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    ひわこ

    CP表記に注意しておたのしみください なんか倫理観がぶれたものとかにょたとかもそのうちかくはずの雑多箱

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    ひわこ

    PROGRESS※性愛には至らないふたりの話です
    ※けれど距離的には+じゃない方向へ行くのでCP表記で
    8/6-7 曦澄オンリー用、半分公開です。よろしくおねがいいたします。
    【曦澄】好かずとも、愛でずとも握られた手は僅かに汗ばんで、目の前の男が確かに人間であることを江澄に伝えていた。
    血が通い、語りつくせぬほどの熱情は目元から涙になって零れんばかりで、優しげな一枚下に獰猛なほどの渇望が渦を巻く。なんとなくそれはわかる。
    端正な鼻先は興奮で桃色に染まり、口元は言葉の最後で開いたまま閉じることを忘れたよう。並ぶ歯の貝のような白さも、その奥に覗く舌先でさえ余すところなく美しい男。それは見ればわかる。きっと衣服をとれば爪の先から茎の皮まで綺麗なのだろう。なんだか頭痛がしてくるようで、江澄は身動ぎも出来ぬままひたすら眉間の皺を深くした。

    視野の端で興味深そうにひょこひょことしている黒い影はおそらく魏無羨だ。固唾をのんで見守る男の傍に、ぼんやりした白い影が微動だにせず佇んでいた。興味がないのか、心底くだらないと思っているのか、あるいは忌々しく思っているのか。どれにしたって、今一番江澄の心境に近いのはかの男であろうと思えた。藍忘機、とりあえず今お前に急に盛りがつくのは大歓迎だ。催してその黒いのを連れて、どこへなりと飛び去ってくれ。
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    ひわこ

    DONEとむこさん(@tomuko_0)に遊んでもらった交換小説です。前半がわたし、後半をお任せしております。無茶振りもいいとこだったんですが応じてもらえて楽しかったです!
    [交換小説]藍曦臣と吸血衝動のある江澄のはなしまだ各世家の若君たちが起き出す前の、なんとも清澄な朝。
    藍氏の他の者らよりも半刻ほども早く起き出せば、その静けさは例えようのない清々しさを齎してくれる。木々の間に流れる風も、薄明にまだ頭を出しきらぬ日差しも。藍曦臣の心をひときわ落ち着かせ、宥めてくれる。修練はしない。ただの朝起きは繰り返す日々の中で、小さな息抜きのようなものだった。

    そのかすかな物音に気付いたのも、息抜きの折だった。
    水音ばかりなら気にも留めないが、人の匂いと、おまけに僅かな血の香り。どうしても気になって建屋の間を抜けて出所を探す。
    さすがに起き出しているものが居ると思わなかったのか、彼は身をかがめて井戸の傍で小さくなっていて。藍曦臣の姿を認めるなりひっと短く息を吸い、大きな切れ長の目をまん丸にして血だらけの口を急いで拭った。慌てて齧っていた自らの手首の覆いを戻そうとするのを止めくるりとその腕を裏返す。彼自身の手は彼本人に傷つけられて痛々しく血を纏っているが。手で拭って見ればもうその下には傷ひとつない。
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    ひわこ

    INFO【曦澄/現代AU】スーパーライク・ミー(仮)
    イベントにてえっちな部分含め公開予定の現パロ途中経過です。
    江澄のマッチングアプリのアポとれた相手のフリをするはめになったら藍曦臣のおはなし。ちょっとしんどいとこありますが、ハッピー曦澄です。
    えっちな部分+αにてイベント公開予定です。
    【曦澄/現代AU】スーパーライク・ミー(仮)空気が乾き冷たくなり始め、空は高く晴れ心地よい。

    天を見上げながら、藍曦臣は日陰から一歩踏み出した。駅前の雑踏と排気ガスの匂い。なかなか慣れないが、こうしてよく晴れていると空の方がどうも嬉しさを運んできてくれて、脚の軽くなる心地がする。片手に携えた鞄には買いたての本。指に引っ掛けた紙袋には気に入りの珈琲屋で買い求めた豆の袋がいくつか。家に帰ってからのくつろいだ時間が約束されているようで、そうなると公園にでも立ち寄って草木でも眺めようかという心地になる。
    休日の、あまりに心地いい午後だった。

    駅前のロータリーの傍、街灯に凭れかかった見覚えのある青年の姿を見出し、藍曦臣は少しためらってから歩み寄った。陽気になっていたこともあるだろう。おでかけですか、と話しかけようとした唇は、思ったようには動かなかった。
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