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    キタハル

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    キタハル

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    半伝 いいものがでかいのはいい事なので、縦に大きい良きものを、ちょっと横にも増やしてみた。でも多分すぐ戻っちゃう。拾った仔犬がでかくなる展開がヘキなので、設定資料で抜け忍時の身長は山田先生と同じくらいと書いてあってめちゃくちゃ興奮しました。まだ伸びてて最終的に178cmくらいになってほしい

    ##半伝
    #半伝

    人をダメにする半助(もちもちのすがた)「半助、なんだかちょっと太ったな」
    「えっ、本当ですか」
    言われて腹を押さえると、確かにお肉が付いている。ここ最近、なんとなく体が重いと思っていたのは、疲れのせいだけではなく、実際に重くなっていたらしい。
    思いつく原因といえば、いつもの学園長先生の思い付きのせいだ。またもや教科の授業が遅れまくった。ゆえに二週間くらい詰め込みで一年は組のよい子たちに教科の授業して、テストして採点して、授業の準備して、脳を働かせるために差し入れの甘いものを食べたりして、運動できていないままばたんきゅ〜で寝るという生活をしていたのだ。今までの人生で、太る、ということがなかったので、ちょっぴりショックである。それだけここが豊かで恵まれた、安全な環境だということかもしれないが。
    「まあ、あんたは若いんだし、ここ最近生活が荒れてただけで、すぐ元に戻るとは思うが。あんまり根を詰めすぎなさんな」
    「は、はい」
    「今回は、実技に関しては騒動の中での評価ができたからなぁ。なんか手伝えることがあったら言いなさいよ」
    「ありがとうございます、一応区切りはついたはずなので……、私が生活を戻すのを見張っていてもらえると助かります」
    頬を押さえると、頬の肉も多少増えている気がする。見た目でわかるくらいなので、結構全体的に贅肉が付いたのだろう。手伝ってもらうことは特にないが、せっかくなら頼みたいことならあった。
    「あの、ちょっとギュッと抱きしめてもいいですか?」
    「はい?」
    「人との触れ合いは心を満足させるといいます。ここで癒されておいて、明日からのダイエットへの気分転換をはかろうかと」
    「はあ……、まあ別に構わんが」
    軽く手を広げて受け入れ姿勢を取る山田先生に、遠慮なく抱きついて抱き込む。あれだけ強くてかっこいい山田先生が、抱きしめると自分の腕の中に収まってしまうのは、なんだか不思議でこそばゆい気持ちになる。背が高くなって得をした。山田家のみなさんに助けてもらった時には、山田先生とあまり目線が変わらなかった筈なのだが。それから栄養状態が改善され、忍術学園の教師になってからも食堂のおばちゃんの美味しいご飯ですくすく育ち、実はまだ身長が伸びているらしい。横に伸びるのは控えておきたいところだが。
    「はぁ〜、癒されます……」
    「半助」
    「はい」
    「なんかこれ……」
    背中を抱き返してくれている手が、するすると背中を探る。背中から腰、横腹を撫でられて、皮下脂肪をむにりとつままれる。
    「もちもちしてて、気持ちいいな」
    すり、と体を寄せられてドキリとする。艶のある黒髪が視界でさらりと揺れた。
    「いや、でも健康のためにも戻した方がいいな。太ってる忍者とか、教科担当にしても威厳がないし。休暇明けのしんべヱに説教するにも説得力に欠けるしな。となると、期間限定のもちもちかぁ」
    「あの、それでしたら今のうちに堪能しておくというのはいかがでしょう」
    生まれた下心のままに山田先生の腰を抱き寄せると、べしりと横腹を引っ叩かれた。ついた肉の分、いつもと音が違って不思議な気持ちだ。
    「重い男を上に乗っける趣味はないです、潰れる」
    はぁー、でもこの触り心地はなかなかいいなぁ、と抱きしめ直される。生殺しだ。あなた、潰れるようなヤワな体してないでしょう。絶対とっとと痩せてやる、と決意した。
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    キタハル

    DONE半伝 犬とか猫とかを拾ってきがちな伝と、犬相手に嫉妬しちゃう半が見たかった。山田家の獰猛なネコチャンに関する捏造を含みます。
    仔犬の半助、保護される「ははは、半助、そんなとこ舐めるな、全くもう、あっはっは」
    山田先生が「半助」に顔を舐められて、くすぐったそうに笑う。咎める言葉でありながら声音は楽しそうで、相手を本気で止めようとしているとは思い難い。人間の方の半助はムムウと頬を膨らませた。ここ数日の山田先生は、裏山で拾ってきた仔犬の半助にかかりきりだ。人間の半助の方はなかなか構ってもらえずに、ちょっぴりおかんむりなのである。

    事の顛末はこうだ。裏山の、おそらく生徒が掘ったであろう穴に、仔犬が落ちてキューキュー鳴いていた。そこに日課の朝ランニングをしている山田先生が通りかかった。そこは低学年生の実技でも使うような場所であるため、見目の愛らしい仔犬などが鳴いていては、生徒たちの気が散るのは火を見るより明らかだった。だから授業の邪魔にならぬよう、拾ってきたのだと山田先生は言う。山田先生はどこからか使っていない箱を持ってきて、ご自身の着古しの忍者装束を割いて底に敷き、仔犬をそこに入れた。私事なのに生物委員に任せきりにするわけにもいかないからと言い、それを山田・土井の職員部屋に持ち込む。手慣れた様子ではあるが、なんせ仔犬だ、手がかかる。食事の間隔も短く、食わせるのにも人の手がいる。山田先生の手からすり潰した残飯をおぼつかない様子で食べる仔犬は確かに愛らしい。甲斐甲斐しく仔犬の面倒をみる山田先生も、ご多用ではあるものの楽しそうだ。よく食べた、偉いぞ、可愛いなぁ。そう言って仔犬を撫でるのである。山田家に匿ってもらった時のことを思い出す。出していただいた食事がたいへんおいしく、遠慮も外聞もなくペロリと平らげた時も、感心した様子で鷹揚に褒めてくださったのだった。なんだか、気恥ずかしくて落ち着かない。
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