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    すあま

    @a_sam_nr

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    すあま

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    ブネ🔫🍴が結婚したら雑誌や新聞にすっぱ抜かれるっていう小説を書きたくて、その話の中に出てくるブの結婚記念獄中インタビュー記事を書きました。小説の中では全文は出さないかも……と思い、Xとここで供養します。

    #まほや腐
    mahoyaRot
    #ブラネロ
    branello
    #ネロブラ
    nerobra

    《全文》ブラッドリー・ベイン氏、結婚記念獄中インタビュー ――この度はご結婚おめでとうございます。また、インタビューをお受けくださりありがとうございます。本日はよろしくお願いいたします。

     (ベイン氏)ああ、ありがとな。俺も俺の伴侶を世界中に自慢したかったところだ。丁度良かったぜ。

     ――まず初めに、読者の皆様にブラッドリー・ベイン氏の紹介をさせてください。
     ブラッドリー・ベイン氏は北の国で生まれた魔法使いであり、あの人気書物『死の盗賊団盛衰記』で有名な死の盗賊団を率いた頭領でもあります。数多の財宝を手に入れ、百年ほど前に捕らえられました。
     その審美眼により集められた財宝は、ほとんどが国宝級や歴史的価値の大変高い品ばかりで、現在では月蝕の館をはじめ、各国の博物館・美術館等にに所蔵されております。

     (ベイン氏)はっ。随分褒めてくれるじゃねぇか。
     ただし、盛衰記なんて俺は書いた覚えが無いからな。あれは誰かの創作だ。全くもって俺とは無関係だね。

     ――そうなんですか?それは新事実です!盛衰記は根強い人気があり、ファンも多くいることで有名ですが、まさかご本人の知らぬところで書かれていたとは。今回のインタビュー記事にも漏らさず載せておきます。

     (ベイン氏)そうしてくれ。

     ――わかりました。それでは、本題に入らせていただきます。
     今回は獄中結婚という形でご結婚されましたが、そこに至る経緯と言いますか、馴れ初めなどお伺いできますでしょうか?

     (ベイン氏)馴れ初めか……。
     あいつと出会ったのは六百年くらい前だな。最初は小せぇガキだったが、背が伸びたらうまい飯を作るようになりやがった。俺はすっかり胃袋を掴まれたね。しかも気が回って、器用で何でもこなせて、頭もいい。その上、笑いのラインが一緒とでも言うか……話してて楽しいんだよ。こんな奴は他に居ないと思ったんだ。
     けど……逃げられちまった。

     ――逃げられた?

     (ベイン氏)あれは……百年前のことだ。一回、一緒に飯屋やるかって言われたことがあったんだが、断っちまった。で、気づいた時には、もう俺の知らないどこかに逃げられてたんだ。丁度俺も捕まっちまった時だから、居場所を探すことさえできなかった。
     結局俺は盗賊であいつは料理人。そう、あいつはカタギなんだよ。一緒にいるなんて到底無理な話だったわけだ。

     ――お相手の方は料理人なんですね。

     (ベイン氏)ああ。東の国で飯屋をやってる。
     そうだ、これは各国の、特に東の国の人間どもに伝えたいことなんだが、俺様のツレは料理に魔法を使わない。一切だ。人間と全く同じように料理をする。それをかれこれ六百年続けてるわけだ。だから、六百年修行した人間の料理人みたいなもんさ。
     しかも俺様が惚れ込んだ味だからな。俺様にとっても最高なのに、てめぇら人間にとっても最高な条件の飯屋だろ?魔法使いが嫌いな奴だって安心して食える料理なんだ。
     てめぇらにも特別に味わわせてやるから、感謝して店に通えよ。記者、てめぇも食いに行っていいぜ。

     ――魔法を使わず、人間のように料理をし続けて六百年。たしかにどんな味か気になります。機会があればぜひお店にお伺いしたいです。

     (ベイン氏)だろ?その上あいつはピュアな野郎でな。ただ他人にうまい飯を食わせたいから料理してるんだよ。で、素直に「うまい」って感想を言ってやれば、それだけですげぇ喜んでよ。こんなに無害な魔法使い、中々いねぇだろ?

