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    オルテメです。酒場でテメがソロ姐にいろいろ喋っちゃう話。惚気話してるの、いいよな〜と思ってソロ姐に聞き役になってもらいました♪

    #オルテメ

    神官と副長、あるいは飼い主と番犬「オルトと籍をいれました」
    「…聞いてないんだけど?」
    「今、いいましたからね」
    しれっと神官は大事なことをかつての仲間、ソローネへと報告した。テメノスの左手にはキラリとシンプルな指輪がはまっている。
    「珍しく指輪なんてしてると思ったらそういうこと」
    「おや、流石ソローネくん。目敏いですね〜」
    「よく見てるでしょ?」
    ざわざわと賑やかなストームヘイルの酒場でテメノスとソローネは情報交換と互いの近況報告を兼ねて酒を呑み交わしていた。淡々とお互い冗談を交えながらの酒の席だったのだがテメノスからの爆弾発言に流石のソローネも呆れていた。
    「籍入れたって…テメノス結婚式とかはしてないの?他のみんなからそんなんあった、なんて聞いてないし…」
    「そんなもん、面倒じゃないですか。お金もかかるし」
    「あーらら、神官様がそんな発言したら世の中の結婚に夢見る少年少女が泣いちゃうよ?」
    「理想を抱いた夢と叶えられる現実との差はいつか受け止めなけらばいけないものです。それに私達は今は多忙の身。そんな余裕はありませんよ」
    「…あっそ。パルテティオとかヒカリあたりに言えば喜んで大金ポーンと出してくれそうだけどね」
    「本当にやりそうだから尚更余計にそんなこと言えませんよ。彼らのお金は彼らの未来のためにあるものです。ソローネにはたまたま会う機会があったから直接言いましたが他の皆さんにはさくっと手紙で報告しようと思っています。本当はソローネみたいに直接報告したいですが、彼らは彼らで忙しい身ですからね。手紙で報告をさせてもらいます」
    「…ふーん」
    自分のめでたい話ですら淡々と話すテメノスにつまんないなあと内心思いながらソローネは相槌を打っていた。なにか面白い話はないものか。
    「そもそもさあ、テメノス。あんた、いつのまにあの固そうな騎士くんと付き合ってたわけ?色っぽい話とか想像つかないんだけど?」
    「まあ、そうですねえ。簡潔にいうと…あの旅を終えてから教会代表と聖堂機関代表という関係からスタートし、半年ほど過ごしたあと食事や酒を交わすぐらいには仲良くなり更に1年後くらいに告白を受けました。私も同じ気持ちだったのでそのまま告白を受け入れて交際がスタート。順調に仲は発展しあの旅から約3年、交際から約2年、そろそろいいのでは、という頃合いで10日程前にオルトから『俺と籍を入れないか』と提案されたので了承しました。以上です」
    「…潜伏報告の業務連絡かなんか?」
    「交際経過と結婚報告ですが?」
    もっと赤面を浮かべながら惚気話を話し出すのを期待したのにこの神官から語られたのは業務連絡なのかというくらい色恋を感じさせない話だった。いや、話というより報告だろうか?
    「もっと、こう…あんたのかっこいい旦那さまの話とかはないわけ?」
    「…企業秘密です」
    「…あっそ」
    おや、とソローネは観察する。…なんだやっぱりそういう気持ちはあるのか。僅かな『間』にテメノスの微かな心の機敏が見え隠れするのを彼女の鋭い目は見逃さなかった。
    (他人には話したくないほどかっこいいって何度も思ったことがある、と…ふふ…淡白に見えてテメノスも熱いね)
    「…ソローネ、変なこと考えてません?」
    「いーや?こうも淡々とした神官様と騎士君の夫婦生活はどんなのかなって、疑問に思ったくらい。新婚なんでしょ?いちゃいちゃしてるとか、想像出来ないからさ」
    「…新婚、とはいえ付き合っていた時とそんなには変わっていませんよ…ああでも、一緒に生活出来て『おはよう、いってらっしゃい』と見送れるのはいいですね」
    ああ、聞きたかったのはこれだ。仲間の幸せそうな顔、これが見たかった。テメノスがいつもの飄々とした表情から、目を潤ませてはにかんだ本心の溶けた表情で笑う。
    「いいねえ、それ。日常の幸せってやつ?そういうの、聞かせてよ」
    「ソローネが聞いて有益な情報なんてありませんよ?」
    「有益とかどうでもいーよ。平和な日常の夫婦生活っての、教えてよ」
    「え、そんなんでいいんですか?…彼がペンを持ってキョロキョロしていたからインク切れかと思ってインク瓶を渡したら『ありがとう』ってお礼を言われたとか…そんな地味なエピソードしかありませんよ?」
    「いいじゃん、それ。もっと、聞かせてよ」
    「…じゃ、じゃあ仕方ありませんね」
    そう言いながらも嬉しそうに日常のなんてことのない話を、丁寧にテメノスは話した。
    美味しそうなパン屋を見かけたからパンを買ったらオルトも同じ店で買っていた。
    あれおかしいなと探しものをしていたら何も聞いていないのに、『探しているのはこれか?』と見つけてくれた。
    シチューが食べたいなと思って帰宅したらオルトが既にシチューを煮込んで自分を待っていてくれた。
    オルトに勧められた本を読んでいたら読み終わるタイミングを見計らって感想を聞かれ夜遅くまで語り合ってしまった。
    テメノスが勧めた本をオルトが読んでいるとテメノスが面白かったシーンと同じ所で『うおっ、これは…』と感動してくれて思わず細かいところまで解説してしまった。
    「それでオルトが…いや喋りすぎました。私としたことが…」
    「いいじゃん。聞いてるの、楽しいよ?」
    「そうですか?」
    「そーだよ。いいじゃん、それ。…ま、新婚夫婦っていいうか熟年夫婦っぽさもあるけど」
    「熟年夫婦、て…私はともかく彼は20代ですよ?まだ、彼は若いんです」
    「ま、確かにね?」
    「若いんですよ…もう何度も身体を重ねてるのに夜のお誘いをする時は未だに顔を真っ赤にするくらいには、ね」
    「ひゅう〜〜いうじゃん」
    「…余計なことをいいました。酔っ払いの戯言として流して下さい」
    「は〜いはい」
    …テメノスは持っていた懐中時計をちらりとみた。
    「…あと30分くらいですかね?」
    「ん?なにが?」
    「…それは、」



