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    Norskskogkatta

    @Norskskogkatta

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    Norskskogkatta

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    主肥/さにひぜ(男審神者×肥前)
    主刀でうさぎのぬいぐるみに嫉妬する刀

    おじさん審神者がうさぎのぬいぐるみに向かって好きっていってるのを目撃した肥前

    #主刀
    mainBlade
    #主肥
    mainFat
    #さにひぜ
    #らびこれ主刀
    rabi-kouzu

    とうとう買ってしまった。刀剣男士をイメージして作られているといううさぎのぬいぐるみの、恋仲と同じ濃茶色に鮮やかな赤色が入った毛並みのものが手の中にある。
    「ううん、この年で買うにはいささか可愛すぎるが……」
    どうして手にしたかというと、恋仲になってからきちんと好意を伝えることが気恥ずかしくておろそかになっていやしないか不安になったのだ。親子ほども年が離れて見える彼に好きだというのがどうしてもためらわれてしまって、それではいけないとその練習のために買った。
    「いつまでもうだうだしてても仕方ない」
    意を決してうさぎに向かって好きだよという傍から見れば恥ずかしい練習をしていると、がたんと背後で音がした。振り返ると目を見開いた肥前くんがいた。
    「……邪魔したな」
    「ま、待っておくれ!」
    肥前くんに見られてしまった。くるっと回れ右して去って行こうとする赤いパーカーの腕をとっさに掴んで引き寄せようとした。けれども彼の脚はその場に根が張ったようにピクリとも動かない。
    「なんだよ。人斬りの刀には飽きたんだろ。その畜生とよろしくやってれば良い」
    「うっ……いや、でもこれはちがうんだよ」
    「何が違うってんだよ。そいつが気に入ったんだろ。いいんじゃねぇか。俺みたいに口も悪くねぇ、愛嬌もある。愛でるには十分なんじゃねぇか。あんたを守ることは出来ねぇだろうがそいつは俺たちがやりゃいいだけだ」
    いつになく饒舌な肥前くんはこちらをみてくれない。
    「……離せよ、切るぞ」
    わざと遠ざけようとする言い方に思考よりも先に言葉が飛び出た。
    「これは君に言うための練習で買ったんだ……っ」
    「……は?」
    ようやくこっちを見てくれた。けど何を言ってるか全くわかっていない顔で睨めつけられてしまう。
    「あー……最初からちゃんと言え」
    「うっ、そうだね……その、肥前くんにす、好きですよって言う練習をですね……」
    いい歳をしてしょぼくれながらみっともないことを言ってしまった。自分の不甲斐なさに萎れていると肥前くんが静かなことに気がつく。とうとう愛想を尽かされてしまったかなと顔を上げると真っ赤な肥前くんがいた。
    「肥前くん?」
    「ば、ばっかじゃねーか!?」
    「はは、やっぱりそうだよねぇ……」
    「……俺に言わなきゃ練習になんねーだろうが」
    「うん? 何か言ったかい」
    「なんでもねーよ!」
    出て行こうとしていた肥前くんが部屋の中へとやってくる。帰るのはやめてくれたのかなと解決していない問題を棚上げにして、隣に座る肥前くんとお喋りすることにした。
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    Norskskogkatta

    Valentine主くり♂くり♀のほのぼのバレンタイン
    料理下手なくり♀が頑張ったけど…な話
    バレンタインに主にチョコ作ろうとしたけどお料理できないひろちゃんなので失敗続きでちょっと涙目で悔しそうにしてるのを見てどうしたものかと思案し主に相談して食後のデザートにチョコフォンデュする主くり♂くり♀
    チョコレートフォンデュ一人と二振りしかいない小さな本丸の、一般家庭ほどの広さの厨にちょっとした焦げ臭さが漂っている。
    執務室にいた一振り目の大倶利伽羅が小火になってやいないかと確認しにくると、とりあえず火はついていない。それから台所のそばで項垂れている後ろ姿に近寄る。二振り目である妹分の手元を覗き込めば、そこには焼き色を通り越して真っ黒な炭と化した何かが握られていた。
    「……またか」
    「…………」
    同年代くらいの少女の姿をした同位体は黙り込んだままだ。二振り目である廣光の手の中には審神者に作ろうとしていたチョコレートカップケーキになるはずのものがあった。
    この本丸の二振り目の大倶利伽羅である廣光は料理が壊滅的なのである。女体化で顕現したことが起因しているかもしれないと大倶利伽羅たちは考えているが、お互いに言及したことはない。
    2051

