ただ、君と海を見たかった。いつか忘れちゃうから、こうしてうたに残しておこう。
真冬は、忘れないって言ったけどそんなの無理だ。
人の記憶は日々更新される。
きっと、どれだけ意識して覚えておこうとしても忘れる。
だから、真冬がこの歌を歌う日が続く限りこの日のことを思い出せるように残しておこう。
この曲を作るきっかけはただそれだけだった。
真冬に聴かせたかった。
それくらい、真冬が初めて歌った曲も見たものも全部俺の言葉で表現できれば、残すことができれば幸せだと信じ込んでいた。
ただ、ひたすらに真冬が好きだった。
それでも俺たちの間には溝ができた。
別々の高校へ進んだあの日から。
幼い時からよく一緒にいた4人は、いつの間にか1人と3人のグループになってしまった。
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