     ――お話を聞けば聞くほど、なおさら味わってみたくなりますね。ところで、先ほど逃げられたとおっしゃっていましたが、その後どのようにしてお二人の関係が再開したのでしょうか?

     (ベイン氏)運が俺の味方をしたんだ。俺もあいつも賢者の魔法使いに選ばれた。俺はあいつと百年ぶりに顔を合わせた時に思ったね。今度こそ確実に俺のものにしてやるってな。

     ――なるほど。馴れ初めの話を振り返りますと、出会いが六百年ほど前で、それから数年後には胃袋を掴まれたとのことでしたよね。そうなると約六百年の間ずっと一途にお相手の方を想っていたということでしょうか?

     (ベイン氏)そうだ。六百年越しに手に入れた。

     ――六百年越しだなんて本当の大恋愛ですね。人間からしてみれば実に人生六回分を超えるほどの途方もない時間ですが、その間に心変わりはしなかったのですか?

     (ベイン氏)心変わりなんて誰がするかよ。俺様は死の盗賊団頭領ブラッドリー・ベイン様だぜ?一度狙いを定めた宝は手に入れる。あいつも俺の眼で見極めて狙いを定めた宝の一つなんだよ。あいつみてぇな奴は他にいねぇ。代わりなんてあるわけねぇ。あいつじゃなきゃダメなんだ。

     ――大変お熱いメッセージ、ありがとうございます。やはり獄中ですと恋を実らせるのは大変難しいと思いますが、結局のところ、どのように成就したのでしょうか?

     (ベイン氏)そりゃ、俺様にかかれば獄中だろうが雪原だろうが空の上だろうが関係ないね。俺様だからあいつを手に入れることができた、それだけだ。

     ――図々しいお願いで恐縮ですが、ご結婚が決まった際のエピソードをお伺いすることはできますか?

     (ベイン氏)さすがにそれは教えられねぇな。そこを話したら、なんで俺たちが結婚したのかもバレるだろ?
     それは俺とあいつの心を晒すのと同じだ。魔法使いは心で魔法を使う。だから、心を守るってのは大事なことだ。
     俺は、俺が俺の心を晒すのは俺の自由だと思っているが、それをどれだけ隠すのかも、また俺の自由だと思ってる。そして俺は、俺の伴侶の心は晒せねぇ。万が一、あいつが良いと言ったとしても、俺は、俺の大事なものの最も大切な部分をどこの馬の骨かもわからないような奴に晒すなんてごめんだね。

     ――失礼な質問をしてしまい、申し訳ありませんでした。それにしても、そのお言葉で、お相手の方を本当に大事に想っていらっしゃるんだと、ひしひしと感じました。

     (ベイン氏)そう肩を落とすなよ。大事な部分は晒せねぇが、さっきみたいに自慢してやることはできる。本当は俺だけのものにして閉じ込めてやったっていいんだが、あいつはそういうタイプじゃないってのは、俺もわかってる。それに俺だって、価値あるものを誰にも見せないで仕舞い込むような趣味でもないしな。
     だから、まあ、なんつーか……飯屋に来た客にあいつの味を振る舞うくらいなら構わねぇと思うね。

     ――わかりました。では、ここからは未来の話をお伺いしたいと思います。
     釈放後はどのように過ごされるつもりなのでしょうか?例えば、お相手のお店を手伝われたり、はたまた死の盗賊団を再結成したりと、様々な可能性があるかと思いますが、いかがでしょうか?

     (ベイン氏)盗賊は……正直、やらねないこともねぇ。でももう捕まったろ?人間には二度と手を出すつもりねぇよ。ただ、魔法使い相手なら話は別だ。特に北の奴ら、中でも人間を虐げてるような奴らだな。そういう奴らなら誰も文句ないだろ?派手にやってやるぜ。ま、そういうのは、やるとしても派手に暴れたい時だけにするつもりだがな。

     ――義賊的なことをされるつもりということでしょうか?

