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    Lupinus

    @lupi_eggplant

    テキストを投げ込むスペース/主刀/ファンチェズ

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    Lupinus

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    男審神者×五月雨江(主さみ)の12/24
    つきあってる設定の主さみ クリスマスに現世出張が入った話 なんということもない全年齢

    #主さみ
    ##主刀

    「冬の季語ですね」
    「あっ、知ってるんだね」
    「はい、歳時記に記載がありましたので。もっとも、実際にこの目で見たことはありませんが」
    「そうだよね、日本で広まったのは二十世紀になったころだし」
     さすがに刀剣男士にとってはなじみのない行事らしい。本丸でも特にその日を祝う習慣はないから、何をするかもよくは知らないだろう。
     これならば、あいにくの日取りを気にすることなくイレギュラーな仕事を頼めそうだ。
    「えぇとね、五月雨くん。実はその24日と25日なんだけど、ちょっと泊まりがけで政府に顔を出さないといけなくなってしまったんだ。近侍のあなたにも、いっしょに来てもらうことになるのだけど」
     なぜこんな日に本丸を離れる用事が入るのかとこんのすけに文句を言ってみたものの、12月も下旬となれば年越しも間近、月末と年末が重なって忙しくなるのはしょうがないと押し切られてしまった。
     この日程で出張が入って、しかも現地に同行してくれだなんて、人間の恋びとが相手なら申し訳なくてとても切り出せないところなのだが。
    「わかりました。お上の御用となると、宿もあちらで手配されているのでしょうね」
     現代のイベントにさしたる思い入れを持たない刀剣男士の五月雨江はあっさりと承諾してくれた。
    「あ、ありがとう。二日もかかってしまうぶんホテルはいい部屋を用意してくれるそうだし、夜景を楽しむくらいの時間はあるはずだよ」
     彼らにとっては特別な意味のない日とはいうものの、それにつけこんで面倒な仕事を押しつけた罪悪感はぬぐえない。
     季語を大切にする五月雨にとって、初めて迎える師走の景色は何もかもが新鮮で楽しいものだろうに。そんな季節に、刀だったころの思い出も特にないイベント真っ盛りの現世へ連れ出すのはどうにも気が引ける。
    「一泊のみとは少々さびしいですが、荷物は少なくてすみそうですね。支度はお任せ下さい」
     ふと、五月雨の声がずいぶんと弾んでいるのに気がつく。
    「あの、五月雨くん。もしかして今回のお泊まり、楽しみにしてくれているのかな」
     恐る恐る尋ねる主に勢い込んだ答えが返ってくる。
    「もちろんです。祭事に沸き立つ現世の景色を前にすれば、きっとたくさんの句が詠めることでしょう」
     忍びとしての心得なのか、普段ほとんど己の感情を表に出すことがない五月雨はしかし、季語を感じられる場面を前にするととたんに声を浮き立たせる。
     万屋までの道中など、ほんのわずかな外出にも笑みをおさえられない素直さが、何よりも雄弁に今の彼の心を教えてくれている。
    「そう言えば、親しい相手に贈り物をする日だと歳時記にはありましたね。だとすればこれは、頭から私への贈り物と考えてもよろしいのでしょうか」
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    DONE主刀(さに←ちょも)
    南泉をそえて
    「すまない、少しいいか?」
    「にゃっ!?」
    久しぶりの非番はごろごろするに限る。そんな信念を持って自室でのんびり過ごしていると、甘さを含んだ低い声に部屋の外から呼び掛けられた。声に覚えがありすぎる南泉は悲鳴をあげて飛び上がる。
    一家のお頭である山鳥毛にだらしない姿を見せるわけにもいかない。畳へ出していたものを押し入れに放り込むと、平静さを装って部屋へ招き入れる。
    「非番の日にすまんな。少し相談があるのだが……」
    「お頭が、相談……?」
    「ああ、小鳥と先日話をした時なんだが……。彼が、私と一緒に酒を呑みたいなどと可愛らしい事を言ってくれてな」
    「はあ……」
    「その為の酒器を探しているのだが、品揃えの良さに見れば見るほど悩んでしまっているんだ。少々困ってしまってな」
    そう言って広げられた万屋のカタログを見た南泉は全身の毛が逆立つような気持ちにさせられた。
    カタログの装丁からして違うとは思っていたが、どう見ても日用品とは思えない。人間国宝やら有名な工房の受注品ばかりだ。その品々の金額は、南泉が万屋などで買い物をする時に見たことのない価格帯のものばかりだ。国宝や重文の刀も数多くある一文字一家で 825

