実休さんは、あたしの顔を見てどこか納得したような顔をして

    「おいで。ここだと冷えてしまうから」

    優しく肩を抱いて部屋へと招き入れ、襖を締めた。

    「ごめんな、さい。こんな時間に、起こしちゃって」

    「きにしないで。君を放っておく方が僕はいやだから」

    お腹を押えていたのとは反対の手を、実休さんの大きな手が包み込む。

    「冷えてしまっているね。寝れなかった?」

    言わなくても全てを察してくれた実休さんに、なにか…何か言わなくちゃいけない。

    「その…寒くて…お腹も痛い…」

    「うん」

    それ以上の言葉はいらないと、小さく返事をくれた実休さんがあたしの頬を柔く撫でるのがとても心地よく感じた。

    「一緒に寝ようか。僕と一緒なら少しは暖かいんじゃないかな」

    「いい、の?」

    「もちろん。君のためならいくらでも」

    .

    2人一緒に入ったお布団は当然狭くて、でもぎゅぅっと強く抱きしめられた実休さんの腕の中は暖かい。
    そっと撫でてくれる腰だって、生理で痛くて歩くのも本当は辛かった。

    「暖かい」

    「ならよかった。…頼ってくれて嬉しいよ」

    「なんで?こんな時間に起こしちゃったのに」

    「関係ないよ。君が1人痛みと悪寒な耐えて寝れないままの方が心配だったから」

    低くゆっくりと紡がれる実休さんの言葉は心地よくて、優しくて…。

    生理のせいとわかっていても不安定な精神に甘く染みて泣きたくもないのに涙が溢れてくるのを、実休さんは唇で拭ってくれた。

    「君はすぐ無理をしてしまうから…
    甘えていいんだ。僕は君を誰より甘やかす特権があるから誰よりも頼って欲しいし、甘やかしたい。
    だから、僕の元に来てくれて嬉しかった…って言うのは、不謹慎かな」


    実休さんの胸元に埋めていた顔を上げ見えた実休さんのお顔は、慈愛に満ちたそれで、また涙が溢れる。

    「…実休さん…」

    「うん?」

    「ありがとう…」

    そう口にしてもう一度実休さんの胸元に顔を埋めた。
    とくんとくんと感じる鼓動と、肺いっぱいに実休さんの匂い…
    どこよりも安心出来る腕の中で感じる温もりにお腹の痛みも悪寒も今は感じない。
    ふわりとやってきた眠気にうとうととしてきてぎゅっと実休さんの服を握る。

    「あさまで…この、まま…」

    「もちろん。朝まで君を僕の腕の中に抱きしめているよ」

    つむじに実休さんの唇を柔く押し当てられる感覚と、腰を擦りながら時折とんとん…と優しい手つきで触れるそれに、とうとうあたしの瞼はおりてしまう。

    「じ、きゅ…さん…」

    「おやすみ」

    甘やかな声を聞き、すぅっと意識は静かに眠りへと誘われたのだった…。




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