涙の出ない泣き方の話アスランの驚いた顔を見て、カガリは驚いた。どうした、と声をかけようとしたカガリだが間の悪さのようなものを感じた。時間がワンテンポ遅れたような不思議な感じだ。アスランの視線の先にカガリは気付く。そこにあったのはアスランの服を掴む自分の手だった。無意識に掴んでいたらしい。

「あ　」

あれ、と思ったカガリだが感覚の無かった掌からは急激に感覚が蘇った。アスランはカガリの手を撫で、ゆっくり指を絡ませた。それは優しい仕草だった。穏やかな眼差しで続けられる。

「どうした？」
「なんでも、ない…」

カガリは子供のような行動をしてしまった自分が少し恥ずかしかった。そして同時に指先の温かさに包まれて泣きたくなった。傷だらけなのに優しい人間がここにいる。この戦場で自分は何ができるのだろう。

ライオネットゴールド（前半）オーブには、昔から数多の神を祀る習慣があるという。
科学が劇的に進化し、宇宙進出も人間の遺伝子操作も一般的になった時代において、宗教の意義は薄れつつあるが、それでも人々は神々を詣で、婚礼の儀を行う際には神殿の神の前で愛を誓う。
プラント対地球（最終的にはオーブ）の二度目の大戦が始まったばかりの頃、オーブの国家元首が婚礼を挙げた（そして、その最中に旗色不明のMSによって拉致された）神殿も、それ以来はずっと静けさを保っている。崖から海に向かって伸びる石畳の階段が、神殿らしい重厚さを演出する。
マジックタイムとも呼ばれる、薄紅色の夕闇に沈みつつある神殿に、ひとつの人影が現れた。海を背に、崖へ上がってゆく石畳の階段を眺めながら、ある場所に思いを寄せていた。

《婚内暗恋》20-先不吃了吧匆匆清理了身体，又启动了隔离室信息素自清理流程，两人就离开了。
纪柏洋又变回那个祝谨川更熟悉的状态。
冷静自持不近人情的纪柏洋大校。
他们在黑暗中一前一后走着，祝谨川腿软得厉害，但他不敢落下太多步，咬紧牙追着。
避孕药这个事，可能时间太久了纪柏洋已经忘了，但一直当任务来执行的祝谨川当然牢记于心。
怪刚才气氛太好——这两天气氛都太好，他有些忘形，调情的话而已，怎么自己就非要解释呢？
祝谨川很是后悔，他和纪柏洋之间像两堆冒了五年烟气的湿木头，好不容易才燃起一点火光，刚开始有可能会温暖的错觉，就被自己一盆水彻底浇灭了。
可他也……有些不平。
大抵是情欲上头之后氛围实在太好，才两天不到，他就被纪柏洋那些床榻之间的温柔神色纵得贪婪又失控，从前被勒令吃药的耻辱感让他忍不住坦诚。