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    PN_810

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    現パロ高諸♀

    大学生になった尊奈門がモブ男に弄ばれて高坂さんのところに戻るお話。
    今まで女子校で異性との付き合いもなく、悪い虫がつかないように守られてきた尊奈門が大学進学をきっかけに外の世界を知り心に傷を負ったところにすかさずつけこみ自分のものにしてしまう高坂さんが書きたかっただけです。
    このあと普通にヨシヨシ慰めセックスするだろうから、そこを加筆してpixivにあげます。

    #高諸

    高諸①雨が降っていた。五月の終わりにしては肌寒く、窓の外には濡れた街路樹が風に揺れている。高坂は、キッチンの時計をちらと見た。
    ――23時14分。今日も、尊奈門はまだ帰ってこない。

    「……遅いな」

    呟いた声が、静かな部屋に落ちた。
    大学進学を機に、尊奈門がこのマンションに転がり込んできてから一年が経つ。最初は賑やかで、毎晩のように今日の出来事を語ってくれた。講義で隣になった子が面白かったとか、サークルに誘われたけど断ったとか、やけに細かく報告してくれるものだから、高坂はうんざりしながらも耳を傾けていた。
    ――だけど、あの男と付き合い始めてからは変わった。

    「……尊」

    小さく呼びかけるように名前を呟いたとき、カチャリ、と鍵が回る音がした。

    「ただいま戻りました……」

    申し訳なさそうな声。玄関に現れた尊奈門は、濡れた髪を乱し、傘の先からぽたぽたと水滴を落としていた。高坂は無言でタオルを差し出す。

    「すみません、高坂さん……また遅くなって……」
    「どこにいたんだ?」
    「……あの、先輩と……」

    その言葉に、ぎり、と高坂の奥歯が鳴った。

    「……あの男か」

    尊は困ったように俯き、小さく頷いた。

    「先輩、女の人と話してて……その、友達だって言ってたんですけど、なんか、腰とか触ってて……でも、私が疑うのも、よくないかなって……」

    泣きそうな顔で笑うその姿に、どうしてこんなにも胸が痛むのか。わかっている。わかっているのに、踏み込む勇気がなかった。けれど、もう限界だった。

    「尊」

    ぴたりと、尊の肩に手を添える。驚いて顔を上げたその目に、まっすぐ視線を落とす。

    「お前、あんな男のどこがいいんだ? 女と遊び歩いて、お前の気持ちも踏みにじって、それでも……好きでいられるのか?」
    「……好きっていうか……先輩、優しい時もあって……怒らないで聞いてくれる時もあって……私、今まで女子校だったから、男の人とどう付き合っていいか分からなくて……」
    「尊」

    その名を呼んで、肩を抱き寄せた。尊が目を見開いた。

    「私は、ずっとお前のそばにいた。泣いた時も、怒られた時も、全部見てきた。お前の一番近くにいるのは、私じゃなきゃ駄目なんだ」
    「高坂さん……」
    「違うか?」

    言葉が詰まったように、尊は唇を震わせていた。ぎゅっとシャツの裾を握り締める。

    「……別れたいです。先輩とは……もう、無理です……私、ちゃんと好きになってもらえたと思ってたけど……ただの罰ゲームだった、って……」

    ぽつりと落ちたその一言に、高坂の中で何かが切れた。

    「は?」
    「――あいつ、殺す」
    「やっ、やめてください高坂さん! そういうのダメです!」
    「ふざけるな……罰ゲームだと? それでお前を泣かせたのか……!」

    堪えきれない怒りが喉元までせり上がるが、震える肩を抱いたまま、高坂は深く息を吐いた。

    「……わかった。私が全部終わらせてやる。だから、お前は――もう、私のところにいろ」

    尊はしばらく黙っていたが、やがてぽつりと、小さな声で呟いた。

    「……高坂さん。……今日だけ、陣にいって呼んでも、いいですか」

    高坂の目が柔らかく細められる。

    「……ああ。帰ってこい、尊。お前の居場所は、ここだ」

    その言葉が、尊奈門の中の最後の氷を溶かしていった。
    高坂の胸に、静かに顔を埋める。いつかのように、子供の頃のように。

    「……陣にい」

    その懐かしい呼び方を口にすると、胸がぎゅうっと締めつけられた。泣きたくなんかないのに、涙が溢れて止まらなかった。

    「私、馬鹿ですよね……気づけなくて……ずっと、“好き”って何なのかわからなくて……」
    「馬鹿じゃない。……お前は、優しすぎるだけだ」
    「優しいだけじゃ、だめなんですね」
    「それでも、私はお前の優しさが好きだ」

