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    コナン・ドイル財団コラボ衣装を着たオルフェウス、ビクター、ホセ、リチャードが〇〇しないと出られない部屋に閉じ込められる話です。
    何でも許せる人向け。

     コナン・ドイル財団コラボ衣装に身を包んだオルフェウス、ビクター、ホセ、リチャードの4人は、扉や窓一つない部屋にいた。
     4人とも、つい先ほどまで試合をしていたのだが、突如としてこの空間に閉じ込められたのだ。
     壁には「セックスしないと出られない部屋」と書かれた貼り紙がある。
     思わず4人は顔を見合わせる。
     セックス。それがどういうものか全員知っているのに、まるで性交という存在を知らない子どものように、思考回路が停止してしまった。いや、脳が考えるのを拒否している。
    「私たちが……しなければならないというのか」
     最初に口を開いたのはオルフェウスだった。
    「そうは言っても……ここには男しかいないな」
     ホセも顔を引き攣らせる。
    『同性同士でも、できなくはないのでしょうが……』
    「私に考えがある」
     リチャードは真剣な表情だ。解読80族、コラボ料理にはエビフライを聳え立たせるリチャードには、何か案があるようだ。
    「あなたたち3人でやれば問題ないな」
    「ふざけるなよ!! 何で自分だけ無事でいようとしているんだ!」
    「そうですよ!! あなただけ無事なのはおかしい。平等にスターリングさんも含めて4Pしましょう!!」
    「いや、やらないで済む方法を考えようよ!」
     ホセのツッコミが止まらない。
    『まだ諦めるのは早いです。とりあえず、本当に出口がないのか調べてみませんか?』
    「そうだな」
     ホセは胸を撫で下ろす。まともな人物がいてよかった。
     4人は手分けして壁や床を調べた。しかし、どんなに念入りに探しても、出口は見つからなかった。
    「どうして……私たちが選ばれたんだろうな」
     ホセは肩を落としながら部屋の隅で嘆いた。
     部屋の中央には成人男性4人が横になれそうなほど大きなベッドが置かれているが、何となく嫌で、誰もベッドに腰掛けていない。
    『コナン・ドイル財団コラボの衣装を着ているから、とか?』
    「それにしても、男だけ閉じ込めるのは悪趣味だな。せめてデロスさんがいれば」
     その言葉を聞き、オルフェウスが掴み掛からんばかりの勢いでリチャードに詰め寄る。
    「何を言っているんですか!? 記者さんと、そういうことがしたいんですか!?」
    「彼女と寝たいわけではないが」
     リチャードは表情を変えることなく、オルフェウスに顔を向ける。
    「男同士でやるより、ずっといいだろう。デロスさんと寝るのは私でなくてもいい。オルフェウスさんだって、男と寝るより女性の方がーー」
    「あなたは、お姉さんという方がいながら、他の人と寝ると言うんですか!?」
     オルフェウスはリチャードの話を聞いていない。
    「でも、スターリングの話は一理あるな」
    「バーデンさん!?」
    「考えてみろ。ここにデロスがいれば、男同士でやらなくて済むんだ」
     その時、貼り紙の文字が変わった。
    「そこまで言うなら、あと1人連れてきます」
     4人の目の色が変わる。
     その1人には申し訳ないが、男同士のセックスを避けられるのかもしれないのだ。ホームズコラボの衣装を持つアリス、ウェンディ、アンーー。頼む、女性が来てくれ。
    「もし記者さんが来たなら、私がお相手しましょう」
     オルフェウスは上着を脱ぐ。やる気十分だ。
    「それでいい」
     ホセに続き、リチャードも頷く。
    「私たちは耳を塞いでいるし、目も瞑っておく」
    『セックスしないで済む解決策は探さないんですね……』
     直後、ラヴァーンの衣装を着たイソップが現れた。
    「ここは……?」
    「ああああああああああああ!!!!」
     3人は一斉に絶望の叫び声をあげた。ビクターも紙に悲鳴を書いている。
     男、しかも社交恐怖症のイソップ・カール!!
    「もう無理だ……私たちは、永遠にここから出られないのだ」
     全てを諦めたリチャードの脳裏に浮かんだのは、探し求めてやまない姫の姿だった。
    「姉上……」
    「諦めるのは早いですよ。皆で覚悟を決めて5Pすればいいんです」
     オルフェウスは全員が犠牲になる道を選びたいらしい。
     リチャードは力なく首を振る。
    「男と寝るくらいなら、私は死を選ぶ」
    「納棺が必要ですか?」
    「棺桶を出そうとするな」
     ホセはイソップを止める。
    「何で君は冷静なんだ?」
    「最期を迎えた旅人を送り届けるのが、僕の役目ですから」
     そこで、ふと、イソップは首を傾げる。
    「そういえば、ここはどこなんです?」
     ヴィクターは貼り紙を指差す。貼り紙に書かれている文章を見ても、イソップの表情は変わらない。
    「ああ。それなら簡単な解決策がありますよ」
     4人は弾かれたようにイソップの顔を見る。
    「オルフェウスさん。グランツさんの紙とペンを借りて、性交描写がある小説を書くのはどうでしょうか?」
    「!!!!」
     それだ。
     オルフェウスはビクターから紙とペンを借りると、物語を綴り始めた。
    「いけーっ! セックスしろ、セックス!!」
    「冒頭から致していることにしよう」
     ホセとリチャードの声援を受けながら、オルフェウスは濃厚なベッドシーンを書いていく。
    「もっと前戯をした方が良いのでは? その方が読者も興奮するだろう?」
    「冒頭から、と急かしたのはスターリングさんじゃないですか」
    「だが、せっかく書くなら良い作品にしたいだろう?」
     リチャードだけでなく、ホセも口を挟む。
    「正常位だけじゃなくて他の体位もしたらどうだ?」
    「そうですね。それでは、この体位はどうでしょう?」
     3人は各々の好みを出し合いながら、物語を作っていく。ビクターとイソップは少し離れた場所から、盛り上がっている3人を冷たい目で眺めていた。

