今度こそは🐯「なんでそんな奴と付き合ってんの?」
🩸「こいつなら…って思うんだ」
恋人への不満なんて、こんな面倒くさい話を聞いてくれるのは🐯だけだ。年下の幼馴染だが、とてもしっかりしていて、どちらが年上か分からない。
🐯「その直感当たったことないだろ?」
ごもっともだ
🐯「そんなモラハラ野郎じゃなくて、他に夢中になれる趣味でも持ったら?そうだ!趣味といえば、ルアー釣りはじめたんだ!これが、面白くてさー♪」
いつも、愚痴をひととおり聞いた後は、うまく会話の流れを変えて明るい空気にしてくれる。ギャンブル好きの奴と付き合った時も、3股かけられていた時も、いつも笑って話を聞いてくれる。この笑顔にいつも救われる。優しい🐯の為に諦めないと…その日、人生で初めて自分から恋人に別れを告げた
◻︎◻︎◻︎
🐯「なんだよ…その顔…」
🩸「自業自得だ。」
モラハラ気質の男から別れ際に殴られる。ごくありふれた話だ。そんな相手選んだお前が悪い。いつものように、そう笑ってほしい。
🩸「…?」
🐯「そいつ、今どこにいんの?」
初めて聞く、低く暗い声
🩸「???俺は大丈夫だから。別れることできたから…もう二度と関わりたくないし」
🐯「なんで…そんなやつばっか…」
🩸「いつもいつも、こいつなら…って思うんだ。でも…もう、諦めるよ」
🐯「…俺にしとけよ」
いつの間にか、自分の背を越した幼馴染に抱きしめられる
🐯「そんな奴じゃなくて、俺にしとけよ!!」
🩸「ゆッ?!」
ああ…やっと、やっと言ってもらえた
俺達に色恋の香りは生まれない。居心地の良い今の関係で十分幸せで、きっと🐯はそれ以上踏み混んでこない。でも諦めきれなくて…🐯に想いを寄せて欲しくて、次の相手なら、次の相手なら、そうやって好きでもない男と付き合ってきた。
よかった…諦めなくて良かった。
(終)