新たに産まれたキミを愛す「轟くんごめん!」
「緑谷…どうした?」
「それが…ちょっ!痛い…痛いよかっちゃん髪引っ張らないで!」
かっちゃん?緑谷に抱かれた赤ん坊に緑谷は、そう言った…確かに緑谷の髪を引っ張る赤ん坊は爆豪に似ている
「かっちゃん?どういうことだ緑谷?」
「それが…」
とりあえず緑谷を部屋にあげ話を聞く
爆豪似の赤ん坊はオールマイトのフィギアを持たすと嬉しそうにハムハムして遊び始める
「今の現場かっちゃんと同じだったんだ…」
朝そんなコトを爆豪も不機嫌そうな顔で言っていたのを思い出す。じゃあこの赤ん坊は、本当に爆豪?
「救助は本当に完璧だっただ。でもね、かっちゃんが助けたお年寄りが空を飛ぶことにびっくりしちゃってその時知らないうちに…」
「個性を発動させてしまったということか…」
「まぁ…簡単に言えばそんな感じ。相澤先生に解除して貰えないかお願いしたんだけど、今出張でこっちいなくて、聞いたら効果は一日でとけるらしくて、かっちゃん今の任務終わったら明日は、休みになってたからそれで大丈夫だろうってことになってしまったんだよ…」
「………」
「本当にごめん!轟くん!本当は、今日の夜からかっちゃんと…その…誕生日祝うはずだったんでしょ…」
「まぁ…そうだがでも緑谷は、悪くないし…それに爆豪は、爆豪でこうして一緒に居れることには、変わりない…それに誕生日は、明日だ。」
「轟くん…」
「オレが個性解けるまで面倒みる…」
「ありがとう!かっちゃんの家に頼もうと思っただけど轟くんならそういうと思った。」
「任せろ緑谷…」
「うん!で!必要なもの持って来たんだ!」
開き直ったかのように緑谷は、それをオレに渡し
「じゃあ!良い誕生日を!」
と言ってそそくさと帰ってしまった。
緑谷が嵐のようにさり残されたのは、オレと爆豪
爆豪は、いつの間にかオールマイトの人形と一緒に寝てしまっていた。ブランケットをかけてやる。とりあず寝ていうちに緑谷が置いて行った袋の中味を確認する。
ご丁寧に初めての子育てという本まで入っていた。
ミルク、哺乳瓶、オムツその他色々入っていた。
任せたと言ったが育児なんてしたことない…自分は、末っ子だ。末っ子ということをこの時ばかりは、恨んだ。
スヤスヤ眠る爆豪
「ほっぺプニプニだな…」
突くと「ん〜」とオレの指を無意識なのか掴んでくる「かわいいなぁ…ふぁ〜」爆豪見ていたら睡魔にが誘ってくる。
「ダメだ…ちゃんと…本読まね…と」
気づいたら寝てしまっており
「あぁ〜!あぁ〜!」
と爆豪の泣き声に目が覚める
「どっ…どうした?爆豪」
ミルクか?おむつか?尻を触るがそんなに湿った感じはしないとりあえずミルクか?