    高坂の指がそっと頬を撫でる。濡れた涙の跡を拭うように。その優しさに、また涙がこぼれる。

    「……陣にい、私ね、先輩といるときより、今のほうが安心するんです。ほっとするっていうか……なんか、息ができる感じ……」
    「そりゃそうだ。私の前でだけは、無理しなくていい」

    尊は、胸に顔を預けたまま、小さく笑った。

    「陣にい、やっぱり大人ですね」
    「そりゃな。お前の世話、何年してると思ってる」
    「うん……一緒に住ませてもらって、本当に、よかった……」
    「だったら、もうどこにも行くな」

    その言葉と同時に、ふいに顔を上げられた。真剣な瞳。こんな近くで見つめられると、逃げたくなるのに――不思議と目が離せなかった。

    「……尊。私はもう、待つのをやめる」
    「……え?」
    「もう誰にもやらない。私のところに、戻ってこい」

    高坂の手が尊の頬に添えられ、そのまま、唇が重なった。

    優しくて、でもどこか苦しくなるような、そんなキスだった。

    初めてのキス。こんなにも安心して、あたたかいキスが、この世にあるなんて。

    尊は目を閉じて、そのぬくもりを、そっと受け入れた。

    長い時間が流れたようだった。唇が離れたあとも、ふたりはお互いの距離を詰めたまま、何も言わずにいた。

    「……じゃあ、私、もう……あの人とは会いません。会いたくも、ないです」
    「そう言ってくれて、よかった」
    「陣にい、私、まだ恋愛とかよく分からないけど……」
    「分からなくていい。これから全部、教えてやる。私だけを見ていればいい」
    「……はい」

    尊は頷いて、安心したように高坂の胸に頭を戻す。

    こうして、ようやく彼女は戻ってきた。

    小さな背中を抱きしめながら、高坂は心の中でひとつだけ誓った。

    ――もう、誰にも渡さない。尊奈門、お前は私のものだ。
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    大学生になった尊奈門がモブ男に弄ばれて高坂さんのところに戻るお話。
    今まで女子校で異性との付き合いもなく、悪い虫がつかないように守られてきた尊奈門が大学進学をきっかけに外の世界を知り心に傷を負ったところにすかさずつけこみ自分のものにしてしまう高坂さんが書きたかっただけです。
    このあと普通にヨシヨシ慰めセックスするだろうから、そこを加筆してpixivにあげます。
    高諸①雨が降っていた。五月の終わりにしては肌寒く、窓の外には濡れた街路樹が風に揺れている。高坂は、キッチンの時計をちらと見た。
    ――23時14分。今日も、尊奈門はまだ帰ってこない。

    「……遅いな」

    呟いた声が、静かな部屋に落ちた。
    大学進学を機に、尊奈門がこのマンションに転がり込んできてから一年が経つ。最初は賑やかで、毎晩のように今日の出来事を語ってくれた。講義で隣になった子が面白かったとか、サークルに誘われたけど断ったとか、やけに細かく報告してくれるものだから、高坂はうんざりしながらも耳を傾けていた。
    ――だけど、あの男と付き合い始めてからは変わった。

    「……尊」

    小さく呼びかけるように名前を呟いたとき、カチャリ、と鍵が回る音がした。
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    このあと普通にヨシヨシ慰めセックスするだろうから、そこを加筆してpixivにあげます。
    高諸①雨が降っていた。五月の終わりにしては肌寒く、窓の外には濡れた街路樹が風に揺れている。高坂は、キッチンの時計をちらと見た。
    ――23時14分。今日も、尊奈門はまだ帰ってこない。

    「……遅いな」

    呟いた声が、静かな部屋に落ちた。
    大学進学を機に、尊奈門がこのマンションに転がり込んできてから一年が経つ。最初は賑やかで、毎晩のように今日の出来事を語ってくれた。講義で隣になった子が面白かったとか、サークルに誘われたけど断ったとか、やけに細かく報告してくれるものだから、高坂はうんざりしながらも耳を傾けていた。
    ――だけど、あの男と付き合い始めてからは変わった。

    「……尊」

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