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    ふう。

    @fuu_fwfwnyannko

    翠千アカウント作りました
    小説とか上げるかもしれない
    ※ハマりたてのド新規なのでストーリーなど追えてない部分多いです。ミスがあったらごめんなさい🙏

    翠千/守沢千秋最推し/成人済

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    POIPOI 8

    ふう。

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    ポッキーの日ということでポッキーゲームする翠千です。本当にそれだけです。かなり甘いです(当社比)。以前書いた守沢の家に押しかける高峯の話のその後というか同じ世界線ですがこれだけでも読めます。

    未来軸
    翠→(←)千
    付き合ってはないけど高峯くんは思春期を脱却して守沢先輩に猛アプローチ中です。

    「守沢先輩、ポッキーゲームって知ってます?」

    今日も今日とて何故か俺の家にさも当然のようにいる後輩からの突然の一言に、俺は頭に疑問符を浮かべた。そういえば今日は11月11日、世間的にはポッキーの日と呼ばれている日だったか。毎年この時期になるとCMなどでよく見かけるからポッキーの日は知っているが……。

    「ポッキーゲーム……?聞いたことがないな」

    手元の流し読みしていた雑誌から顔を上げて高峯の方を見れば、高峯がやけに真剣な顔で俺を見つめていたから思わず面食らってしまった。

    「ふーん……。ねぇ守沢先輩、ポッキーゲームしません?」
    「ずいぶん突然だな?」
    「突然じゃないよ。今日ポッキーの日だから」

    そう真顔で淡々と言い放つ高峯には妙な説得力がある。そういうものなのだろうか。もしかしたら俺が知らないだけで、世間一般的にはポッキーの日というのはポッキーゲームとやらをやる日なのかもしれない。

    俺は手元の雑誌をソファの前のミニテーブルに置いて高峯の方へ体を向けた。

    「ポッキーゲームがどんなものなのかまだよく分かっていないが、高峯がやりたいならやろう!」
    「別に……俺はどうしてもやりたいって言ってるわけではないんですけどね……」

    口ではそう言いながらも分かりやすく雰囲気を柔らかくする高峯に「かわいいやつめ」なんて思う。高峯はほんのりと頬を染めて俺から視線を逸らしていた。最近の妙に大人っぽくなった高峯はカッコよくて何故か胸がドキドキしてしまうが、こういう出会った頃から変わらないかわいらしさも素敵だと思う。気分が良くなった俺はそのまま高峯にルール説明をしてもらうことにした。

    「えっと……ポッキーゲームっていうのは1本のポッキーを二人で両端から食べ進めていって、先にポッキーを折ってしまった人が負けっていうゲームです」
    「ふむ。名前だけだとどんなゲームか想像出来ていなかったが、思ったよりもシンプルなゲームなんだな?要はポッキーを折らなければ良いってことだろう?それなら俺でも出来そうだ!」
    「守沢先輩、ゲーム下手くそですもんね」
    「う……。予習が大事なんだ、予習が……」

    笑顔で高峯に話しかければ思わぬカウンターを食らってしまい、胸の前で力強く握られていた拳は呆気なくソファに落ちた。そんな俺を見て笑う高峯の表情はやっぱりどこか大人っぽくて、つられてドギマギしてしまう。


    あの日、高峯が俺の家に来てから俺はずっとこんな感じだ。高峯と一緒にいる時にしかこの現象は起こらないからどうやら心臓の病気ではないらしいということは分かったが、それでもこの現象の正体はいまだ不明なまま。それでもこうして高峯と一緒に過ごす時間に居心地がいいと感じている俺もいた。

    「あ、そうだ」

    高峯の表情に何故だか気恥ずかしくなってしまい高峯から目を逸らしていれば、ふいに聞こえた高峯の声に俺は再び高峯へ意識を向ける。

    「せっかくだから負けた人は勝った人のお願いを聞くっていうのはどうですか?」
    「む?それは全然構わないぞ!もちろん負けるつもりはないがな!」

    俺の言葉に嬉しそうに笑う高峯はやっぱりかわいい。いそいそとポッキーのパッケージを開けている高峯を見つめながら、俺は自然と頬が緩んでいた。

    「ふふっ。なんだかいいなぁこういうの!青春っぽい……♪」
    「どこがだよ……。まぁあんたが楽しめてるなら何よりですけどね」

    そう言いながら高峯は「ほら」と俺に1本のポッキーを差し出してきた。迷わず受け取ろうとする俺に、高峯はひょいとポッキーを持ち上げてしまう。ポッキーを受け取ろうとした俺の手は何も掴むことなくソファに落ちた。

