(ワードパレット・堀清)ベッドのはしっこ(たぐり寄せる・距離・シーツ)「清光くん、この距離はなにかなあ」
怒っている、というほどではないけれど少々機嫌を損ねた声で堀川が聞いてくる。清光はたじろぎつつ、ゆるゆる視線をそちらに向けて返した。
くっつけた二組の布団、端っこにいる自分と真ん中の堀川。
「えっと……予防線……?」
「なんの予防線かなー」
しかし容赦なく詰め寄ってきた彼に抱えていた大きな枕を取り上げられてしまった。自分を遮るものがなくなってしまったことに不安を覚え、清光の眉が下がると、堀川もまた眉を下げてため息をついた。
「……あのね、清光くん。やらしいことする前に一緒に寝ることに慣れたいって言ったの君だよね」
「はい……」
「今日はその初日です。一緒に寝るだけだって言ってるのに、君はなんの予防線なんて欲しがってるの?」
1965