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    いなばリチウム

    DONEhttps://poipiku.com/594323/6821639.html
    この二人。くっついた後。
    https://twitter.com/inaba_hondego/status/1535233451342696448?s=20&t=iXXV6Tj16FvelFbYmuw40A
    ↑要約
    いなばさんとこの肥前くんはミュ肥前にどういう反応しますか?って聞かれた時のやつです!
    歌って踊れる肥前忠広なんていませんが? 広報活動の一環で行われている、刀剣男士たちによるライブ活動がある。他所の、それもやや特殊な本丸事情とはいえ、収益だとか、それによる審神者数の増加などはある程度まとめられ、データは広報活動による成果として全審神者に共有される。その中には、実際のライブ映像もあった。
     話を聞いた当初は、そんな広報活動ってあり? という空気だったものの、効果はあるようで、確かにライブを定期的に行うようになった年から新たに就任した審神者の数は右肩上がりだ。とは言え、故意なのか集計不足なのか、引退数については明記されてないので、効果というのはどこまで信じたものやら、という声もある。ただ、自分の本丸にもいる刀剣男士達と全く同じ姿形をした刀達が、アイドルのような衣装を着て歌ったり踊ったりする姿は不思議な感覚がありつつも、見ていて楽しいものだった。刀剣男士本人たちにも好評だと聞いたので、最近では他の本丸でそうしているように、ライブ映像は各自が至急されている自分の端末から見られるように設定してある。今日も、最近行われたライブ映像データを審神者が使用している薄型電子端末に保存し、刀剣男士達の端末からアクセス可能にしたところだった。全員へ簡単に連絡を済ませ、いそいそとデータを開く。今までも本丸にいる男士と同じ刀がライブ映像に出てくることはあったし、それを本人と見たりもしたが、今回は恋仲である一振りの別個体が出ているのでいつもよりも緊張した。後ろめたいわけではないが、そっとイヤホンを耳にさして音漏れしていないかどうかを確認してから、そっと再生ボタンを押す。
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    Norskskogkatta

    PAST主肥/さにひぜ(男審神者×肥前)
    主刀でうさぎのぬいぐるみに嫉妬する刀

    おじさん審神者がうさぎのぬいぐるみに向かって好きっていってるのを目撃した肥前
    とうとう買ってしまった。刀剣男士をイメージして作られているといううさぎのぬいぐるみの、恋仲と同じ濃茶色に鮮やかな赤色が入った毛並みのものが手の中にある。
    「ううん、この年で買うにはいささか可愛すぎるが……」
    どうして手にしたかというと、恋仲になってからきちんと好意を伝えることが気恥ずかしくておろそかになっていやしないか不安になったのだ。親子ほども年が離れて見える彼に好きだというのがどうしてもためらわれてしまって、それではいけないとその練習のために買った。
    「いつまでもうだうだしてても仕方ない」
    意を決してうさぎに向かって好きだよという傍から見れば恥ずかしい練習をしていると、がたんと背後で音がした。振り返ると目を見開いた肥前くんがいた。
    「……邪魔したな」
    「ま、待っておくれ!」
    肥前くんに見られてしまった。くるっと回れ右して去って行こうとする赤いパーカーの腕をとっさに掴んで引き寄せようとした。けれども彼の脚はその場に根が張ったようにピクリとも動かない。
    「なんだよ。人斬りの刀には飽きたんだろ。その畜生とよろしくやってれば良い」
    「うっ……いや、でもこれはちがうんだよ」
    「何が違うってん 1061

    いなばリチウム

    DONE主肥だけど主肥未満のような。
    https://poipiku.com/594323/6821639.html
    ↑これの二人。まだデキてない。
    元ツイ⇒https://twitter.com/mob__178/status/1530166495048654848?s=20&t=UJpK7xz1Hwh4phyVPzoD8g
    気付いたら背負い投げされてた審神者と肥前君の主肥刀剣男士は主を傷つけない。
    刀剣男士は人間より強い。
    けれども主には逆らわない。
    逆らえないのではなく、逆らわない。
    殺せないのではなく、殺さない。(主本人が命じればまた話は別だが、この本丸には関係のない話だ)

    刀剣男士が本気になればただの人間である審神者は手も足も出ない。
    押し倒すことも、肌に触れることも、それ以上をすることもできない。
    刀剣男士はその力を行使して拒むことが出来る。
    ほとんどの場合そうしないのは、主であるから、というのが大きい。
    それほどまでに、刀剣男士にとっての”主”は深い意味を持っている。


