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    ゆりた

    rps小説の方

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    ゆりた

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    rps/🦢→🐸

    マンゴージュース.



    「イヴおはよ、よく寝れた?」

    緊張して寝れなかったなんて知られたくなくて、はいって返事する。
    思ったより大きな声が出ちゃって、恥ずかしい。

    「時間早かったですか?」

    「ううん、大丈夫だよありがとね」


    フィリピンのマニラで行われたKPOPフェスに出演した。
    昨日は舞台裏でグループ同士挨拶をさせてもらったけど、ふたりきりではお話できなかったから勇気を出して誘ってみた。
    まさかOKしてくれるなんて。


    オンニが歩き始めて横に並ぶ。
    ホテル近くの公園らしきところ、遊歩道は木陰が多くて涼しい。

    「けっこう暑いね」

    なんて言って私を木陰側にして腕を組んでくる。
    そういうひとだって分かってる、スキンシップが多いこと。

    「いまは29°で最高気温34°だそうです」

    「本当?夏じゃん」

    待っている間に天気予報アプリで得た情報をそのまま話す。天気の話がしたいわけじゃないのに。

    「やっぱり気持ちいいね、ホテルと公演だけじゃ寂しいし」

    誘ってもらえて良かったと組んだ右腕に空いてる手を添えられる。右半身に意識がいきすぎて逆に鈍感、会話に集中しようと早口になった。


    歩きながら海外ツアーのこと、昨日のパフォーマンスについて色んなことを話した。
    普段交わすチャットアプリのテキストも嬉しいけど、表情がみれて声が聞ける。
    幸せでどうにかなっちゃいそう。

    「あ!フレッシュジュースの屋台!」

    道が終わり開けた場所に出ると屋台があった。
    マンゴーや色とりどりのフルーツにココナッツ、現地の言葉でブコというらしい待ち時間の成果。

    拙い英語でマンゴージュースをふたつ頼んで、目の前でカットされ液体になっていく光景に夢中になる。

    「アメリカでもカフェ行って英語で頼むのが本当に大変で」

    知ってます、ユナ先輩のブイログとかインスタに載ってましたよね。
    モーニングデートという単語が口から出そうになる。ジュースをふたつ渡され、お礼を言うことでなんとか凌いだ。


    マンゴージュースを飲みながら自然とホテルへと戻る流れになりそうで、カップとマップを見るために取り出したスマホで組んだ腕はとうに離れてる。
    この時間が終わって欲しくなくて手を伸ばす。

    「そういえば最後何て言われたの?」

    「え……と、姉妹か?綺麗、そっくりって」

    ストローを咥えたまま聞かれて、店員さんから掛けられた言葉が頭の中をぐるぐると回る。

    「こっちの人からみても私たちって」

    「っ姉妹じゃないです、ウンニだけどっお姉さんが嫌じゃなくて……」

    妹じゃなくなりたいと手首を掴んで告げた。










    どうしてそうしたのか、好きなのかと問われたら分からないと答えるかも。

    それでも目の前で伝えられた好意を無視するほどは鈍感じゃないと思う。

    手首を掴む指が震えていて強張っている。
    真っ正面からみたイヴの眼差しで体温か気温上がったかも、暑い。

    唇を彩ってるのが私が誕生日にあげたものだと今気づいた。

    胸がむずむずする、触れるだけ。

    「軽いキスなら全然落ちないじゃん」

    混乱してるイヴが可愛くて、二度目はもっと深くした。

    マンゴー味、甘い。





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