アイスクリームは溶けていく
「い、今、なんと言ったんだ」
口が渇く。思ってもいなかった言葉に、二の句が継げない。
「何度も言わせないでよ! せっかくの乙女のコ、コクハクを……」
「乙女のコクハク……」
「そうよ! サカキ、ちょっとデリカシーないんじゃない!?」
訴えるリーフの顔は赤い。目も赤かった。
「で、デリカシー……」
ふと周りを見れば、ジムの者達が明らかに聞こえないフリをしている。
「とりあえず、場所を変えないか」
トキワジムの近くにある、噴水のある大きめの公園に来た。
噴水の近くに白い木製のベンチが目についたので、とりあえず座った。人が少なく、辺りは静かだった。リーフは三段のアイスクリームを買って、満足そうにこちらにやってきた。
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