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    ジュンくんのお誕生日当日をゴールにポリネシアンセックスにいそしむジば(三日目)R18展開は四日目以降です。

    #ジュン茨
    junThorn

    至高の楽園③三日目

     今日は四人での活動はなく、ジュンは茨の仕事の手伝いとして駆り出されていた。普段は自分の仕事だけで精いっぱいで、茨の立ち回りや仕事への姿勢をじっくり眺める機会がなかったから、いい経験になった。
    「茨って、色々考えて仕事してんですねぇ~」
    「は?なんですか、藪から棒に」
     帰りの車中。忙しなくパソコンやスマートフォンを操作している茨が、ジュンの一言で画面から顔を上げる。心の声が思い切り口に出ていたことに気づいたジュンが一瞬焦ったような素振りを見せたが、茨が言葉の真意を説明するように視線で促すと、申し訳なさそうに人差し指で頬を掻く。
    「なんつうかさ……今日の茨の立ち回りとか、共演者はもちろん、スタッフにも気を遣ってる姿を見てると、オレももっと頑張んなきゃなって思って」
    「はぁ。自分があれが当たり前ですし、あなたたちと違ってプローデューサ―としての付き合いもありますから、比べるものでもないと思いますが」
    「でも、オレももっと器用に立ち回って、茨の負担を減らせたらなって。……力になりたいんすよ」
     自分が知らないところで暗躍する茨の功績ばかりを、ジュンは知っている。表面は綺麗に取り繕っているがその裏に隠されてしまう困難と重荷を自分にも背負わせてほしい――ジュンは常日頃からそう考えていた。茨はジュンの真っ直ぐな金色の瞳を暫く見つめ、やがてゆっくりと瞬きをしてからパソコンの画面に視線を戻す。
    「その気持ちだけで充分ですよ。自分には自分の、ジュンにはジュンの役目ってものがあるんです」
    「でも、」
    「それに。仕事以外の面でも、ジュンには支えてもらっていますから」
     ジュンの言葉を遮り、茨がきっぱりと言い放つ。それ以上は何も言うまいと、茨はジュンには目もくれずに仕事モードに入った。カタカタと茨の指先がキーボードを上を踊る音だけが響く中、ほんの少しだけ茨の耳元が赤く染まっているのを、ジュンが見逃すことはなかった。