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    PAST主こりゅ(男審神者×小竜)
    主刀でうさぎのぬいぐるみに嫉妬する刀

    小竜視点で自分の代わりだと言われてずっと考えてくれるのは嬉しいけどやっぱり自分がいい小竜
    「ね、みてこれ! 小竜のが出たんだよー」
    「へーえ……」
    我ながら冷めきった声だった。
    遠征帰りの俺に主が見せてきたのは俺の髪の色と同じ毛皮のうさぎのぬいぐるみだった。マントを羽織って足裏には刀紋まで入ってるから見れば小竜景光をイメージしてるってのはよくわかる。
    「小竜の代わりにしてたんだ」
    「そんなのより俺を呼びなよ」
    「んー、でも出かけてていない時とかこれ見て小竜のこと考えてるんだ」
    不覚にも悪い気はしないけどやっぱり自分がそばにいたい。そのくらいにはこの主のことをいいなと感じているというのに本人はまだにこにことうさぎを構ってる。
    今は遠征から帰ってきて実物が目の前にいるってのに。ましてやうさぎに頬ずりを始めた。面白くない。
    「ねぇそれ浮気だよ」
    「へ、んっ、ンンッ?!」
    顎を掴んで口を塞いだ。主の手からうさぎが落ちたのを横目で見ながらちゅっと音をさせてはなれるとキスに固まってた主がハッとしてキラキラした目で見上げてくる。……ちょっとうさぎが気に入らないからって焦りすぎた。厄介な雰囲気かも。
    「は……初めて小竜からしてくれた!」
    「そうだっけ?」
    「そうだよ! うわーびっくりした! 619

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    DONEらびこれ主刀(源氏兄弟)「──ねえ。主は、あれは買わないの?」
    髭切の伸ばした指の先を見れば、カラフルなうさぎたちが万屋のショーウィンドウに綺麗に並べられている所だった。
    「あぁ、あれかあ。俺は買う予定はないよ」
    「そうなのか?君は我らを模したものへは財布の紐が緩くなって、すぐに購入するではないか」
    隣を歩いていた膝丸はそう言ってくるが、財布やパスケースなんて実用品ならともかく、可愛いうさぎを飾っても置きっぱなしになるのが目に見えている。
    彼らも自分たちを模したぬいぐるみが埃をかぶっているのは嫌だろう。まあ俺の部屋は、定期的に掃除をしてくれる優しい刀がたくさん居ているのでその心配はないだろうけど。
    そう思ったら、飾るのもちょっといいかもしれないと思ったので二人に尋ねてみる。すると、二人は同じタイミングで目を瞬かせるとゆっくりと口を開いた。
    「いらないよ」
    普段よりもずいぶんと低い声で髭切が言う。
    「あぁ、そうだな兄者。いらんな」
    対照的にいつもよりも柔らかな声で膝丸が同意した。
    にこりと同じ角度で首をかしげて微笑む兄弟は美しい、しかし背後に何かを感じ取れてしまう。
    「あ、はい……」
    大人しく頷いた俺の腕を髭切 626

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    DONEらびこれ主刀(山鳥毛)「小鳥、これを」
    恋刀である山鳥毛が、艶のある声と共に差し出してきたのはうさぎのぬいぐるみだった。つぶらな赤い目が可愛らしい。
    ふわふわ具合のフォルムは手触りの良さが触らずとも分かるようだ。
    淡い光を閉じ込めた銀色のような毛と赤い目は、うさぎらしさにこれでもかと溢れている。
    けれど、そのふわもこボディにはかっちりとした渋い色合いのアイテムを身に付けていて、審神者はそこが気にかかった。見覚えのあるそれらは、どう見ても目の前の刀のものとそっくりにしか見えない。
    「山鳥毛、これって……」
    「ああ、私を模した兎、とのことだ。なかなかの出来だと思う」
    「あ、うん。それは俺もそう思う。かわいかっこいいって感じで」
    「……そうか。小鳥が気に入ってくれて安心した。ありがとう」
    「え、あ、どういたしまして……?」
    はにかむ美貌を間近に浴びてくらりとする。
    審神者は目の端に星が散っている気持ちになりながら、気になったことを聞いてみる。
    「というか、なんで俺にこれを……?」
    審神者は数年前に大学を卒業した成人した青年だ。
    刀である山鳥毛よりも若いとはいえ、このように可愛らしいものは年齢一桁代以降は持ったこと 896