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    sirome0_0

    @sirome0_0

    その時好きなジャンルのSSを書きます。
    オリジナルも書きます。
    そんな感じです。

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    家を再び建てたあとしばらくしてからのお話

    #カミミラ
    camilla

    面白くない🦎「ミラベル、おはよう」
    「ミラベル、ねぇ教えて。どうやってマドリガルのお家がもとに戻ったの」
    「ミラベル、冒険のお話して」
    物語のような日々が終わって一段落したら、ミラベルはまた子どもたち…いや、今度は子どもだけでなく大人まで彼女を囲むようになった。

    「前まで腫れ物を扱うように接してたくせに、今じゃ街のお姫様みたい。」
    家の柱にもたれ僕は面白くないとただそれを見つめていた。
    ミラベルがどう思っているのかはわからないけれど、彼女は相変わらず丁寧に説明して回っている。
    求められれば求められられるだけ。

    「わかった、わかった、わかった。つまりね、魔法のギフトがなくたって一人ひとりみんな大切なのよ」

    「何、カミロ不満なの」
    いつの間にか隣に並んでいたイサベラが声をかけてくる。
    「…不満だよ。」
    不満に決まっている。僕のいとこは、僕らの家族はお姫様でもなければ、見せ物でもない。

    「なら、助けに行けばいいでしょ。」
    とん、と背中をイザベラに押される。
    「見てるだけでも、待ってるだけでも何も変わらないわよ。」
    「…イザベラ、変わったね。」
    「あの子に、悪い影響受けちゃったからね。」
    イサベラは真っ直ぐにミラベルの方へ視線を向け続けて「でも、自分に正直な今の自分の方が気に入ってる。」と笑みを浮かべた。

    僕は、そんなイザベラを見てミラベルの方へ足を進める。上手にできるかは分からないけど、

    「カミロ、自分に正直にね。」

    その言葉にもう一度背を押されて。

    「ミラベ〜ル」
    「カミロ、どうしたの」
    「おばあちゃんが、呼んでる。行こう。」
    集団の中から、ミラベルの手首を間違えずに引っ張り出す。
    「え、ちょっ、えっと、みんなまたね」

    集団から抜け出して少し離れた場で、ミラベルが口を開く。
    「久しぶりに、カミロの真剣な顔見た。」
    その声は、少し弾んでいるように感じる。

    「ミラベルを見つけて助けるのは僕の仕事だからね。」
    僕の声も心なしか弾んで君に届いていたかもしれない。
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