     つまり、肥前が審神者を背負い投げで襖に投げつけてしまったのは不幸な事故だった。

    「ッ、あ……!」
     やっちまった、と思う。いつも、思った時には手遅れだった。ただ、そのまま床に叩きつけそうになったところを、背負った時点でどうにか方向転換したので、それほど痛みを与える結果にはならなかったはずだ。ならなかったと思いたいが、審神者が吹っ飛んでいった先の襖は、当然その重みと勢いに耐えきれず審神者の体と一緒に廊下に倒れてしまったし、物音を聞き付けて数振りが「なんだなんだ」と駆けつけたので手遅れという事実は変わらなかった。
    2697

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    Lupinus

    DONE男審神者×五月雨江(主さみ)の12/24
    つきあってる設定の主さみ クリスマスに現世出張が入った話 なんということもない全年齢
    「冬の季語ですね」
    「あっ、知ってるんだね」
    「はい、歳時記に記載がありましたので。もっとも、実際にこの目で見たことはありませんが」
    「そうだよね、日本で広まったのは二十世紀になったころだし」
     さすがに刀剣男士にとってはなじみのない行事らしい。本丸でも特にその日を祝う習慣はないから、何をするかもよくは知らないだろう。
     これならば、あいにくの日取りを気にすることなくイレギュラーな仕事を頼めそうだ。
    「えぇとね、五月雨くん。実はその24日と25日なんだけど、ちょっと泊まりがけで政府に顔を出さないといけなくなってしまったんだ。近侍のあなたにも、いっしょに来てもらうことになるのだけど」
     なぜこんな日に本丸を離れる用事が入るのかとこんのすけに文句を言ってみたものの、12月も下旬となれば年越しも間近、月末と年末が重なって忙しくなるのはしょうがないと押し切られてしまった。
     この日程で出張が入って、しかも現地に同行してくれだなんて、人間の恋びとが相手なら申し訳なくてとても切り出せないところなのだが。
    「わかりました。お上の御用となると、宿もあちらで手配されているのでしょうね」
     現代のイベント 1136

    Norskskogkatta

    PAST主くり編/近侍のおしごと
    主刀でうさぎのぬいぐるみに嫉妬する刀
    主の部屋に茶色いうさぎが居座るようになった。
    「なんだこれは」
    「うさぎのぬいぐるみだって」
    「なんでここにある」
    「いや、大倶利伽羅のもあるっていうからつい買っちゃった」
    照れくさそうに頬をかく主はまたうさぎに視線を落とした。その視線が、表情が、それに向けられるのが腹立たしい。
    「やっぱ変かな」
    変とかそういう問題ではない。ここは審神者の部屋ではなく主の私室。俺以外はほとんど入ることのない部屋で、俺がいない時にもこいつは主のそばにいることになる。
    そして、俺の以内間に愛おしげな顔をただの綿がはいった動きもしない、しゃべれもしない相手に向けているのかと考えると腹の奥がごうごうと燃えさかる気分だった。
    奥歯からぎり、と音がなって気づけばうさぎをひっ掴んで投げようとしていた。
    「こら! ものは大事に扱いなさい」
    「あんたは俺を蔑ろにするのにか!」
    あんたがそれを言うのかとそのまま問い詰めたかった。けれどこれ以上なにか不興をかって遠ざけられるのは嫌で唇を噛む。
    ぽかんと間抜けな表情をする主にやり場のない衝動が綿を握りしめさせた。
    俺が必要以上な会話を好まないのは主も知っているし無理に話そうと 1308

    Norskskogkatta

    PAST主くり編/支部連載シリーズのふたり
    主刀でうさぎのぬいぐるみに嫉妬する刀
    審神者視点で自己完結しようとする大倶利伽羅が可愛くて仕方ない話
    刺し違えんとばかりに本性と違わぬ鋭い視線で可愛らしいうさぎのぬいぐるみを睨みつけるのは側からみれば仇を目の前にした復讐者のようだと思った。
    ちょっとしたいたずら心でうさぎにキスするフリをすると一気に腹を立てた大倶利伽羅にむしりとられてしまった。
    「あんたは!」
    激昂してなにかを言いかけた大倶利伽羅はしかしそれ以上続けることはなく、押し黙ってしまう。
    それからじわ、と金色が滲んできて、嗚呼やっぱりと笑ってしまう。
    「なにがおかしい……いや、おかしいんだろうな、刀があんたが愛でようとしている物に突っかかるのは」
    またそうやって自己完結しようとする。
    手を引っ張って引き倒しても大倶利伽羅はまだうさぎを握りしめている。
    ゆらゆら揺れながら細く睨みつけてくる金色がたまらない。どれだけ俺のことが好きなんだと衝動のまま覆いかぶさって唇を押し付けても引きむすんだまま頑なだ。畳に押し付けた手でうさぎを掴んだままの大倶利伽羅の手首を引っ掻く。
    「ぅんっ! ん、んっ、ふ、ぅ…っ」
    小さく跳ねて力の抜けたところにうさぎと大倶利伽羅の手のひらの間に滑り込ませて指を絡めて握りしめる。
    それでもまだ唇は閉じたままだ 639

