高杉がちゅーで誤魔化す話(督白)高杉の嫌いなところは星の数ほどあるけれど、最近とくにムカつくところがひとつある。
なにかあったら、すぐにキスして黙らせようとしてくるところだ。
喧嘩しそうになったときとか、自分の都合が悪くなったときとか、とにかくそういうときにキスしてくる。キスをすれば俺が大人しくなると思ってるところが、なにより腹が立つ。
呆れちまうだろ?あのスカした顔の鬼兵隊総督高杉晋助が、こんな小狡い手を使わないと俺を黙らせられないだなんて、とんだお笑い草だ。
少しだけ困ったように眉を下げて、さっきまで釣り上げていた目尻を情けなく下ろして。俺の腰を抱いて、キスしてくるんだ。
ムカつく。腹立つ。
そんなんなら、まだ手やら足やら出たほうがいい。罵倒して、殴りあっていたほうがずっとマシだ。
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