今日の善き日に「おい、そこな海賊よちょっと来い」
「おや私に何か用かな?」
「貴様に言っておかねばならんことがあってな」
「ほう?」
「カルナのことだ。あやつめ、あれでいて無自覚なド天然人タラシだからな。色々と気を付けろ」
「『気を付けろ』とは……また物騒なことだね」
「ふん。なに、カルナの良き友として付き合うならば構わんが、あやつに手を出したり傷つけたり、あまつさえ裏切るなどとなれば、いくら同じマスターの下に喚ばれたカルデアのサーヴァントだとて容赦はせんということだ」
「……っはは、なるほど」
「何がおかしい」
「いや、彼はとても愛されているのだと思ってね。あぁ、安心してくれたまえ。私もカルナとは友人としての付き合い以上を求めるつもりはないよ。それに……」
「それに、何だ」
「それにこのパーティにはもう一人、無自覚ド天然人タラシがいてね」
「もう一人……パーシヴァル、といったか、あの円卓の騎士」
「私のようなしがない海賊風情はそちらで手一杯さ」
「色惚けた顔をしおってからに」
「そうかい? ……忘れてくれるとありがたいがね」
「やかましいわ。ん、後で祝いの品でも見繕っておいてやる。さっさとマスターのところへ帰れ」
「これはこれは、かの百王子の長兄殿からの贈り物とは。身に余る光栄だ」
「……バーソロミュー・ロバーツよ。カルナを頼んだぞ」
「……最善を尽くそう」