不思議な猫の恩返しある日、いつものように終電日付変更コースでの帰り道、不思議な猫を拾った
目の覚めるのような青い毛並みの長毛種
誰かに染められた虐待にゃんこかと思ったけど、根元まできちんと青いし、なぜか風もないのにふわふわと揺れて、何をされたわけでもないのに少しだけ怖い
それでもぐったりとした猫を放っては置けず、ひとまず抱えあげて一人暮らしのアパートに連れ込んだ
お気に入りのタオルを敷いた密林の箱にシンデレラフィットした彼(♂だった)は一声だって泣かず半目でこちらを伺っていて、とにかく水分だけでも取らせた方がいいかとお皿にペットボトルの水を注いでやる
見られていたら落ち着かないかと離れてしばし待つとてちてちと小さな水音が聞こえてきたのでおそらくは飲んでくれたのだろう
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