▫️高校2年生
・坊ちゃん→一坊　零（イチボウ　レイ）
　幻水世界の記憶はない。名家・一坊家の一人息子。哲人と仲良し。唐突に学友に抱きつかれても、サラリと受け流す程度には器が広い。幻水世界では、3ルックが儀式の地で果てるまで10年くらい昏睡状態のような感じだったので、空白の期間がある。
・ルック→塔島　瑠駆（トウシマ　ルカ）
　3の儀式の地、セラの膝枕から飛び起きたつもりが何故か学パロ世界の教室に。３で行動を起こした経緯は今年のどこかでどうにかしたい。名前がややキラキラネームで中々一発で読みを当ててもらえず、「リュウク」→「ルック」のあだ名がついてる。
・テッド→永禮　哲人（ナガレ　テツト）
　幻水世界の記憶が完璧に残っている。いつも坊ちゃんの近くにいるので幼馴染と思われがちだが、実際は数年前に一坊家に引き取られた孤児、という設定にしている（本人が）

　その胸元で揺れる十字架が妙に印象に残った。
　もうかなり昔のことである。近所の廃墟であるはずの教会から物音が聞こえることに気がついてしまい、それはもう嫌だったのだが、様子を見に中に入った。
　するとステンドグラスから差し込む光の中に、カソックを着た男がひとり立っていたのである。他人の気配に気がついたためか、男は振り返った。光り輝く長い金糸が優雅に弧を描くのに見惚れていたが、男の顔を見てしまうと、その衝撃さえ過去のものだ。
　この世のものと思えぬほど美しい男だった。神が手ずから作り上げた美の極致と言っても過言ではないだろう。
　男は巡回神父であると名乗った。通りすがりに教会を見かけて、せっかくなのでと立ち寄ったのだそうだ。祈りを捧げるためかと問うと、男は少しばかり困ったように微笑んだ。