あとがき「淫霊退散」のあと、二度目があるとしたら──?
一度きりなら「間違い」で済ませられるかもしれない。
でも、二度目となれば、それはもう“選択”になる。
とはいえ、その選択をできるほど2人は素直なのか?と考えた結果この本ができました。
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銀時も桂も、「一人で抱え込むな」なんて言葉すら
まともに口にできないまま、不器用なやり方で
長い時間を過ごしてきたように思います。
描きたかったのは、
「向き合う」でもなく、「分かり合う」でもなく、
ただ同じ夜を、同じ孤独と痛みを抱えて過ごした二人の姿です。
どうしようもなく倒れそうになったとき、背中で支え合うように寄り添った――
そんな静かな夜を、形にしたいと思いました。
銀時は喪失に苦しむ桂を「全部俺のせいだ」と、自ら進んで背負うことで「贖罪の手段」とします。
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