何て返事をしたのかは内緒「名案を思い付いたんですが」
「(……多分とんでもないことなんだろーな」
「(多分とんでもねぇことなんだろうな……)」
「心情的にも身体的にも性交渉が可能であることは判明した訳ですし、後は俺が迷宮品か何かで性転換さえすれば、自分で跡継ぎを産めるのではないかと」
「うわ想像の5倍とんでもなかった」
「こっちの予想超えてくんのやめろ」
「だってほら……二人共、家庭を持つのには向いて無さそうじゃないですか?」
「あー……まァー、全っ然ソーゾー出来ないけど」
「お前も大概だけどな」
「でも、二人の遺伝子を後世に残さないのはかなり勿体無いと思うんですよね。……それならいっそもう、俺が貰っておこうかなって」
「細胞レベルで狙ってくんな」
「ひどいリーダー、俺達のコト、身体目当てだったのねー」
「くねんな、ウゼぇ」
「安心して下さいイレヴン……心も身体も、全て受け止めますから」
「うーわかっけェ」
「つか普通に問題あんだろ、お貴族様」
「……?問題?」
「政略結婚、する必要あんじゃねぇの」
「そそ、俺達こっちでもそっちでもシャクイ?も地位も無ェーけど」
「ああ……――まあ盤石な立場を得る、または保つ為に、婚姻による他家との結び着きが必要な地位だったなら、色々と難しかったかもしれませんが」
「……が?」
「公爵(五爵の第一位)、なので」
「……ああ」
「敵もヘツラウ相手もなしってね」
「……そもそもいいのかよ、女になって」
「そこは別に。元から女性だったなら別ですが、もう家は継いでますし、仕事にも大した支障はないでしょう。妊娠出産前後に休む必要があるとしても、幸い今回のことで俺がしばらく留守にしたところで国政にさして問題のないことは判明しましたし」
「潔さハンパねぇー」
「なので二人共、安心して婿入りして下さい。身一つで来てくれれば、必ず幸せにしてあげます」
「……やっべニィサン、俺達がパパにされちゃう」
「その言い方やめろ」
「ふふ……イレヴンによく似た女の子とか、きっと可愛いでんしょうね」
「中身もコイツだったら最悪だけどな」
「ひっで。…………あー、でもリーダーの頭と性格でフィジカルがニィサンな男とか、もうマジ敵なしってか、普通にヤバそう」
「あ、いいですねそれ。世界征服も夢じゃなさそうで」
「ニィサーン……リーダーが魔王みたいな事言い出した」
「……マジでやりそうなのがな」
「冗談ですよ」
「冗談に聞こえねぇんだよ」
「とりあえず、二人くらい産んでおけばどっちかは継いでくれますかね」
「でもさ、俺らの子供だし?どっちもやだっつったらどうすんの?」
「……ああ、なるほど……なら、やっぱり――」
「(お、考え直す?)」
「(考え直すか……)」
「――ん、やっぱり4,5人は産んで置いた方が良さそうですね」
「うーわかっけェ」
「……ほんとブレねぇよな」
「なのでジル、イレヴン――たくさん、励んで下さいね?」