    *******

     共にホテルまで戻り、ラウンジで軽く食事を済ませる。明日は朝が早いというわけではないので、時間を気にする必要もなかった。相変わらず風呂は別々で(そもそも一緒に入るという選択肢があったこと自体、ジュンは驚いているのだが)、悶々とする日がまだあと二日も続くのかと思うと今日にでも音を上げてしまいまくなる。
     そんなジュンとは裏腹に茨は飄々としていて、それがまた自分の堪え性のなさを浮き彫りにしているような感覚に陥ったジュンは、自分で提案した行為ではあるものの、既にリタイアを申し出たい気持ちでいっぱいだった。
    「ジュン、なんだか日を追うごとにテンションが下がってません?大丈夫ですか」
    「……大丈夫で~す……」
    「あはは、顔死んでるじゃないですか」
     ジュンの違和感を悟った茨がベッドに横になりながらジュンの腕をつんつんとつつく。目に見えるほど表情に出してしまっていたことを後悔しながら、ジュンもまた身を横たえた。当たり前のように互いの肌を合わせ、ぎゅっと背を抱きしめる。けれど、最初のころから心臓の高鳴りは変わらない。
     寧ろ、一日目よりも茨の体温をより強く感じて、理性のレバーを握る力が弱くなっている気がする。しかしここで我慢しなければ今までの苦労も水の泡になってしまう。ここまでくると、もはや意地だった。
    「ん、っちょっと、ジュン……っ」
     ジュンほどでないないものの、しっかりとした茨の背中を抱き締めなおし、首筋にちゅう、と吸いつくような口づけを施す。するとそれまでは淡々としていた茨が突然、焦りを見せ始めた。わずかではあるが呼吸を乱し、ジュンを制するように片手で肩を押しのける。
    「茨、なんか前よりも感度がよくなってません?」
    「は、ぁ?そんなことないです。いまのはちょっと驚いただけで、」
     わかりやすく言い訳をしてくる茨が眼鏡を指先でくいと押し上げる。何か隠そうとしているときの癖だ。ジュンはそれを見逃さず、しかし茨がそういうのであればと知らんふりをして、再び背を抱き寄せた。
    「じゃあ、ちゃんとする前に言うから。それでいいでしょ?」
    「なにを言って、……そういう問題じゃ、」
    「まずは~……首」
    「人の話を聞け……っんん、」
     口づける前にその場所の名前を明言する。さきほど制されてしまった場所から、もう一度。ちゅ、ちゅう、と柔らかなリップ音と共に、ジュンは茨の白い肌にキスを落としていく。そのたびに腕に抱く茨の体温が上がっていくのがわかって、ジュンは理性を何とか理性を繋ぎとめながら、身体のパーツひとつひとつに唇で触れていった。
    「ん、っふ……ぅう、」
     首から鎖骨、胸元、腹部……少しずつ下がっていく。際どい場所は敢えて避け、太腿、ふくらはぎ、足首から爪先まで。どこに口づけるか宣言するたびに身体を強張らせる茨の反応が楽しくたまらない。普段は触れない場所にも丁寧に口づけると、茨の弱点をまた一つ知られた気分になって、ジュンの口角は自然と持ち上がった。
    「ジュ、ン……もう、いいでしょう……っ」
    「え~……まだキスしてない場所いっぱいありますよぉ。背中とか、身体の裏っ側」
     もう一度、首元に唇を滑らせながら茨の身体をひっくり返そうとした矢先、そろそろしつこいとストップをかけられてしまった。茨の色好い反応に味を占め始めていたジュンは不満気に抗議する。茨はそんなジュンの頬を両手で包み込み、顔を上げさせた。ジュン以上に不満げで、寂しそうな深碧の瞳が羞恥に紅く染まる。
    「口寂しいんですよ、ばか」
     言いながら、茨はジュンの唇に嚙みついた。突然のことで一瞬フリーズしてしまったジュンだったが、茨の意図を察すると覆いかぶさるように背中を抱きしめ直しながら角度を変えて唇同士を重ねる。それまで離れていた隙間を埋めるように何度もお互いに貪るようなキスをした。勝手に息が上がって、その呼吸さえも食べるようにまた唇を重ねる。
    「ん、ふ……ぅ、ん、ん……っう、」
    「ん、はぁ……茨、舌出して」
     この二日間ずっと我慢していた言葉をやっと言えた気分になって、ジュンは普段より余裕のない声で茨に口を開くように指示する。茨はジュンの意図を察し、視線を彷徨わせてから控えめに口を開いた。そこか覗く薄くて果実にように熟れた赤に、ジュンは溜まらず生唾を飲み込む。キスなんて、セックスをする前にはいつも当たり前にしている行為なのに。我慢が功を成しているのだろうか、二人ともあからさまに興奮していた。
     まだ唇を触れ合わせるだけの軽いキスしかしていなかったにも関わらず、茨も不規則な呼吸を繰り返している。舌を伸ばしているせいで飲み下しきれなかった唾液が舌先を伝い落ちそうになった頃、ジュンは咄嗟にそれを掬うようにして口づけた。差し伸べられた舌を茨の口内の押し戻して互いのそれを絡ませると、頭の奥がびりびりと痺れる様な心地よさが全身へと伝播していく。
    「っは、んんっん~……っ、ふ、」
    「は、……ん、ん」
     喉奥に逃げようとする茨の舌を追いかけ、咎める意志を持って甘く噛みついてやると、ジュンの腕の中で身悶えするようにびくんっと腰が跳ねる。いつもよりあからさまに反応が良くなっている。触れる箇所すべての肌が熱を帯びていて、口づけの合間で吐息と共にこぼれる声は甘い。互いの粘液をぐちゃぐちゃに混ぜながら、どちらかが逃げようとすればもう片方が追いかけて、足りなくなった酸素を取り込もうと肩が上下する。
     辞められる気配がちっともなくて、ここ数日で降り積もった欲を発散するように唇を押し付けあった。二人の口内を交互に行き来して、唾液を流し込む。飲み下しきれなかったそれが口端を伝い落ちるのさえも気に留めず、あまい口づけに夢中になった。
    「じゅ、ん……っは、ぅん、っん、」
     ついに呼吸がままならなくなった茨がジュンの胸元を軽く押して限界を訴えた。名残惜しさが残りつつ、ジュンは仕方なしと最後に口内で震える茨の舌先をぢゅうっと吸ってから、ゆっくり顔を離した。
     互いの荒い呼吸が寝室を満たしている。下半身がずっしり重たくなっているのがわかっていたけれど、お互いにそれを敢えて素知らぬふりをして、少し汗ばんだ肌をくっつけた。どく、どく、と脈打つ鼓動はどちらのものだろう。目の前ですっかり蕩けている茨の額に口づける。キスはカロリー消費が激しいというが、本当にその通りだ。なんだか急にとてつもない疲労感に襲われて、ジュンは溜まらず欠伸を零した。
    「忙しない奴ですね……」
    「う、すみませ……」
    「今日はいつもより朝が早かったですし、仕方がありませんよ。……おかげで自分もよくねむれそうです」
     ふ、と頬を緩ませる茨の表情はいまだにキスの色香をほんのりと残しているようで、ジュンの目には毒だった。もっと言葉を交わしていたい。体温を感じていたい。そう思うのに、疲労がずっしりと肩に伸し掛かってきて、自然と瞼が重くなる。
    「いばら、」
    「ん、……大丈夫、ここにいますから。ゆっくり休んでください、ジュン」
     全ての想いを込めて名前を呼べば、茨はジュンの身体を包み込むように抱きしめた。頭部を胸元へ引き寄せ、少し癖のある青色の髪をゆったりと撫でる。
     ジュンは暫く眠気に抵抗するように小さく唸っていたが、暫くすると穏やかな寝息が聞こえてくる。茨はそうして暫くジュンの髪を撫で続け、やがてジュンを追いかけるように深い眠りのなかへと落ちていくのであった。


    四日目へ続く
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