     (ベイン氏)義賊か……そういうことになるのかもしれねぇなぁ。あとはまあ、そのついでに、北の国のどこかの集落を庇護するのも良いんじゃねぇかな、ってのも考えてるしな。
     それと……これからも末永く連れ添う相手ができたんだ。やっぱりなんだかんだ、飯屋もたまに手伝ってやるのも良いと思うね。今こうやって離れてる分、釈放後は一緒に過ごしたいって気持ちもあるからよ。

     ――以前と比べると落ち着いた生活をされたい、という気持ちもあるように受け取りました。

     (ベイン氏)そうだな。そういう気持ちも少しはある。
     俺には、北の魔法使いとしての矜恃もあるが、その矜恃に囚われすぎて、俺の心を……あいつを失ったら、元も子も無いからな。
     それに、魔法舎で他国の魔法使いたちと、特にあいつと過ごしてる内に、そういう過ごし方も悪くねぇって思わされたんだよ。

     ――お相手の方はそういう落ち着きある雰囲気を纏われている方なのでしょうね。さて、ここまで釈放後のお話を伺ったところではありますが、人間からするとまだまだ残りの刑期が長い印象です。

     (ベイン氏)いや、これに関しては魔法使いの俺でさえ長いと思うね。

     ――そのため、ご結婚の第一報を受けた世界各地のブラッドリー・ベインファンの方々が、『我らのボスに新婚生活の自由を』をスローガンにブラッドリー・ベイン釈放運動を始めました。そのことはご存知ですか?

     (ベイン氏)それは初耳だ!今日てめぇの口から出た言葉の中で、一番の良い話じゃねぇか!

     ――それは良かったです。ただ、先に申し伝えておきますが、これは噂であって決して確定事項では無いことだけはご了承ください。
     実は、各国の要人たちもこのお祝いムードに押されていまして、それに加えて人間からして見れば途方もない期間の刑期であることから、刑期の大幅短縮が囁かれているそうですよ。

     (ベイン氏)さすが俺様のファン達だ!よくやった!ああ、今回ばかりは盛衰記を勝手に書きやがった奴にも感謝の意を表してやりたいね。

     ――ちなみに、最初に盛衰記は無関係とおっしゃっていましたが、読まれたことはありますか?

     (ベイン氏)ねぇな。誰かが差し入れで持ってきてくれたら読むかもしれねぇ。

     ――では、あの本の内容はどれだけが嘘でどれだけが本当かも今はわからない状態なのでしょうか。

     (ベイン氏)そうなるね。だが、人間どもに伝わる昔の話ってのは、大抵、嘘と真実が綯い交ぜになっていたり、嘘で全て塗り固められていたり、嘘のように見えた真実だったりもするもんだ。だから、いいんじゃねぇか?あれはあれで。あまりにも拙い内容が書かれていたら嫌だけどよ。

     ――我々人間の知っている様々な歴史にも通じるようなお話ですね。では最後に、きっとこれを読んでいるであろう、世界中のブラッドリー・ベインファンにお言葉をいただけますでしょうか?

     (ベイン氏)ああ、俺様のファンがメイン読者なのか。だから盛衰記の話が出たんだな。まあいい。
     ……おい、俺様のファンの淑女紳士ども!俺様の物語はまだまだ続く!本には記し切れないきれないほどにな。
     てめぇらには、そんな俺様の背中を追う権利を与えてやる。俺様の隣は六百年前から埋まっちまってるが、俺様の後ろならいくらでも席をやる。
     俺の背中を追う奴は、まず狙いを定めろ。己の求める財宝は何か。照準が合わないと撃ち抜くこともできねぇからな。それができたら、てめぇが狙った宝へと手を伸ばせ!
     ああ、ただ、ここで先に一つ断っておく。盛衰だなんて言った奴がいるが、死の盗賊団は最盛期の真っ只中に突如散り散りになった。だから俺は衰退なんて知らねぇ。それに俺は、変化を受け入れることも大きな成長の一部だと知った。だから、時の流れは、老いることさえも、衰退じゃねぇ。変化という成長の一部だ。
     要するに、だ。てめぇらも死の盗賊団のように、衰退を知らぬまま突き進むことができるって訳だ。人生の幕を閉じるその時まで、己の衰退を知らぬまま、どこまでも駆け抜けろ、そして掴み取れ!己の求めた宝を!!さぁ行くぜ、俺様のファンども!以上!

     ――大変力強いお言葉、ありがとうございます!そして今回のインタビューをお受けいただけたこと、重ねて御礼申し上げます。この度は本当にありがとうございました!
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