俺のお嫁さんになって 陽がすっかり落ちた頃、棺桶を抜け出して森に出かける。目的はカツキ、美しい人狼をデートに誘うべく俺は今夜も念入りに支度しプレゼントを片手に家に忍び込む。
『カツキ、今夜も口説きにきたぞ』
『不法侵入すンなって言ったろ?せめてドアから入れやマセガキ』
真っ白なエプロン、コトコトと音を立てる鍋、手には名前を知らない調理器具。愛しいカツキは丁度料理をしていたようだ。今夜の晩飯はなんだろう、普段は人間の食べ物を食べないから名前は解らねえが美味いのは間違いない。何しろカツキは料理の天才なのだ、
『ポトフだ、肉はウサギ、ガーリックは入れてねェ』
おお美味い。マジでカツキは天才だな、カツキの血の次に美味い、
『俺の血ィ飲んだことあるみてェな言い方すンな、そのお子様キバじゃ精々煮込んだ肉しか食いちぎれねェだろーが』
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