Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    summeralley

    @summeralley

    夏路です。
    飯Pなど書き散らかしてます。

    ひとまずここに上げて、修正など加えたら/パロは程よい文章量になったら最終的に支部に移すつもり。

    ☆quiet follow Yell with Emoji 👏 💚 🎉 💯
    POIPOI 71

    summeralley

    ☆quiet follow

    #飯P版深夜の真剣お絵描き字書き60分一本勝負
    お題【年齢操作・誕生】

    GTの神龍、赤だったよね……? 2010年ごろ、GTを履修して「Pも縮めてよ!」って思った嘆きが令和のデェマで叶えられるとは

    #飯P
    #二次創作BL
    secondaryCreationBl

    【飯P】凍えない夜のために 「ピッコロさん、分かってます? こんなに小さいのに、一人で帰るなんて……危ないでしょ」
     強く言い切ると、ピッコロさんは眉根を寄せた。不満を隠しもせず、軽く首を振る。
     何故、このような現象が起きたのかは分からない。分かるのは、見たことのない赤い神龍が空に現れ、ほとんど真上の神殿で閃光が走ったことだけ……誰かの願い事に、巻き込まれてしまったのだろうか。
     気付けば、修業で砂にまみれていた両手はもみじの葉のごとく縮んでおり、ぶかぶかになった道着が辛うじて肩に引っ掛かっていた。すぐさま、ピッコロさんは手をかざして、丁度よいサイズに調整していたが。
     「大袈裟だ。おれは昔から、一人でやってきた」
    「小さい身体の時は、信頼できる相手に抱き上げてもらうべきですっ」
     腕を組んで、生徒を叱るように断じる。立場が逆転したようで、おかしな心地だ。
     「おれは卵から誕生してすぐ歩いていた、大きさもちょうど同じくらいだ。抱き上げる必要などあるか?」
    「あります、絶対に。歩幅も狭くなってますし、こんなに急に身体のサイズが変われば、動かし方の感覚が大きく違うはず……転んだら危ないです」
     多少の説得力を感じたのか、ピッコロさんは無言のまま横を向いた。許容ではないが、わずかに迷いが見える。この機を逃すまいと、僕は更に畳みかけた。
     「それに、身体が小さいと体温維持も難しいんです。ピッコロさんなら、体温維持の難しさには実感があるでしょ? 卵生の生物は大抵、孵化直後は体温維持が苦手ですからね」
    「……心配しすぎじゃないか」
    「心配しますよ! 凍えないよう、今夜は、添い寝が必要です」
     添い寝、と口にした途端、ピッコロさんがうんざりするのが分かった。警戒ではなく呆れ返っているのは、ここまで体格差があるならば、まさかふしだらな行為には及べまいと思っているからだろう。
     「お前な、少しは下心を隠そうという気がないのか? 添い寝など……」
    「必要なんですっ! 暖房より、生きた体温が一番です」
     怯まず断言すると、ピッコロさんは気圧されて口を閉じる。何か言い返したいが、言葉が出てこないといったところだ。こういう時、戸惑った末に俯く面差しは、いつもよりずっと幼く見える。
     しばらく何事かを考えていたピッコロさんが、腕を組んで目を閉じる。僕が焦れるほど長く押し黙っておいて、やがて静かにため息をついた。
     「……仕方ないな」
     苦笑まじりに呟いて、はじめて屈んでくれる。少し撓んだ目が、同じ高さから僕の目を覗き込む。一人だけ子供の姿へ縮んでしまった、僕の目を。
     「初めて会った時と、同じくらいになってます? 僕」
    舌や口も子供のものになっているから、発音も明瞭とは言いがたい。
     「いや……あの時よりも、小さくなっている気がする」
    「だ、だから……、いいでしょう?」
     目の高さが合うと急に弱気が顔を出し、ピッコロさんの指をぎゅっと握りしめた。ついさっきまで、チャンスとまで感じて強気で話せていたのに……この感情の触れ幅も、子供に戻った影響だろうか……。
     「寝る時だけでいいんです。ピッコロさんのベッドに入れてくれれば……そしたら心細く、ないから」
     ピッコロさんは少しの間、僕に握られた指をじっと見下ろしていた。子供の僕と、大人のピッコロさんでは、手の大きさが違いすぎて、僕からは指を握るのが精一杯だ。それでもしっかりと離さずにいると、やがてピッコロさんが口元をわずかに緩めた。
     「世話の焼ける弟子だ……お前には敵わん」
     ピッコロさんが腕を伸ばし、僕を軽々と抱きかかえて立ち上がる。
     「おれは生まれた時も一人だったから、子供をどう扱うべきかなど分からんぞ」
    「……こうして抱き上げて、お部屋へ連れてってくれるだけで、十分です」 
     僕は子供の長さになった腕を、ピッコロさんの首の後ろまで回す。今のピッコロさんを抱きしめることで、生まれたばかりのピッコロさんも抱きしめるつもりで。肩に額を埋めると、居心地が悪そうにかすかに身じろいだ。
     「やっぱり、ピッコロさんが一番あったかい。これで凍えませんね、二人とも」
     弱気に支配されかけた心が、今はもう、密着した体温に浮き足立って仕方がない。これは子供に戻ったからなのか、元々ピッコロさんが大好きだからなのか、分からなかった。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    😭🙏💖☺☺☺💕
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    summeralley