    「守沢先輩、ちゃんとルール聞いてました……?両端から食べるんですよ」

    そう言って高峯は再度俺の前にポッキーを差し出す。今度は気持ち俺の口元に近いから、これはおそらく咥えろという意味なのだろう。条件反射で受け取ろうとしてしまったが、確かに両端から食べるなら俺が先に片側を咥えるのが道理だろう。そう思い、素直に差し出されたポッキーを咥えて高峯を見上げる。高峯は何故か目を細めて口を不自然に吊り上げているから、「その表情、悪役っぽくていいなぁ……」なんて心の中で思う。ポッキーを咥えていなければ直接伝えたのだが……これは後で覚えていたら高峯に言うか。そんなことをぼうっと考えていれば高峯の口元が動いたので俺は慌てて意識を集中させた。

    「じゃあ始めましょうか」
    「ん!」
    「あ、そうそう……」
    「……?」
    「わざと折ったり、食べ進めないのはルール違反ですからね……♪」

    高峯の言葉の意味を考える暇もなく聞こえてきた高峯の「スタート」という間延びした声に、俺は慌ててゲームに集中することにした。高峯が俺とは反対側でポッキーを咥える。突然、高峯の綺麗なエメラルドグリーンの瞳が俺の視界いっぱいに入ってきて俺は思わず固まってしまった。その上高峯がポッキーをわずかに食べ進め、俺と高峯の距離が少し近づいてしまい、俺は何故か顔中に火がつくような感覚に襲われた。高峯がポッキーを食べ進めていく「ポキッ……ポキッ……」という断続的な音が俺をどんどん追い詰めていく。それなのに高峯は俺の目をじっと見つめたままで、それが余計に俺の顔に熱を集中させた。

    ま、まってくれ高峯!ペースが早くないか!?それに距離が近い……!なんでこんな恥ずかしい気持ちになっているんだ俺は!?というかこのゲーム、もしかしてどちらも折らずに食べ進めたらキ、キスしちゃうやつじゃないか!?

    突然騒がしくなった脳内では警鐘が鳴り響いている。体は熱でも出したのかというくらい熱い。ようやくポッキーゲームというものを理解した俺は、どんどん迫ってくる高峯の目を見つめ続けることが出来ずに思わず目をギュッとつむった。恥ずかしさのあまり今すぐにポッキーゲームをやめたい気持ちに駆られたが、そこでふいに高峯の言葉を思い出す。

    『わざと折ったり、食べ進めないのはルール違反』……。なるほど、このゲームはおそらく恋人同士が徐々に近づいていく距離にドキドキ感を味わうためのゲームなのだろう。高峯がどうしてそのようなゲームをしたいと言い出したのかは分からないが、高峯の気持ちに応えたいと思ったのは俺だし、その気持ちが変わることもない。それならば俺からこのゲームを中途半端に投げ出すのは違うだろう。

    俺は覚悟を決めた。意を決してポッキーを食べ進める。食べ進める度に聞こえる「ポキッ」という音が俺を追い詰めていくが、それでも徐々に徐々に食べ進めた。もはや熱すぎて全身から汗が吹き出ているし、もしかしてこの熱が高峯にも伝わってしまっているんじゃないかと気が気じゃないが、それでも少しずつ食べ進める。「高峯の気持ちに応えてやりたい。そのためなら俺はなんだってできる」、そんなことを考えながら。


    それから体感時間で1、2分ほど経ったのだろうか。いつまでたっても高峯の口とぶつかる気配がない。ちゃんと俺はポッキーを食べ進めているはずなんだが。いっそのこと目を開けてしまったほうがいいだろうか?しかし目を開ければまたあの高峯の綺麗な瞳が俺を見つめているのかもしれない。あの瞳に見つめられると途端に俺は何も考えられなくなってしまうのだ。脳内に目をつむる直前に見た高峯の瞳が浮かび上がってきて、俺は慌てて他のことを考えることにした。

