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    tei_wa

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    ボツにしたオル官ナギ
    まじで文章だとオルタ訳わからんくなる
    自分の文章力の問題です

    #官ナギ

    頭を撫でる「頭を撫でてくれないか」
     
     自分のことを覚えてくれているだけでとても嬉しい。
     それどころか、自分を友達といって、手を繋いで出かけたり、難しい分析を聞かせてくれたりしてくれる。
     なぜかただ不安になってしまって、名前を呼んでほしいだけの時にふらりと訪ねても、にこにこ笑って「辻田さん」と呼んでくれる。
     声色は太陽みたいだったり、柔らかだったり、たまに仕事が忙しくて少し疲れてるように聞こえる時もあったが、でもカンタロウは絶対にナギリを名前で呼んでくれた。
     だから甘えてしまったのだ、もしかしたら、もしかしたら──、頭を撫でてくれるかもと。
     路地裏の小さな非常階段の下の段に2人並んで腰をかけて、カンタロウの手元を覗き込む。
     辺りを指したりタブレットを操るカンタロウの指手のひらは、しっかりして厚みがあって、とても心地良さそうだ。 
     そう思った時にはもう遅かった。気づけばその手を両手でとり、自分の頬にその手の甲をあてていた。おもったとおりの暖かさに口元が緩む。
     しかしカンタロウの驚きの混じった目線に気づいて、慌ててその手を離した。
     いつもは元気の塊みたいなカンタロウの顔が、空白になっている。
     思わず喉の奥がひゅっと引き絞られた。
     ——調子に乗ってしまった、超えてはいけない線を超えてしまった!
     カンタロウは警察官として辻斬りを逮捕するために、日夜駆け回っている。自分に声をかけるのも捜査を助けてほしいからのはず。にも関わらずそれを都合良利用して、あまつさえ触ってほしいなんて。
     相変わらず気持ちの読めないカンタロウの表情が怖くて、取り繕うように口をついて出たのは謝罪の言葉だった。
    「す、すまん。違うんだあの」
     一方のカンタロウといえば、いつもならきりっと持ち上がっている眉尻がへなっと下がって、眉間に少し皺が入ってしまっている。困っているような、怒っているような、眼鏡のレンズがちょうど陰になってしまって、きらきらした目が見えない。どういう気持ちかはわからないが、とにかく良い気持ちでないことは確かだろう。あまりピッタリする言葉がナギリにはわからないけれども。
    「あの、さっきのは違くて」 
    「お気付きになられてたんですね」
    「…ん?」
     気付くとはどう言うことだろう?
     カンタロウらしからぬ声のちいささで、両手をもじもじさせている。
    「辻田さんの頭を撫でたいと常々思っていたのですが、バレていたのでありますね…」
    「…そ、うなの、か?」
    「あの、……はい」
    「そうか…」
     なんとなく2人とも黙ってしまったが、内心ナギリはドキドキものである。頭を撫でてほしいと思っていたら、カンタロウは頭を撫でたかったなんて、夢みたいじゃないか。
    「あの、ほら、じゃあ…」
     頭を撫でられることなんてなかったので、細かい勝手がわからない。が、身長は自分の方が高いのだから、撫でやすいように屈むのが良いだろう。見つめていると居心地が悪いかもしれないから、目も瞑った方が良さそうだ。そのまま、カンタロウの方に少し顔を突き出して、準備ができたことを伝えた。
    「ん、これでいいか?」
    「な、ちょ、つじたさん、本官は頭を撫でたいのであって、そんなキス待ち顔なんてされたら、その、あの…!」
     なにかワタワタしている気配を感じる。慌てる必要はないが、2人ともやりたいことは同じなのだから早く撫でてくれればいいのに。
    「見てない方がやり辛いか?じゃあちゃんとできるように見ておくな」
    「だめです、上目遣いはそれはそれで殺傷能力が高く!」

    こんな調子で、結局撫でてもらえたのは明け方近くだった。
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