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    bksinto

    @bksinto

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    bksinto

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    素敵な歴史ロマンを聞いても脳がお腐れなのでどうしてもこういう変換をしてしまう。

    地中の揺籃 ――周囲は最後の最後まで、考え直す気はないかと尋ねてきた。
     それこそ、棺に釘を打つその直前までも。
     けれどもジルは、首を縦に振る気などさらさら無かった。
     事が決まるや速やかに身辺の整理を済ませ、後事の憂いは全て絶っている以上、もはや今生に未練など一つもないのだから。
    『……ほんと、意外と馬鹿なんだよね。……知ってたケド』
     そう言った男は背を向けていた為、どんな表情していたのかは見えなかった。
     とりあえず言葉そのものは否定が出来なかった為に、甘んじて受け取ったけれど。
     ――そんな自身の取った行動に、そしてじきに訪れるであろう結果に対し、恐怖は一切なかった。
     強いて言えば、棺が閉じられて地中へ収まり土が被せられた直後、視界が失せた瞬間に僅かな心許なさを覚えたくらいか。
     だがそれも、決して暗闇が恐ろしい訳ではなかった。
     隣で眠る姿が見えない、それが彼を喪失した瞬間そのものを彷彿させたからで――まあそれも、暗さに目が慣れさえすればすぐに払拭されたのだが。
    (……文句、言われんだろな……)
     闇で満ちた狭い棺の中、ジルはそっと隣で眠るリゼルの頬へ指を伸ばす――その、以前はあった温もりが失われ、凍えるほどに冷たい肌。
     形のいい唇も、胸の上で組まれた指も、全ての時が閉ざされた痩躯。
    (……けど、……)
     実際ジル自身、呆れてはいたし、愚かだとも思っている。
     けれどこの瞳が自身へ向けられず、この唇が自身の名を紡がない――そんな世界で生きるなど、とても耐えられなかった。
     耐えたくも、なかった。
     棺内の空気など薄いもの。
     そう時間もかからずに全てが失せ、同時に自身の命も潰えるのだろう。
     彼の傍へ寄り添って、眠るように、痛みもなく――それはむしろ、幸いな事とすら思った。
     既にもう、自身へ差し迫る死よりも恐ろしいものを知っているから。
    (…………早く、連れてけ)
     宝石のようなアメジストが瞼で遮られ、永遠に閉ざされた――あの瞬間。
     あれほどの絶望感と、喪失感と、竜の爪に裂かれるよりも鋭利な痛みなど、恐らく存在しない。
     ――だから、共に。
     不帰路でさえも、彼を守れるように。

     ――……君は本当に、仕方のない人ですね。

     ふと、徐々に朧になっていく意識の中で、リゼルの声が聞こえた。
     少しだけ咎めるような、それでいて僅かに呆れたような――そしてどこか、くすぐったそうな声で。
     幻聴か、それとも。
     知らず、口元には苦笑いが浮かんだ。
     そんなもの――。



    「……置いてったお前が悪い」






    +++



     とかとかこういうーーー……??。
     あまりにもすぐ追いかけてきた一刀氏に対し、

    「俺がいなくなった後、皆がどんな風だったか教えて欲しかったのに」
    「それは他の奴に聞けば」

     みたいなやりとりするのかなとかとか。
     一刀はこれくらい重いことをしそうと言う偏見。
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