パーケージにある作り方を見ながら必死に作るその間も爆豪は、泣き止まない
「ま、待ってろ!今作ってやる!」
「あぁ〜!あぁ〜!」
人肌くらいの温度どんなもんだ?とりあえず自分で飲んでみる温度は、大丈夫そうだがあまり旨いものじゃないな…
「ほら…出来たぞ…」
馴れない手付きで爆豪を抱っこする。爆豪は、勢いよく哺乳瓶に引き寄せミルクを吸う。
「お腹空いてたのか…」
ゴクゴクと飲む姿につい顔が緩む
すると口の端からだ〜とミルクをだし始める。
「ば、大丈夫か!?爆豪やっぱり不味く…」なんだか少し苦ししそうだどうしたら…
本を手に取り何か対処方が載ってないか探す
あった!うん?ゲップをさせればいいだな…
オレは、爆豪の背中をトントンとする
「う〜」
「ほら…ゲップだ…」
「う〜ケポ…」
ようやくゲップが出て一安心する。ふぅ~良かった…
ヨシヨシとする。お腹がたくさんになったのか爆豪は、また夢の中に行ってしまった。
本当に赤ん坊って寝るだな…知らないことばかりだ…
爆豪を布団に寝かそうとすると
「や〜や〜」と泣き始める…再び抱っこすると
「あ〜」と嬉しいそうにするため抱っこがいいらしい…ソファーに座り体をゆらしながら爆豪の寝顔を眺める。
爆豪もこんな時があったんだな…
しばらくそうしていたが流石に手が疲れてきたそいえば自分の飯がまだだった…
そっと布団に下ろす起きないことを確認し自分はカップル麺を作る。お湯が湧きいざ食べようとする箸を伸ばそうとした瞬間
「あぁ〜!あぁ〜!」
リビングから泣き声がする泣く泣くカップル麺を置き爆豪のところに行く。
「どうした?ミルクは、さっき飲んだしおむつか…」
おむつとお尻拭きを急いで準備する
衣服を捲り着けていたおむつを外す、オシッコでおむつはいっぱいになっていた。
「気持ち悪かったか…ごめんな…」
馴れない手付きでお尻と小さなちんこ拭く
「ちんこ…小さいなぁ…」
ツンツンとすると
キャッキャッと笑う…かわいい…おっとこんなことしてる場合か…悪戦苦闘しながらおむつを当てることが出来た
「ふぅ~」
爆豪を抱っこしキッチンに行くともう麺は、のびのびで汁が殆どなかったがそれを胃に流しこむ。世の中のお母さんは、大変だな…これではまともに自分の食事も取れないのではと思う。
苦戦したがなんだかんだで爆豪がオレを必要としてくれているのが嬉しかった、まぁ赤ん坊なんだから当たり前だ。
もし、オレと爆豪のいや…爆豪は、男だオレたちに子供は…でももしいたらオレは、多分テンパるけど爆豪は、完璧にこなしてしまう気がするな…考えていると
「あ〜あ〜」
とオレの指を握りパクと口に入れる爆豪
「爆豪!」
チュパチュパと吸われるとイケない気分になってしまった。
頭を振り意識を戻す…そろそろ風呂だな!
キッチンのシンクや洗面台で入れてもいいらしいがやっぱりせっかくの機会だ一緒に入りた
お湯を溜め恐る恐る爆豪を抱え一緒に入る
爆豪は、お湯にびっくりしたのかプルプルと身震いするが直ぐに気持ち良さそうに入っている
「気持ちいいか…」
だがあることに気づく本には、誰かが赤ん坊を脱衣場で受け取るのだ今は、オレしかいないそのことを考えていなかった。しょうがなくオレは、裸で布団まで爆豪を運び衣服を着せるまで裸だった。まだ真冬じゃないことに感謝した。
それから夜までミルク、おむつ、抱っこを繰り返しようやく眠りについた…
ふぅ~本当に子育てって大変だな…一日があっという間だお母さんも自分が赤ん坊の時は、そうしてくれたのか…と物思にふける。
ふと時計をみると22時を指している。あと数時間で…お前の誕生日だな…
そんなことも考えながらオレも眠りにつく
どれくらい寝てたのだろうか…
「あぁ〜!あぁ〜!」
爆豪の泣き声に目が覚める
「どうした爆豪…ミルクか…おむつか…」
「何を寝ぼけてるだお前…」
「え?爆豪?」
横を見ると爆豪が寝ている
「良かった…元に戻っただな…」
「あぁ…」
こころ無し爆豪の顔は、紅かった…
「世話かけたな…」
「全然…オレは、楽しかった…」
「………」
時計を見ると0時過ぎたところしまった!
「爆豪!」
「なんだよ…」
「誕生日おめでとう…」
「このタイミングかよ…ムードもなにもないな…」
「あぁ…本当は、0時チョッキリに言いたかった」
「2.3分過ぎただけだろ…」
「それが悔しい…」
「変な奴だな…」
「そうか?だって爆豪…誕生日は、一年に一回の特別な日なんだぞ」
オレは、爆豪を抱きしめる…
黙ってオレの腕の中に収まる爆豪がいてくれることが嬉しい…
「爆豪…あらためて誕生日おめでとう…何があろうとこれからもずっと一緒だ…」
「……あんがと…」
「爆豪大好きだ…愛してる…」
新た産まれたキミを愛す…