ふと目が覚める。
朝か…といくらかボッーとしながら考え込む。
起きなければと思うのに体を起こそうという気にならない。冬の朝で寒いからというには昨日より遅い時間に目を覚ましており、部屋はそれなりに暖かい。
今日も調べ物をするつもりなのだから、いつまでも寝ている訳にはいかないな…。
億劫に思いながらも体をお越しベッドから降りる。
着替えをしてようやく部屋から出る。
「あっ、おはようー、小狼君、よく眠れた?」
「おはよう、すまない遅くなって」
「良いの、良いの、ゆっくりできる時はゆっくりして。今から朝ごはん準備しちゃうね〜」
どうやら、待たせてしまったようだ。
食事の準備を手伝おうとすると
「おっはよー!小狼!」
「おはよう、モコナ」
「黒鋼がご飯できるまで薪割りしてるって言うから呼びに行こ!」
「そうなのか」
やはり待たせてしまったようだ。
「あ、ついでに薪持ってきて〜」
「わかった」
裏手に行くと彼が大量の薪を用意していた。
「黒鋼!薪割り終わったー?」
「んなの朝飯前だ」
「さっすがー!」
「待たせてすまない、朝ごはんにしようと彼が」
「ああ、わかった。……よく、寝れたか?」
「……どうだろうか、あまり自覚はないがそうだといいと思う。それと薪を持ってくるように頼まれた。こちらのもので良いか?」
「……俺が持って行くから、お前は白まんじゅうと戻ってろ」
周りを跳ね回ってるモコナをよそに、何かを探るようにこちらを見られた。
寝癖がついているだろうか?
髪を触って整えるが特におかしくはなさそうだ。
モコナにも背中を押され戻ると朝食が整っていた。
……?
パンにスープにサラダというよくある朝食が3つ分、それとは別にスープがひとつ。
「あー小狼君、自覚ない?」
「何がだ?」
「調子、悪いだろ?」
……?
薪割りから戻ってきた彼に指摘されるもの特に熱も感じない。
「特に不調は感じでないが?」
「それが、自覚ねぇって言ってんだ。食欲ねえだろ?」
「……言われてみれば」
起き抜けに食事の気もなく、言われればどことなく体に違和感がある。
「多分疲れが溜まってるんだと思うんだ〜。朝起きるのツラかったんじゃない?」
「……確かに、少し……」
「てめぇの忠告を無視するなってことだな」
「……わかった」
自分でも自覚はないが体は疲れているということか。
食卓について皆で朝食となったが、俺はスープを飲んでようやく、自分の不調を悟った。
確かに固形物は少し難しそうだ。
「小狼君は今日はお出かけしないで、お休みだから
ね!」
了承の意の頷きで応える。
部屋に戻り横になると体が重力を受けてベッドに沈むような感覚を得た。
目蓋も自然と重くなり、何を考える間もなく俺は意識を落とした。
「ありゃ、小狼君もう寝ちゃってる?」
「んーそうだねぇ、ぐっすりみたい」
「そんだけ、体は疲れてたってことだろ。」
様子を見にきた3人は小狼のベッドに近寄り様子を伺う。
三者三様で小狼の異変にはすぐ気づいた。
いつも起きてくる時間に起きてこない。
いつもより鈍い足取り。
緩慢な動き。
本人は自覚はないようだが見知った中であればすぐわかるくらいの不調だった。
熱が出ているわけでもなさそうなので、しばらく寝れば回復するだろう。
「小狼君もぐっすりだし俺たちも今日はおやすみモードにする?寝るには心地良さそうな天気だし」
「モコナ、さんせい!!黒鋼と一緒に寝るー!」
「はぁ!?なんだ俺なんだ!そっちのヒョロいのにしておけ!」
「えー俺は小狼君湯たんぽにして寝るから!」
「おい!」
「だいじょーぶ、だいじょーぶ。これくらいなら小狼くん起きないから」
ファイするりと小狼のベッドに入って寝る体制へとなった。
「たくっしょーがねぇな。白まんじゅう潰されてもしらねぇからな」
「大丈夫ー黒鋼踏んづけて寝るから!」
「踏むんじゃねぇよ!」
ワイワイ言いながら黒鋼モコナもベッドに潜り込んだ。
「ふふっ起きたら小狼くんどんな反応するかな?」