     どれほどの時間が経っただろうか。ついに官能小説顔負けの物語が完成した。
    「できたぞ……!」
     その直後、辺りの景色が変わった。オルフェウスの目の前には、試合をしていたーー赤の教会のステージが広がっていた。
     戻ってこれたようだ。
    「よ……」
     体の底から安堵と喜びが込み上げてきて、オルフェウスは満面の笑みを浮かべる。
    「よかった……!」
     胸が、重荷を下ろしたように軽くなった。周囲には、ホセ、リチャード、ビクターもいる。全員無事に出られたのだ。
    『良かったです!』
    「ワン!」
     ビクターの足元にはウィックがいた。ポストマンの頼もしい相棒は、ステージでビクターの帰りを待っていたらしい。
    「やったなオルフェウス!」
    「一時はどうなることかと思ったが」
    「お知らせします」
     突如ステージ内にアナウンスが流れる。ナイチンゲールの声だ。
    「支障が出るほどの重大なバグが発生したので、試合は中止となりました。サバイバーの皆さんは、ゲートからお帰りください」
     アナウンスに従い、オルフェウスたちはゲートへ向かう。
    『カールさんも出られたんでしょうか?』
    「おそらく大丈夫だと思います。早く居館に戻って確かめてみましょう」

     4人が居館のエントランスホールに足を踏み入れると、アリスが駆け寄ってきた。
    「良かった! 皆さん無事だったんですね!」
    「記者さん」
     アリスは心配そうにオルフェウスたちの顔を見つめる。アリスが自分たちの身を案じてくれたことが、オルフェウスは嬉しかった。
    「大丈夫ですよ。何かお知らせでもあったんですか?」
    「皆さんが、突然試合中に姿を消したと連絡があって……。何故か、カールさんも行方不明になってしまうし」
     その時、2階のドアからイソップが出てきた。
     無音の友の姿を見て、ビクターは喜びを頬に浮かべた。
    『カールさんも無事に出られたんですね!』
     イソップは、微かに目を細めた。
    「はい。皆さんも、セックスしないと出られない部屋から脱出できたんですね」
     イソップの言葉に、空気が凍りついた。
    「え……」
     アリスの視線がイソップと4人の間を行き来する。
    「ま、まさか……」
    「誤解です記者さん」
    「誰と誰が……?」
     アリスは顎に手を当てて考え込んだ。
     やはり、ホームズとワトソンだろうか。探偵と助手……この二人は名コンビだ。しかし、ホームズとレストレードの組み合わせもあり得る。そして、ホームズとモリアーティの宿敵カップリングも十分にあり得る。
     一体どの組み合わせで……!?
    「盛り上がってましたもんね。オルフェウスさんにバーデンさん、スターリングさん」
    「3人で!?」
     オルフェウスとホセとリチャードは、言葉を失って立ち尽くした。訳を話そうにも、絶望のあまり声が出てこない。
    「じゃあ、僕は部屋に戻ります」
     イソップが去ると、エントランスホールには重苦しいほどの沈黙が降りた。
     アリスの視線を受けて、オルフェウスたちは誤解を解こうと必死に捲し立てる。
    「断じて違います! 私たちは何もしていない!!」
    「そうだ、2人犠牲者がいれば助かるところを、わざわざ3人でする訳ないだろう!」
    「姉上と閉じ込められたならまだしも、私が男と寝ることはないな」
