道祖子供扱い
「ふふかわいいね」
「……」
「君にもあんな時期があったんだよ覚えてる?」
「俺はあんなどんくささくなかったが?」
「ふ、そうかい
でも、うん、きみも大きくなったねぇ」
ぽんぽん、と頭を撫でられる。完全な子供扱いだ。俺を見る目があの頃から何も変わっていない。コイツに勝つために、コイツに見合う男になるために、努力したというのに。未だ0勝全敗、近所の子供と同じ扱い。
「子供扱いすんな」
「まだまだ可愛いままじゃない」
にこ、と笑うその顔に心臓を掴まれる感覚に陥る。言ってる事は大層ムカつくが顔は緩みきっていて笑うと破壊力が凄い。
そこで遊んでいた子供が晴明をぼーっと見つめている。顔が若干赤い。……落ちたな。可哀想に、ガキがこんなもの見たら初恋奪われるに決まってる。残念だったなマセガキ、コイツは俺の(になる予定)だ。俺は大人だからわざわざそれを言わないけど。
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