    ざわざわと賑やかな酒場で「あそこの路地裏に可愛い猫がいた」「新しく出来たカフェのコーヒーとケーキが美味しかった」等のなんてことのない会話を肴に二人が酒で喉を潤していれば、カランという入店のベルと共にオルトが酒場にやってきた。
    「…ほら、きっかり30分でしょう?」
    「ご主人に忠実ですこと」
    キョロキョロと店内を見回すオルトはテメノスを見つけると一瞬パッと顔を綻ばせた。が、側にソローネがいると気づき直ぐにまたいつもの仏頂面へと表情を戻し、ソローネへと軽く会釈をした。
    (…なんか仕事中の警備犬とか番犬が成果を褒められた時みたい。ふふっ。騎士君、飼いならされてんじゃん)
    「テメノス…。丁度仕事のきりが付いたから、迎えに来た。夜も遅いしそろそろ帰らないか?…あ、いやまだ呑みたいというのなら止めないのだが。久々に会うと言っていたし、まだつもる話もあるのなら…」
    視線を少し彷徨わせながらオルトが提案してくる。それを聞いた二人は思わずニヤリとする。
    「…まさかほぼ一言一句同じセリフがでてくるとは、流石テメノス」
    「でしょう?そこがいじらしくて可愛いんですよ」
    「???二人共なんの話を?ペットかなにかか?」
    オルトの発言に二人はとうとう吹き出し笑いだしてしまった。二人の反応にただただオルトは混乱するばかりだった。
    「あー、笑った!ふふ、番犬くん待たせてるんだから帰ってあげたら?楽しい夜だったから私も今日はもう宿に帰るよ」
    「あ、だったら宿までお送りして…」
    「いーよ。宿までそんな遠くないから。新婚さんを邪魔する趣味もないしね〜。新婚祝いにここはご馳走してあげる。いや〜甘い甘い」
    そして、そのままソローネは2人分の会計を置いて去っていった。
    残されたテメノスは満足げに、そしてオルトは酒も飲んでないのに顔を真っ赤にしていた。

    〜オルト到着30分前〜
    「…あと30分くらいですかね?」
    「ん?なにが?」
    「…それは、オルトが迎えにくるのが、です」
    「迎えに?いつからテメノスはお迎えが必要な可憐な少女になったの?」
    「私はこれでも貴方より7つも歳上の成人男性なんですが?」
    「屈強な男たちでも呪文で一発、のあんたを騎士君が迎えにくんの?」
    「ええ。多分こう言いながら迎えに来ますよ。『丁度仕事のきりが付いたから迎えに来た。夜も遅いしそろそろ帰らないか?』」
    「へえ、心配されてんじゃん」
    「あと、こうも言うでしょうね。『まだ呑みたいというのなら止めない。久々に会うと言っていたし、まだつもる話もあるのなら』、と。本当は私と一緒に帰りたい、けど久々にあったという友人との楽しい酒の席も邪魔はしたくない」
    「あ〜、なるほどね。気遣い上手な騎士君らしい」
    「ふふっ、かわいいものです。素直じゃないのに考えていることが何故か分かっちゃうんですよね〜」
    楽しそうに、そして愛おしそうにテメノスはオルトのことを語る。
    (騎士君の考えが分かっちゃうのはあんたが騎士君のこと大好きなんだからじゃないの?)
    ソローネはそう思ったが口には出さなかった。幸せそうに語る友人をもう少し聞いていたい。
    「へえ、他にはどんなことが分かっちゃうの?」
    「それはですね…」
    甘い話が続き、ソローネは仲間の幸せに密かに乾杯した。
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    DONEロイテメ、思いつきで書いちゃいました😘チャーチスモッグ(透け透けインナー)テメとイチャイチャするロイです💕❤💕
    (SUKEBEはしてないので一応全年齢です💕)
    揺蕩う劣情 ロイは一瞬、眼の前の光景に我が目を疑った。
     森の妖精か、あるいは泉に住む女神の水浴びを目撃してしまったのかと本気で思ってしまった。
     森深くにある小さな泉。そこに白い素肌にチャーチスモッグのみという格好でテメノスが静かに水面に浮いていた。小さな泉の水面にはふわりふわりと半透明の布が伸びやかに揺蕩っている。濡れたチャーチスモッグを自由に泳がせながら、気持ちよさそうにテメノスは泉をゆったりと漂っていた。
    (……まるで高尚な画家の描く絵画のようだ)
     泉へ注がれる柔らかな日光を纏いながら優雅に漂うテメノスの姿に、ロイは思わず感嘆のため息をつく。自分の愛する恋人はこんなにも美しかったのか、と魅入られてしまう。普段から「綺麗だ」「可愛い」と幾度も思いテメノスへと数え切れないほど伝えていたが、今のテメノスはそんな言葉さえも飲み込んでしまうくらい清らかで神秘的な美しさに包まれていた。ほんのりと冷たい水の心地よさを全身で感じながらふわり、ふわりと揺蕩うテメノスの姿にロイは静かに焦がれていく。
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