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    sakikuryo

    @sakikuryo
    たまに進捗を上げてどうにか自分を奮い立たせるかもしれないところ。ほぼ下書きです。ちゃんと書いたものや整えたサンプルはぴくしぶに置いてます。

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    sakikuryo

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    高杉社長について書きたい咲紅さんはおおよそ五分の夕立のあと、様々な蜂蜜を取り扱う洒落た店で嘘みたいな味のりんごを食べたことの話をしてください。

    #さみしいなにかをかく #shindanmaker
    https://shindanmaker.com/595943

    #FGO
    #高杉晋作(Fate)
    shinsakuTakasugi

    面白きこともなき周回を面白く高杉社長を書いてみようとした
    途中で切れます

    ===

     あたりが焼け野原になったのを見届けてから、高杉は手近なカフェーへ入った。銅だか真鍮だかを叩いてのしたような看板に、甘たるい西洋菓子の名が焼き付けてある。店の名前なのだろう。食べたことはない菓子だったが、横文字の響きだけで十分に胸やけがする。引いた扉の蝶番はやけに重い。ベルが尖った音でちりんと云い、対して店員は、蚊の鳴くような応対で客を出迎える。
    「二名様ですね」
     お好きなお席へどうぞ、と言われて初めて高杉は、自分の後ろにもう一人居たのだと気が付いた。カルデアのマスターだ。白っぽい衣服と頬は煤だらけで、とてもじゃないが洒落たカフェーで一服する格好ではなかろう。人のことは言えないが。振り返る視界で、高杉は自分の髪の、ほどけて赤く、爛れたように黒いのをとらえた。こんな血でべとべとの人間を、よくまあ客として迎え入れたものだ。
    「いらっしゃいませの前に医者だろ、普通。それか悲鳴」
    「返り血だってわかったんじゃないかな」
    「へえ。君の行きつけかい、この店」
    「特異点に? まさか。でも血まみれの客なんて、めずらしくなさそうだから」
     マスターが肩越しに外を振り返る。ドアにはめ込まれた摺り硝子からは遠くの閃光だとか、煙だとか、熱だとかが透けて見える。電燈がちかちかと頭上で文明を燃やすかたわら、店の内には銃弾と刀の跡が、さながら壁紙か床の模様の如くに刻まれ、陰影を作っていた。
    「たしか五分と言ったよな。その間に珈琲は頼めるかい?」
    「インスタントでもないのに難しいと思います」
    「砲撃の時間を延ばしてもらおう」
    「無茶言わないでくださいよ、社長」
    「ハハ。もう社屋もつぶれてしまったけどな」
    「それは」
     いったい何棟目の社屋の話をしているのだろう。言いたげに言いよどむマスターへ、高杉はにっこりと笑ってみせた。いつのことだっていい。会社は事業と理念があればよく、登記場所や勤務地はどこでも、どうとでもなる。もっとも登記の手続きをするのは自分ではないだろうが。そこまで考えて、優秀な契約社員の悲鳴と、魂だけ置いていった恩師の言葉とが、耳の中をぐるりとした。吐きそうに気持ちが悪い。水も持ってこないのか、さっきの給仕は。
    「行きましょう。これ以上はお店にご迷惑です」
    「迷惑も何もあるかよ、どうせもうすぐ消えるんだぞ」
    「ええ。だから珈琲なら戻ってからにしましょう」
     美味しく淹れてくれるサーヴァントがいるんです。お酒は難しいけど、珈琲なら一杯付き合いますから。
     マスターがそう言うと高杉はすうっと眉根を寄せる。
    「知ってるぞ、ソイツ。僕と入れ替わりで周回へ行くんだろう」
    「あれ。もう会ったんですか」
    「いいや、だが食堂で諸葛亮孔明を名乗る謎の男と話した」
    「なるほど。ちなみにそれ謎の男じゃなくて本物の孔明先生ですよ」
    「なんだって?」
    「はい、休憩おしまい」
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    sakikuryo

    REHABILI高杉社長について書きたい咲紅さんはあの川の土手にいっせいに彼岸花が咲く頃、国道にかかるしろい歩道橋の上で認めざるを得なかった変容についての話をしてください。

    #さみしいなにかをかく #shindanmaker
    https://shindanmaker.com/595943
    社長+ぐだ謎の時空の謎のレイシフトだと思ってふわっと読むことを推奨
    社長+ぐだ
    ぐだの性別はふわっと不問

    ==
     股の下をくぐって大型車が何台も行き来するというのは、ことによると吹っ飛ばされそうな心許無さを感ずるものらしいが、その点、高杉は状況をいくらでも楽しむ度量があった。酔狂と言い換えてもいい。直接触れたわけでもないのに、アスファルトの振動が柱を伝って、片側二車線道路を大きく跨いだ歩行者用の橋を震わせる。
     歩道橋のさびた手摺を掴み、うわあ、と小さく呟いたマスターはと言えば、ワイバーンに追われている時よりも、ともすると、危機感めいたものを横顔に湛えている。おかしなやつだ。高杉はそう思って、しかしふと、よく知っているからこそ怖いこともあるのだろうと思い直した。ピストルを不用意にべたべた触るのはピストルが何なのか知らないからだ。絵巻の中の妖怪にできることだってたかが知れている。高杉にとっては呪いの類よりも刀のほうが、生々しく死を感じさせるものだったし、あるいは畳に敷かれた布団のほうがおぞましく生を鈍らせるものだった。自分より百年か二百年、後の世に生まれたマスターなら、巨大なイソギンチャク以上にお四トントラックが恐ろしいことだってあるのだろう。
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    sakikuryo

    DOODLE高杉社長について書きたい咲紅さんはおおよそ五分の夕立のあと、様々な蜂蜜を取り扱う洒落た店で嘘みたいな味のりんごを食べたことの話をしてください。

    #さみしいなにかをかく #shindanmaker
    https://shindanmaker.com/595943
    面白きこともなき周回を面白く高杉社長を書いてみようとした
    途中で切れます

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     あたりが焼け野原になったのを見届けてから、高杉は手近なカフェーへ入った。銅だか真鍮だかを叩いてのしたような看板に、甘たるい西洋菓子の名が焼き付けてある。店の名前なのだろう。食べたことはない菓子だったが、横文字の響きだけで十分に胸やけがする。引いた扉の蝶番はやけに重い。ベルが尖った音でちりんと云い、対して店員は、蚊の鳴くような応対で客を出迎える。
    「二名様ですね」
     お好きなお席へどうぞ、と言われて初めて高杉は、自分の後ろにもう一人居たのだと気が付いた。カルデアのマスターだ。白っぽい衣服と頬は煤だらけで、とてもじゃないが洒落たカフェーで一服する格好ではなかろう。人のことは言えないが。振り返る視界で、高杉は自分の髪の、ほどけて赤く、爛れたように黒いのをとらえた。こんな血でべとべとの人間を、よくまあ客として迎え入れたものだ。
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