    とにかくこうしてグルグルと考えているくらいならいっそのこと目を開けてしまうおう。大丈夫だ。残りの距離を確認するだけ。出来るだけ高峯の目は見ないようにすればいい。きっと高峯は俺と違ってキスなんて慣れっこなんだろうし、俺が変に意識して高峯を困らせたくない。

    「残りの距離を確認するだけ……」
    そう心の中で呟きながら俺はうっすらと目を開いた。長時間力を込めて目をつむっていたため最初はぼんやりとしていた視界が徐々にはっきりとしてくる。


    俺が思っていたよりも至近距離に高峯の瞳はあった。それこそあとほんの少しでも食べ進めてしまえばキスしてしまいそうなほど。しかもその瞳は記憶の中とは違って砂糖でも煮詰めたかのように甘く溶けている。俺は一瞬で顔に熱が集まる心地がした。高峯の視線に絡め取られて頭がぼうっとしてきて、脳内には警鐘が鳴り響いている。高峯から視線をそらさなければと思うのにそらせない。俺が目を開けたことに気づいた高峯がドロドロに溶けた甘い瞳のまま微笑んでポッキーを食べ進めた。

    ポキッという軽い音がどこか遠くの別の場所の音のように感じられる。俺はポッキーを折ってしまっていた。

    「………あ」
    「あーあ。守沢先輩、ポッキー折っちゃった。じゃあ俺の勝ちですね?」

    高峯の言葉が右から左に流れていく。依然として溶けた瞳に俺の動揺を見透かされているような気がして俺は気が気じゃなかった。もうポッキーゲームは終わったし高峯から視線を逸らしていいはずなのに、俺はやっぱり高峯から視線を逸らせない。そうして顔を赤くしたまま何も言葉を発することが出来ない俺に高峯が追い討ちをかけるように言葉を続ける。

    「負けた人は勝った人のお願いを聞くっていう話でしたよね?守沢先輩に何してもらおうかな〜……♪」

    楽しそうな声で話す高峯を前に、俺はいまだに金縛りにでもあったかのように動けないでいる。先程から高峯に聞こえてしまうんじゃないかってくらいうるさい胸の鼓動がこの感情の正体を俺に気づかせようとしていた。既に痛いほど苦しい胸の鼓動は高峯が俺を見つめる度に早まるけれど俺にはどうすることも出来ない。ぼうっとした頭では考えもまとまらなくて、今の俺ではか細い声で高峯にお願いすることが精一杯だ。

    「あ、た、高峯くん……。その……あまりこういった恥ずかしいお願いは……」
    「ふふ。分かってますよ……。もしかして期待した……?」
    「へ……?いや、そんなことは……」

    言いかけた言葉は途中で切れてしまった。そんなことはないって本当に言い切れるのだろうか。もしかして俺は期待してしまっているのだろうか。頭の中はグルグルとして考えがまとまらないし、もう何も分からない。ただ高峯が俺を溶けた瞳で見つめる度にうるさいくらいに高鳴る胸の鼓動が苦しかった。

    「あ、ふふ。守沢先輩、ポッキー食べるのが遅すぎて口元にチョコついてますよ」
    「………っ!あ、ありがとう……高峯……」

    高峯が俺の口元に手を伸ばし、そのまま顎をすくわれた。俺の口についていたチョコを拭ってくれたらしい。高峯の指が触れたところから熱が広がっていくようだ。呆然と高峯の動きを目で追っていれば、高峯が俺の口元を拭った親指を口元に持っていく。目を伏せて親指を咥えた高峯が妙に扇情的で頭がクラクラした。高峯が指についたチョコを舐める「ちゅっ」という軽いリップ音が静かな部屋の中でいやに響いて聞こえて俺の耳を犯す。俺はもうどうにかなってしまいそうだった。

    「なに見てんですか、守沢先輩のえっち」
    「………っ!」

    高峯の言葉にかあっと体中が熱くなる。恥ずかしくて、いたたまれなくて、涙が出そうなほどだ。そんな俺を見つめる高峯の表情はいたずらっ子のようにニヤニヤとしていて、そんな表情ですら今の俺には毒にしかならない。心臓はバクバクとうるさいくらいに音を立てて俺を追い詰めていく。とうとう俺は恥ずかしさのあまり張り詰めていた糸が切れてしまった。