    Norskskogkatta

    PAST主くり
    リクエスト企画で書いたもの
    ちいさい主に気に入られてなんだかんだいいながら面倒を見てたら、成長後押せ押せでくる主にたじたじになる大倶利伽羅
    とたとたとた、と軽い足音に微睡んでいた意識が浮上する。これから来るであろう小さな嵐を思って知らずため息が出た。
    枕がわりにしていた座布団から頭を持ち上げたのと勢いよく部屋の障子が開け放たれたのはほぼ同時で逃げ遅れたと悟ったときには腹部に衝撃が加わっていた。
    「から! りゅうみせて!」
    腹に乗り上げながらまあるい瞳を輝かせる男の子どもがこの本丸の審神者だ。
    「まず降りろ」
    「はーい」
    咎めるように低い声を出しても軽く調子で返事が返ってきた。
    狛犬のように行儀よく座った審神者に耳と尻尾の幻覚を見ながら身体を起こす。
    「勉強は終わったのか」
    「おわった! くにがからのところ行っていいっていった!」
    くにと言うのは初期刀の山姥切で、主の教育もしている。午前中は勉強の時間で午後からが審神者の仕事をするというのがこの本丸のあり方だった。
    この本丸に顕現してから何故だか懐かれ、暇があれば雛のように後を追われ、馴れ合うつもりはないと突き離してもうん!と元気よく返事をするだけでどこまでもついて来る。
    最初は隠れたりもしてみたが短刀かと言いたくなるほどの偵察であっさり見つかるのでただの徒労だった。
    大人し 1811

    Norskskogkatta

    PASTさに(→)←ちょも
    山鳥毛のピアスに目が行く審神者
    最近どうも気になることがある。気になることは突き詰めておきたい性分故か、見入ってしまっていた。
    「どうした、小鳥」
     一文字一家の長であるというこの刀は、顕現したばかりだが近侍としての能力全般に長けており気づけば持ち回りだった近侍の任が固定になった。
     一日の大半を一緒に過ごすようになって、つい目を引かれてしまうようになったのはいつからだったか。特に隠すことでもないので、問いかけに応えることにした。
    「ピアスが気になって」
    「この巣には装飾品を身につけているものは少なくないと思うが」
     言われてみれば確かにと気づく。80振りを越えた本丸内では趣向を凝らした戦装束をまとって顕現される。その中には当然のように現代の装飾品を身につけている刀もいて、大分親しみやすい形でいるのだなと妙に感心した記憶がある。たまにやれ片方落としただの金具が壊れただのというちょっとした騒動が起こることがあるのだが、それはまあおいておく。
     さて、ではなぜ山鳥毛にかぎってやたらと気になるのかと首を傾げていると、ずいと身を乗り出し耳元でささやかれた。
    「小鳥は私のことが気になっているのかな?」
    「あー……?」
    ちょっと 1374

    Norskskogkatta

    PASTさにちょも

    審神者の疲労具合を察知して膝枕してくれるちょもさん
    飄々としてい人を食ったような言動をする。この本丸の審神者は言ってしまえば善人とは言えない性格だった。
    「小鳥、少しいいか」
    「なに」
     端末から目を離さず返事をする審神者に仕方が無いと肩をすくめ、山鳥毛は強硬手段に出ることにした。
    「うお!?」
     抱き寄せ、畳の上に投げ出した太股の上に審神者の頭をのせる。ポカリと口を開けて間抜け面をさらす様に珍しさを感じ、少しの優越感に浸る。
    「顔色が悪い。少し休んだ方がいいと思うぞ」
    「……今まで誰にも気づかれなかったんだが」
     そうだろうなと知らずうちにため息が出た。
     山鳥毛がこの本丸にやってくるまで近侍は持ち回りでこなし、新入りが来れば教育期間として一定期間近侍を務める。だからこそほとんどのものが端末の取り扱いなどに不自由はしていないのだが、そのかわりに審神者の体調の変化に気づけるものは少ない。
    「長く見ていれば小鳥の疲労具合なども見抜けるようにはなるさ」 
     サングラスを外しささやくと、観念したように長く息を吐き出した審神者がぐりぐりと後頭部を太股に押しつける。こそばゆい思いをしながらも動かずに観察すると、審神者の眉間に皺が寄っている。
    「や 1357

