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    okome

    @okome59388065

    書きかけの倉庫 勘で文字と絵を書いている
    絵文字貰えると泣いて喜びます 完成品は支部に行きます

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    okome

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    天才クラブの小話その2 オチが弱い上に本文がアレなので挫折中 供養

    プーマン紳士プーマン紳士


     スティーブンはまだ短い生涯で、死にそうになったことがいくつかある。
     大体は正座させられて養父に全力で説教されたとき。いくらスティーブンがサボりの天才といえども、正面向かって怒られたら流石に逃げられない。まさしくあれは『退屈で』死にそうな一例である。
     そして今日、スティーブンの死にそうになった経験に新たなものが加えられた。

    「懐疑:私はどうなっていま「プキュ!!」
    「我慢して、スクリューガム。こいつらすばしっこいったらありゃしないんだから。もう私の足なんて棒みたいになっちゃった」
    「懐疑:人形に疲れはあるのですか?」

     目の前に現れたのは、ヘルタと───顔面、腕、そして足に至るまでプーマンに張り付かれた、スクリューガムらしきナニカだった。
     スクリューガムの問いへ「プーマン紳士になってる」って言ってしまわなかった自分にスティーブンは深く感謝した。しかし、所詮この困難を越えたとて気を抜けばまだ吹き出してしまいそうである。
     もぞもぞと動くプーマン。それに合わせてスクリューガムの表面上でプーマンの尻がプリプリ揺れる。スティーブンはアバターを誤魔化して必死に目をそらしたし、全力で下唇を噛み締めた。

    「スティーブン!!このバグコード達がスクリューガムにたかってる間に早く消して」
    「ンンッ………!!わ、分かった」

     スティーブンが仮想パネルを操作するとプーマンの姿が透けてきたり、小さくなってきたりする。
     そう、このプーマンは開拓者達がボーナスマスや挑戦マスで見るいつものプーマンではない。プーマンへと変貌した、絶賛増殖中のバグコードなのだ。


    ───1システム時間前。
     いつぞやの天才4人が全員トチ狂ってドデカイミスをした──開拓者からは面白いイベントとして好評であったが──時から、この天才達はバグには割と気を遣っている。その努力はバグコード奇物を消滅させるまでに至った、という話は置いておいて、規模の大きいバグがあれば彼らはすぐに対処しており、今回のバグもその「重大なバグ」であった。
     このバグは模擬宇宙のオブジェクトに擬態して移動するという厄介極まりない性質を持っていた。そのため、全体掃討役のヘルタ、サポート兼演算担当兼ブレーキ役のスクリューガムが出動。該当のマスに辿り着いたとき、彼らはこの状況が前情報よりも格段に厄介なことに気づいた。

     なんたってこのバグはプーマンに擬態していたのだから。
     バグはもうめちゃくちゃ逃げた。弱点撃破の凍結を解除し、ヘルタのハンマーをすり抜け、一匹倒したと思ったら増えている。
     ヘルタはもうめちゃくちゃキレた。めちゃくちゃキレたので、開発者権限で模擬宇宙のバフをフルでかけた。具体的にいうならルァン・メェイイベントを5回くらい経験したレベルの祝福を使った。眼前に迫る超巨大爆速ハンマーに、流石のバグプーマンもこれはヤバイと思ったようで、
    「プギューー!!」
    「あっ」
     ぺちょ。プーマンは生と死の境ギリギリで、演算に集中していたスクリューガムに引っ付いた。
     ヘルタはハンマーを振り上げて固まった。このハンマーを振り下ろした暁にはスクリューガムがプーマン諸共木っ端微塵であろう。会心12層を無駄に纏い、缶詰の脳をマックスでチャージしたまま、ヘルタは渋々ハンマーを下ろす。とはいえプーマンを諦めてはいないので、鬼の形相かつハンマーを構えて待機しているが。


     今に時を戻そう。

     かくかくしかじかで笑いをこらえながら作業をしているものだから、スティーブンのバグ取りは捗らない。次いでヘルタは堪忍袋の緒が切らしそうになり、最後にスクリューガムがなだめようと動くせいでまたプーマンがプリプリ揺れる。
     そうしてまたスティーブンは死にそうになるというわけだ。薬物の如き悪循環。

    「プキュー」
     ヘルタを嘲笑うように鳴くプーマン。ヘルタはお姉さんなのでしばらく我慢していたが、数分経った頃ついに
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    Replies from the creator

    okome

    PROGRESSイカれたアベトパ導入 まさかアレが続くとは私も思わなかった また例の如く二人は疲労困憊です
    高級幹部たちの走り出せ!デートRTA スターピースカンパニーは忙しい。周知の事実である。窓際族とかなんとか言われている伝統事業部を除けば──どこの部署だって日々てんてこ舞いの大騒ぎ、白目に目薬代わりのエナドリをさす始末。
     そしてそれは、高級幹部だろうと、付き合ったばかりのカップルだろうと、高級幹部かつカップルだろうと同じこと。

    「に、二時間!?!?!?デートに行くのに!?!?」

     高級幹部かつカップルのトパーズとアベンチュリン、久々に揃った休暇はまさかの約二時間だけであった!

    「いやいやいや、ちょっと待って。計算間違えたかもしれないし」
    「君が間違えることなんてある?」
    「私、四徹目だから」
     トパーズは愕然とした。
     大規模プロジェクトによるウン十連勤を乗り越え、必死にパズルゲームの如くスケジュールを調整したのは全て恋人とのデートのため。しかしなんとか残せた空白期間はたった二時間である。学生の放課後デートでももうちょっと時間があるだろう。んな訳ない、とキーボードを叩くが画面の数値は変わらなかった。
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