守が死んだ日神様との契約を打ち切ったのだと告げられたのは、彼が死ぬ前日だった。
普段通りに自身の愛する駄菓子屋で小さな常連たちと他愛ない会話をした後のこと、まるで言い忘れていた事を思い出したように彼はそう言ったのだ。
「そういや俺、明日死ぬんだわ」
いつもの冗談にしては重く、反するようにあっけらかんとした表情。彼が不死の身体だということとその体質を利用する立ち回りをしろとは、これまで何度も言われてきたし実際にその様にしていた。ずたずたにされた体が修復される様を眺めたこともあれば、途中で手を出して阻止したこともあった。そうしてその度に僕はこう思ったのだ。これは契約ではなく、生を冒涜する戒めだと。
「聞いてるか?」
「うん……ちょっと、信じられなくて」
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