    DONE急いで進めてるけど12話くらいにはなってしまいそう……少し先でベッドシーンで丸々一話使ったせいで……。
    ネイPのP、ちょっと子どもっぽく書いてしまう。
    【ネイP】解剖台で夢を見た/04.聴診器の語るもの ネイルは殆ど、家へ帰らなくなっていた。職員がみな帰るのを待ってから仮眠室へ下りるので、それから帰宅となるとどうしても遅くなる。
     元々、仮眠室へ寝泊まりすることはそう珍しくなかった。同じフロアに、簡易的なシャワールームもある。食事は水で事足りる。コインランドリーは研究所の道向かいだ。
     ――家へ帰ったところで、仮眠室の様子が気になって眠れず、警備員が驚くような早朝に出勤することになる。
     自らが切り刻んだ研究対象への執着なのか、単純な個への執着なのかは、判然としなかった。それでも、寝袋を持ち込んで寝泊まりするようになるのは、ネイルにとって自然な選択だった。
     その日ネイルは、どこか浮き足立っていた。
     石室の標本に関する嘘の報告書は問題なく受理され、更に詳しく検査を進めるようにとの文言を添えた、検査項目のリストだけが戻ってきた。それも、時間がかかることを誰もが理解できる検査項目ばかりで、当分の時間は稼げそうに思われる。
    3016

    summeralley

    DONE10話くらいで終わりたいとか言ってたのに、少し先の話に性的なシーンを入れたので予定が狂って10話で終わるの無理になりました。ネイP次いつ書くか分かんないし、どうせならって……。
    【ネイP】解剖台で夢を見た/03.新しいラベル 「石室の標本について、何か分かったか?」
    「報告書の通り、特段変わったことはありません……何しろ前例がないので、手探りで。慎重に進めています」
     ムーリは頷き、引き続き任せる、と研究室を出て行く。ケースの観察窓を覗かれなかったことに、ネイルは胸を撫で下ろした。研究者としては、それが正しい振る舞いだ。以前ネイルがそうせずにいられなかった、無闇に観察窓の蓋を開ける行為は、暗闇で保管されていた検体にどのような影響を与えるか分からない。
     ネイルの返答は、完全な嘘ではなかった。このような現象に、前例があるはずもない。腐敗せず、硬直もしない遺骸など……ただし「変わったことはない」という部分は、真っ赤な嘘だ。
     石室の標本はもう、標本ではない。さりとて、それを報告できようか? おそらく、上層部の判断で、もっと大きな研究所へ送られることになるだろう。戸籍もない古い時代のナメックが、「呼吸する標本」……良くて「実験動物」として扱われることなど、目に見えていた。
    3184

    related works

    recommended works