穴 全身の不快感で目が覚める。汗で皮膚同士がペタペタとして気持ち悪い。数時間前の情事の跡が残る身をそっと起こしてベットに腰掛ける。閉まったままのカーテン越しに、陽の光が部屋をほんのり明るく照らしていた。
(だる……はぁ、今何時だろ)
じっとりとした空気がこもっている感じがする。チラリ後ろを振り向く。壁側で寝ていた忍は、頭まで布団にくるまったまま、まだ起きる様子はない。昨日は特に滅茶苦茶にしてしまったから、起こすのは気まずい。窓を開けたかったが、そのままにして部屋を後にした。
シャワーの栓を捻って、水がお湯になるまで待つ。手のひらに降る冷水がじわじわと温くなっていく。その手でシャワーヘッドを持ち、首の後ろからお湯を当てた。
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