    「っあ……ご、ごめん!俺、本当にそんなつもりじゃなくてっ……!自分でも自分が分からないというか……!とにかくどうにかなってしまいそうで……!あぁ俺は何を言ってるんだろうなっ!?ごめん、高峯……引かないでくれ……」

    俺は高峯の服の袖を掴んで俯いてしまう。高峯の顔は見れなかった。高峯が俺をどんな表情で見ているのかを知るのが怖かったのと、顔を真っ赤にしながら今にも泣きそうになっている俺の顔を見られたくなかったから。


    しばらく高峯の袖を掴んだまま黙っていれば、突然高峯が俺の体をソファに押し倒した。俺は驚きのあまり固まってしまう。高峯が眉をひそめて俺を見下ろす視線は高峯が美形なことも相まって迫力がある。

    「ご、ごめん高峯!気持ち悪かったよなっ!?」
    「いや……謝るのは俺の方なんで……。ごめん守沢先輩……引かないでね?」
    「へ……?たかみ……んぅ!?」

    俺は高峯にキスをされていた。目をギュッと閉じていればちゅっ、ちゅっという軽いリップ音に意識が集中してしまい俺の耳を犯していく。時折高峯がぺろりと俺の唇を舐めてくるけれど、頑なに口を閉ざしていれば諦めたのかようやく高峯は離れてくれた。

    「はぁっ……高峯……なにを……」

    「何をするんだ!」なんて言葉は口から出ることはなく消えてしまった。高峯の獲物を狙う肉食獣のような今まで見たことがない表情に目を奪われてしまったから。とうとう限界を超えてしまった俺は自然と涙をこぼれ落ちていた。生温い雫が頬をこぼれ落ちるのも気にならないくらい今の俺には高峯しか見えていなかった。高峯が俺の頬をこぼれ落ちる一雫を親指で拭う。

    「責任は取るから。守沢先輩、俺のことだけ見てて」

    高峯の綺麗な顔が近づいてくる。口と口がくっつきそうなほど近づいた距離に俺は自然と目を閉じていた。


    この後高峯から至るところに甘く蕩けるようなキスの雨を振らされ、放出できない身体の熱に、よりいっそう大粒の涙をこぼして身も心も溶かされることになることはこの時の俺はまだ知らない。
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    ふう。

    DONE翠千ワンライより
    お題『イルミネーション』

    翠→千
    クリスマスに守沢先輩と会いたいと思う片思い中の翠の話です。
    夜空を覆い尽くしてしまうほどの輝きが、眼前に広がっている。
    右を見ても左を見ても視界に入るその眩い光は、今の俺には眩しくて、俺はそっと目を細めた。
    凍えるような寒さに身体を震わせて、俺は一つ息を吐く。ため息と一緒に吐き出された鬱は、白く変色して夜空に溶けて消えていった。それでも俺の心は晴れないままで、街を行き交う楽しそうな人々の中、まるで俺だけが違う世界にいるかのようだった。


    かれこれ三時間、俺はベンチに一人座って、ぼうっとイルミネーションを眺めていた。どこまで続いているのかと思わせるほどの並木道が、無数のLEDに彩られ、街を華やかに照らし出している。ライトアップされた木々を見上げる人々の顔は、皆明るく笑顔だ。小さな子供と手を繋いで歩く家族や、肩を寄せあって笑い合う男女、クリスマスケーキを片手にどこか充実した顔で歩いているOLの女性、どこを見ても完成された綺麗な世界に俺は相応しくない気がして、思わず目を閉じる。目を閉じれば、思い浮かべたくもないアレの顔が浮かんできて、俺の鬱を加速させる。振り払うように小さく首を振ったけれど、まぶたの裏に焼き付いて離れないアレの顔は、こんな時でも暑苦しくて、俺はまた一つため息をついた。
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    ふう。

    DONEポッキーの日ということでポッキーゲームする翠千です。本当にそれだけです。かなり甘いです(当社比)。以前書いた守沢の家に押しかける高峯の話のその後というか同じ世界線ですがこれだけでも読めます。