     リチャードがすごい発言をしたことに、ビクター以外は気づかなかった。一緒に閉じ込められたのが姉だったら、リチャードは手を出したということだろうか。
    「皆さん、大丈夫です」
     アリスは優しい笑みを浮かべる。
    「何があったとしても、私は何も気にしませんから」
     アリスがオルフェウスたちの言葉を信じているのか、嘘だと思いながらも安心させようとしているだけなのか、彼女の表情からはわからない。
    「私たちは3Pなんてしていません!! ーーこの」
     オルフェウスは無我夢中で紙の束を突き出す。
    「性交描写のある話を書いて、出られたんです!」

     その後、我に返ったオルフェウスの叫び声が荘園中に響いた。
     

    おまけ
     数日後、アリスはエドガーの部屋を訪れていた。
     荘園では不定期で、オルフェウスやエドガーが作った同人誌の即売会が開かれる。最初はアリスも読むだけだった。しかし、最近では、アリスが文章を書き、エドガーが挿絵を描いた合同誌を出している。
    「どうですか?」
     オルフェウスたちがセックスしないと出られない部屋に閉じ込められた話を聞いてから、アリスは夢中で原稿と向き合った。
     アリスは、オルフェウスたちが身体を重ねたことはなかったのだろうと思っている。それでも、オルフェウスとホセ、リチャードが特殊な空間で盛り上がっていたという話を聞いてから、創作意欲が止まらないのだ。
     エドガーが原稿から顔を上げる。
    「でも、ビクターは混ぜなくていいわけ?」
    「え?」
    「ホームズといったらワトソン、みたいなところはあるでしょ。友人と宿敵に攻められるオルフェウスを見て、我慢できずにビクターも混ざるっていうのはどう?」
    「最高です! やっぱり4人の濃厚な交わりを書きましょう!」
     
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    rk_i2z

    DOODLEジェフリーがマーカスを協力狩りに誘う話。
    カップリング要素はありません。

    ※まだマーカスがランクマ解禁されていない時期に書きました。現時点でマーカスが協力狩りに参加できるか不明ですが、行ける前提で書きました。
    ※ジェフリーとマーカスの口調がよくわかっていないです。
     マーカスはジェフリーと共に、期間限定の星空の公共マップを訪れていた。
     空には見惚れるほどの満点の星が輝いていて、辺りには花火も打ち上がっている。
     幻想的な光景に、思わずマーカスも表情を緩めてしまう。
    「マーカス」
     呼びかけられ、マーカスはジェフリーに視線を移した。ジェフリーは空を見上げながら話を続ける。
    「俺も勝てるように、たくさん試合に行くよ。だから、いつか……」
     マーカスは無言で先を促す。
    「いつか、一緒に協力狩りに行こう」
     マーカスは咄嗟に答えることができなかった。協力狩りが、どういうものなのか知らない。
    「協力狩りとは、何だ?」
    「あれ? 知らないのか。協力狩りっていうのは、ハンターが2人、サバイバーが8人で行う試合だ。暗号機も普段の試合より多いし、ハンターもサバイバーもアイテムが買えたりと、少し特殊な試合らしい。俺も行ったことがないけど」
    1886

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