    Norskskogkatta

    MOURNING主くり

    共寝した次の日の寒い朝のおじさま審神者と大倶利伽羅
    寒椿と紅の花
     
     ひゅるり、首元に吹き込んだ冷気にぶるりと肩が震えた。腕を伸ばすと隣にあるはずの高すぎない体温が近くにない。一気に覚醒し布団を跳ね上げると、主がすでに起き上がって障子を開けていた。
    「あぁ、起こしてしまったかな」
    「……寒い」
    「冬の景趣にしてみたのですよ」
     寝間着代わりの袖に手を隠しながら、庭を眺め始めた主の背に羽織をかける。ありがとうと言うその隣に並ぶといつの間にやら椿が庭を賑わせ、それに雪が積もっていた。
     ひやりとする空気になんとなしに息を吐くと白くなって消えていく。寒さが目に見えるようで、背中が丸くなる。
    「なぜ冬の景趣にしたんだ」
    「せっかく皆が頑張ってくれた成果ですし、やはり季節は大事にしないとと思いまして」
     でもやっぱりさむいですね、と笑いながらも腕を組んだままなのが気にくわない。遠征や内番の成果を尊重するのもいいが、それよりも気にかけるべきところはあるだろうに。
    「寒いなら変えればいいだろう」
    「寒椿、お気に召しませんでしたか?」
     なにもわかっていない主が首をかしげる。鼻も赤くなり始めているくせに自発的に変える気はないようだ。
     ひとつ大きく息 1374

    Norskskogkatta

    MOURNINGさにちょも
    ちょもさんが女体化したけど動じない主と前例があると知ってちょっと勘ぐるちょもさん
    滅茶苦茶短い
    「おお、美人じゃん」
    「呑気だな、君は……」

     ある日、目覚めたら女の形になっていた。

    「まぁ、初めてじゃないしな。これまでも何振りか女になってるし、毎回ちゃんと戻ってるし」
    「ほう」

     気にすんな、といつものように書類に視線を落とした主に、地面を震わせるような声が出た。身体が変化して、それが戻ったことを実際に確認したのだろうかと考えが巡ってしまったのだ。

    「変な勘ぐりすんなよ」
    「変とは?」
    「いくら男所帯だからって女になった奴に手出したりなんかしてねーよ。だから殺気出して睨んでくんな」

     そこまで言われてしまえば渋々でも引き下がるしかない。以前初期刀からも山鳥毛が来るまでどの刀とも懇ろな関係になってはいないと聞いている。
     それにしても、やけにあっさりしていて面白くない。主が言ったように、人の美醜には詳しくはないがそこそこな見目だと思ったのだ。

    「あぁでも今回は別な」
    「何が別なんだ」
    「今晩はお前に手を出すってこと。隅々まで可愛がらせてくれよ」

     折角だからなと頬杖をつきながらにやりとこちらを見る主に、できたばかりの腹の奥が疼いた。たった一言で舞い上がってしまったこ 530

    Norskskogkatta

    MOURNING主くり
    支部のシリーズに出てくるふたりのその後
    煙草じゃなくて


     昼食も終わり、午後の仕事を始める前の煙草休憩。再び癖となってしまったことに蜂須賀は顔を顰めたが、すまないとだけ言っている。
     まあ、目的は単に紫煙を揺らすだけではないのだが。
    「またここに居たのか」
    「タバコ休憩な」
     玉砂利を踏み締める音を立ててやってきたのは大倶利伽羅だ。指に挟んだ物をみせるとあからさまに機嫌が悪くなる。それがちょっと可愛く思えてどうにもやめられずにいる。
     隣に並んだ大倶利伽羅をみて刀剣男士に副流煙とか影響するのだろうかと頭の片隅で考えながらも携帯灰皿に捨ててしまう。そうするまでじっとこちらを見ているのだ。
     しっかりと見届けてふん、と鼻を鳴らすのが可愛く見える。さて今日はなにを話そうか、ぼんやりしているとがっしりと後頭部を掴まれる。覚えのある動作にひくりと頬が引きつった。
    「ちょっ、と待った」
    「なんだ」
     気づけば近距離で対面している大倶利伽羅に手のひらを翳して動きを止める。指の隙間から金色とかち合う。普段は滅多に視線を合わせやしないのに、こういうときだけまっすぐこちらを見てくる。
    「お前なにするつもりだ」
    「……嫌なのか」
     途端に子犬 910