    未来軸
    翠→(←)千
    付き合ってはないけど高峯くんは思春期を脱却して守沢先輩に猛アプローチ中です。
    「守沢先輩、ポッキーゲームって知ってます?」

    今日も今日とて何故か俺の家にさも当然のようにいる後輩からの突然の一言に、俺は頭に疑問符を浮かべた。そういえば今日は11月11日、世間的にはポッキーの日と呼ばれている日だったか。毎年この時期になるとCMなどでよく見かけるからポッキーの日は知っているが……。

    「ポッキーゲーム……?聞いたことがないな」

    手元の流し読みしていた雑誌から顔を上げて高峯の方を見れば、高峯がやけに真剣な顔で俺を見つめていたから思わず面食らってしまった。

    「ふーん……。ねぇ守沢先輩、ポッキーゲームしません?」
    「ずいぶん突然だな?」
    「突然じゃないよ。今日ポッキーの日だから」

    そう真顔で淡々と言い放つ高峯には妙な説得力がある。そういうものなのだろうか。もしかしたら俺が知らないだけで、世間一般的にはポッキーの日というのはポッキーゲームとやらをやる日なのかもしれない。
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    ふう。

    DONEハロウィンの翠千
    浮かれ峯とハロウィンを楽しんでいる千秋
    付き合ってる二人がただただイチャイチャしているだけ

    ※未来軸
    ※高峯が一人暮らししてる
    「守沢先輩は子供の頃、近所の人にお菓子貰いに行ったり、友達とハロウィンパーティーしたりしました?」
    「ん?急にどうしたんだ?」
    「いや……守沢先輩ってどんなふうに子供時代を過ごしたのかなぁって……」

    扉の向こうにいる守沢先輩がすぐに返事を返さなかったことが気になって、扉の近くに寄って耳をそばだてる。聞こえてきた音はシュルシュルという衣擦れの音だけで、俺は早くも自分の軽率な行動を後悔した。


    今日は10月31日、つまりハロウィンの日だ。今ごろ街中を仮装した人たちが歩いているのだろうか。少し前までの俺は浮かれた格好で練り歩く人たちが理解できない側の人間だった。しかし今年の俺は違う。なぜなら、ハロウィンは恋人に違和感を感じさせることなくコスプレをさせることが出来る素敵なイベントだと気づいたからだ。そんなわけで、俺は守沢先輩に頼み込んでハロウィンの仮装を見せてもらうことにした。事前に「俺の好きそうな仮装を選んできてね……♪」と一言添えて。今の俺は去年までの俺が理解出来なかった浮かれきったリア充そのものだが、『俺だけに見せる守沢先輩の仮装』という目先のご褒美のことを考えればそんなことは全く気にならなかった。
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    ふう。

    DONE翠千ワンライより
    お題『偶然のふり』

    翠→千
    個人の仕事が忙しすぎて流星隊メンバーと足並みが揃わない千秋。なんとか追いつこうと無理をするが体がついて行かず……。そんな千秋の元に翠が迎えに来る話。今よりも少しだけ進んだ時間軸のつもり。
    ※Pがちょこっとだけいる
    ※ES分からなさすぎて間違ってたらごめんなさい
    「あ、プロデューサーさん。こんな遅い時間までお疲れ様です。………はい。俺は仕事終わりでこれから帰るところです。………え?俺に頼みたいこと?俺で良ければ聞きますけど……?………え?守沢先輩が……?はぁ……何やってんだかあのひと……。すみません、アレのせいでプロデューサーさんに迷惑をかけてしまって……。………ああ、気にしないでください。アレの対応には慣れてるんで」


    ◇◇◇


    スマホで流していた音楽を止めて、思わず大きく息を吸う。吸っても吸っても体内に酸素が入っていかない感覚に、ぼんやりとした頭では思考もうまくまとまらない。体は鉛のように重く、思うように動いてくれない。

    一体何時間ぶっ通しで踊り続けているのだろうか。脳に酸素が回らない状態ではそれすらも思考するのに労力を使う。いいや、そんなことを考えたってしょうがないか。とにかく時間がない。今は少しでも早く振り付けの精度を高めないと。俺のせいであいつらに迷惑はかけたくない。
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