あまくてあったかい宝石─────────
「おはようございます、ヒアンシー。朝食は?」
「おはようございます、アナイクス先生。食べますよ〜、もちろん。あ、何だかいい匂いがしますね」
まばゆい朝陽のきらめき。
ほのかに甘い焼き目の香り。
「アナイクスではなくアナクサゴラスと呼んでください、まったく。…朝食ならパンケーキを作ったので、よかったらどうぞ」
「わあ、ありがとうございます!わたし、先生のパンケーキ大好きです!」
「それは何より」
先生の好きな深煎りコーヒーをカップに注いで、わたしのにはミルクと砂糖を多めに入れて淡い色に。
テーブルに並ぶ二人分のあたたかさ。
「いただきます」
「いただきます。…ん〜っ、朝から先生の作ったパンケーキが食べられて幸せです」
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