たぬいち小話。 待てばかいろの
日和あり
はー…、
ぶしゅっ
「…さむ…」
自分のくしゃみで意識が浮上して
掛布団がだいぶずれている様子だ。
んー…、と目を開けるのもめんどくさいので
ずりずりと芋虫のように足元に向かって下がりつつ
最小限腕を伸ばして掛け布団を探す。
目を開けて探せば楽なのに
目を開ければ一日が始まってしまうので
出来るだけその事実を確定させないように
もぞもぞぱたぱたと
布団の中に納まろうとする。
やっと手が掛布団を見つけたので
ぐいっと頭まで引っ張り上げれば
引っ張り過ぎたのか
足元まで潜り過ぎたのか
足が出てひや…とする。
こりゃダメだ
草薙は仕方なくもぞりと起き上がった。
どんな寝相だったのか
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