銀高ss②放課後、コーヒーを飲みながら四つ。
帰る車の中で二つ。
帰宅して夕飯の用意をしながら一つ。
銀時はよく、間食をする。
「結構食べてたのに、腹、よく空くな。」
「んえ?」
「甘いもの。学校いた時から食べて、さっきも。それでよく夕飯食えるな。」
「あ〜〜。甘いものは別腹ってやつ?まあ普通に小腹が空いて摘んじゃうんだよね。」
「ふぅん。」
「あ、ご飯おかわりください。」
まだ食べるのか。本日の夕飯はサラダと味噌汁と揚げ物と唐揚げ。銀八お手製の料理は今日も腹を満足させてくれるけど、大きめの唐揚げなんて3つも食べれば自分は十分だ。こっちはご飯だって気持ち控えめにしたのに。
間食もしたのに米のおかわりを要求してきた銀八の腹の容量に感心する。
確かに仕事で色々と頭を使うだろうし、糖分は必要だろう。でも、ちょっと食べ過ぎではないかと思わない気もしない。体重計の数値にブツブツ言っている姿は記憶に新しい。こいつは痩せる気とかあるんだろうか。
「おやつ食べすぎると太るぞ。」
この先銀八がもっとぶくぶく横に広がっていったらどうしよう。中身はそのままだろうからまあ、いいけど……うーん、ちょっと…と突如微妙な感情を抱いてしまい、やや少なめによそった白米を渡してやる。
「ありがと。あと、高杉くんのおやつって言い方、かわいいね。」
「……。不健康だ。」
「あと、この後デザートも食べる予定だから。」
「は?まだ食べるのか?」
横に肥えた銀八の姿が今度こそ鮮明に思い浮かんで、血の気が引いていく気がした。
もちろん。と何も問題無さそうにいう銀八がゆっくり手を伸ばして、手の甲で俺の頬を撫でた。
「甘いものは、別腹だからね。」