Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    sirome0_0

    @sirome0_0

    その時好きなジャンルのSSを書きます。
    オリジナルも書きます。
    そんな感じです。

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 57

    sirome0_0

    ☆quiet follow

    落書きくん「僕に落書きしたの、だーれだ。お前」
    女の子に買われて女の子と間違えられてお化粧しましょうねーなんて言われながら落書きされていた

    #ホラナイ
    #ポゼ
    #落書きくん🎨

    ボクに落書きしたのは。人形というのはいつか遊ばなくなって忘れられる。どんな人形と遊んだのか、どんなふうに遊んだのか、付けた名前すら忘れるのだから。
    ニンゲンは、自分がされて嫌なことは相手にしないと教えられるのだそうだ。

    なのに、人形というだけでボクらには何をしてもいいと思うのだろうか。

    「赤、青、緑に、紫、さあ、今日は何色のメイクにする」

    ヤメロ、ボクは女の子じゃない。
    ヤメロ、ヤメロ、ヤメロ。
    どんなに叫んでもボクの声はニンゲンには届かないらしい。どんなに逃げたくてもこの体は自由には動かないらしい。

    「キレイキレイ。」
    そう口にして、軽い足取りで部屋を出ていくこの部屋の主を見送った後、ボクはようやくホッと息をついて休めるのだ。

    来る日も来る日も、綺麗にペンのインクを取られることはなく別の色が肌に線を描く。

    痛い、痛いって、痛いって言ってるだろ
    それでも、やっぱり声は届かない。

    来る日も来る日も、続いたそれはある日パタリと無くなった。部屋の主は部屋の外で過ごすことが増えボクに見向きもしなくなった。
    しばらく平和な日々を過ごしたけど、ある日突然捨てられたことに気がついた。
    あぁ、ボクは必要じゃなくなったのだと気がつくと怒りがふつふつと湧き始めた。

    ボクに散々落書きをして、忘れるなよ。
    痛かったんだ、嫌だったんだ、毎日毎日…
    ボクは男の子だって言っていたのに
    ユルサナイ…。
    ユルサナイ。

    お前のことはずっと、ボクが覚えている。

    「ボクに、ラクガキ、ダーレダ」
    お前が忘れているなら、何度でも思い出させてやる。
    「オマエ。」
    オマエ、オマエ、オマエ。

    二度と忘れないように、言い続けてやる。

    Tap to full screen .Repost is prohibited
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    recommended works