龍馬さんが以蔵さんと付き合ってると思ってる話3 決めてないのに、自分の告白を聞いて頷いてくれたのはどうしてだと責めたい。
「中に入って、ちょっと散らかってるけど…ごめん」
様子のおかしい龍馬を見て、会社でかなり煮詰まってるのかと思う。
とりあえず中に入ると思うほど散らかってはいない、今現在プロフェクトがどうのこうのと言っていたから本当に寝に帰るだけなのだろう。
座ってと促され、まるで幽鬼のような顔のままで言われるが、
「いや、おまん、寝た方がえいがやないか?」
「寝る?」
「自分がどがな顔しゆかわかっとらんのか?ほれ、もう寝や、側におっちゃるきに」
力の入っていない龍馬の手を掴んでベッドルームに引きずるように連れて行く。
飲んで楽しめるような状態ではない、もう寝かさせばと心配するほどだ。
「……側に…なら、なんで、どうして…」
「なんぞ言う…!!」
振り返ろうとした頭をベットに押さえつけられる。
油断していた背後からのいきなりのことで遠慮も加減もない、ズボンのベルトを器用に片手で外し抵抗できないように両手に巻き付ける。
「どうして…ねえ、以蔵さん、僕、ちゃんと以蔵さんを好きだって言って、以蔵さんも好きって返してくれたよね」
今にも泣きそうな顔で、だけども怒りにも見える顔で、だから頭を押さえつけられても怒鳴ることもできない。
抵抗させないように手は拘束され頭を押さえられながらズボンを下着ごとずり下ろされる。
指をいれてみれば、すんなりと柔らかく受け入れる、いつものように優しく傷つけないようなやり方ではない龍馬らしくない乱暴なやり方だ。
よほどに煮詰まり疲れているのか…っと勘違いする、とりあえずこのまま大人しくされるがままの方がいいだろうと…そんな全く見当違いなことを思った。
気持ちいいことは好きだが、痛いことは嫌いだ、だけども、何とも言えない顔をされれば、そこはやはり幼馴染としての情もある、全く知らない赤の他人ならどうやってでも抵抗して逃げ出すのだが情が邪魔してそれもできない。
極力全身から力を抜いて、今からくるであろう嵐に耐えるしかない。
もう本当たまらないと思った、まるでレイプされた…いや、実際レイプだろう、同意なんて本当にないし優しさも労わりもない…こんなに追い詰められていたとは知らなかった。
声ががらがらで水でも飲もうと体を起こそうとするが腰からしっかりと腕を巻きつかれて動けない。
「ちっくと離れんか、甘えたが」
なんとか縋り付かれえたような腕を腰から外してキッチンに行きテーブルに投げていた、ぬるいビールを一本掴むとプルトップを開けて一気に飲み干す。
「まっず」
冷えてないのが悪い、こうなことになるなら部屋に入って冷蔵庫にくらい放り込んでおけばよかったと後悔した。
さてとと思い、どうして普段は以蔵の身体を一番に考えて抱くはずの龍馬がどうしてそんな乱暴な行動にでたのかと少し考えようとしたが、背中にいきなりずっしりとした重みを感じる。
「以蔵さん、わしん側におらん」
目の焦点はあってない声は掠れている、だけども以蔵が隣にいないから探しにベットから抜け出したらしい背中に抱き着きながら表に返され口を吸われる。
もう抵抗する気もない、寝ぼけてようとどうしようと甘えたモードに入った龍馬は自分が満足するまで止まらないことはよく知っている。
「好き、以蔵さん、大好き、ほんまに好きやき」
口を離され鬱陶しいほどにそう言われれば頭を撫でて、
「おん、わしも好きじゃ」
「以蔵さんの好きは軽い~もっと重い方がえいよ~」
「はあ…おまん、なんぼじゃ」
呆れた顔で頭を撫でてやりながら、もう一度ベットに寝かせてやり仕方なくその横に体を滑りこませ、もう眠ろう、とりあえず眠ろう。
言いたいことは色々とあるが、とりあえず、今日は眠った。