ファルガーとヴォックスは浮奇の部屋の扉にピッタリと耳をくっつけ聞き耳を立てていた。浮奇もヴォックスも日本に行っていて久々に家に帰ってきたと思ったら浮奇が帰ってきて一言
🔮「部屋で配信してるから入ってこないでね」
だった。ファルガーは勿論のこと、ヴォクスも忙しく浮奇と会話をする時間を取ることが出来なかった。だから久々にゆっくり3人でテーブルを囲みながらお茶をしつつ話をしようと思ったのがそんなことを言われたらなんだかファンに浮奇を盗られた気分になってしまう。別にそんなことはないのだが…せっかく久しぶりに3人の時間を取れるのに、何故なのだ浮奇…
そんなこんなで浮奇の部屋の前まで来てしまった。浮奇は配信の準備をしているのか中からカタカタとキーボードを叩く音が聞こえる。しばらくしてピコンっと通知音が鳴り通知を見ると「日本語雑談」と書かれている浮奇のツイートだった。ヴォックスも私もお互い目を合わせ
👹「私たちとの時間を差し置いてファンが喜ぶことをするとは…私たちのhoneyは流石だな」
🐑「あぁ。彼らに罪はないが嫉妬してしまうくらいにな」
そんな私たちの嫉妬をかき消すように中からマウスのクリック音が聞こえたと思ったらいつもの艶やかな吐息混じりの声だけでなく可愛らしさもある声が聞こえてきた。
🔮「こんばんは」
🔮「今日は久しぶりの日本語雑談だよ」
いつもとは違う浮奇に私たちはもう釘付けだった。
🐑「うききの声は本当に良すぎる」
👹「私たちのhoneyは魅力的だな」
扉の奥に居る恋人の良さを改めて感じ、先程の嫉妬はまるで無かったかのようにお互い感じたことを共有した。
🔮「俺の声ふわふわしてる?」
🔮「んー。可愛くないよw」
🐑「いや可愛いだろ」
👹「全くその通りだ。彼の日本語を話す声はいつもの英語を話す声とは違って可愛さがある」
🐑「だよな。いつもの浮奇の声も好きだが我はこちらの声も好きだ」
👹「それは私も同意だ」
本人に聞こえることがないと分かっていながら私たちは恋人の言葉に苛立ちを覚えながらそれぞれ思うことを吐き出した。
しかし本当に浮奇は私たちの気持ちも考えていないのだろう。まぁ…聞いているとは思わないだろうから当たり前なのだが…突然浮奇から発された言葉に私たちは動揺を隠せなかった。
🔮「今日は吐息多めだねって」
🔮「えっち?」
🐑👹「は……?」
一瞬私たちの時が止まったような気がした。しかしそんな私たちにお構いなしな浮奇の発言に私たちの何かが外れる音がした。
🔮「んふふw」
🔮「えっちじゃないよ」
あまりにも可愛らしい笑い声と共に発された魅力的で聞いた人々を誘惑するような甘い甘い声。
……こんなのいくら彼のファンだからと言って私たちが許すはずがない。
相当腹を立てたのだろうヴォックスはお構い無しに部屋の扉を開けた。
🐑「ヴォックス…!?何してんるんだ!戻ってこい!」
小さい声で彼を呼び止めようとしたが私も彼の気持ちが分からない訳ではない。
🔮「へっ…?ちょっと…!?」
浮奇は慌ててマイクの音を切った。
🔮「部屋に入ってこないでって言ったじゃん!」
🔮「なんで入ってきた…ッ!?」
👹「Hi Stargazers」
👹「sorry,We have plans later. (私たちはこのあと予定があるんだ)」
👹「See you later (じゃあまたな)」
と言って勝手に配信を切ってしまうヴォックス。
🔮「もう何やってんの!?勝手に配信切るとか!」
ヴォックスを睨みつける浮奇。しかしヴォックスの顔はずっと恐ろしかったらしく動けなくなっていた。
👹「何やってるとは生意気な口が聞けたものだな姫様?」
👹「散々私たちを差し置いてファンに褒美をやるとは…」
👹「私たちがそれを黙って聞いているだけだと思うか?なあ兄弟?」
🔮「ふー…ふーちゃん?」
🐑「ごめんな浮奇。私もヴォックスに同意だ」
🔮「やっ、、」
👹🐑「楽しもうじゃないかお姫様?」
そのあと浮奇は反省すると思い気やとても嬉しかったらしく更に私たちを嫉妬させる術を手に入れたことはまた別の話。