EpisodeIFの世界の根幹
(3分クッキングのBGMでどうぞ〜)
「…さて、今回は私の光であるアレンが知りたいというのでこの世界、ひいては神の国について説明させていただくよ。私はルシフェル、神の国の神子をしている」
「どこから話そうか…神の国には神聖力という物がある。神聖力は傷を癒やし、時に力を増したりさせる事が出来る。実はこれは生命力の底上げをしているだけであって万能ではないんだ。
悲しいけれど、天に召されようとしている方に神聖力を注いでもその運命を覆す事は出来ない。」
「神聖力自体は大なり小なり、黒の国民たち以外誰でも持っているんだ。神の国はもちろん、妖精の国、人の国の者達もね。黒の国は神聖力の代わりに魔力を持っている。神聖力と魔力は対立しており、その魔力が強ければ強い程世界の神聖力と衝突し彼らは制約を受ける…とされているよ」
「厳密に言うと神の国、妖精の国、人の国も神聖力を持っているとは言ったけれどもその性質は様々だ。神の国は神聖力に特化した者が多く金色をおびた神聖力を扱う。妖精の国は神聖力というより祝福という方がしっくりくるのかもしれない。彼らは独自の能力でさまざまな祝福を贈ってくれるよ。人の国に関しては…私が話すより詳しい者に聞いた方がいいだろう。人の神子よ、よろしくお願いします」
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「!?!!あ、はい。ご紹介?に預かりました人の国神子の神村妓 慎人と申しま…あ、読めない?失礼しました…カムラギ、シントと申します…。」
「人の国の能力…あ、我が国では神聖力のことを能力と呼んでます。この辺りも各国で呼び方が変わりそうです、はい。人の国は柔軟で、どの国からの影響をとても受けやすいです。
神の国の加護…あー…治療での治りもいいですし、妖精の国の祝福も効果がデカいです。こう言うと良いように感じますが黒の国の…所謂呪い関係の影響も受けやすいです。なので真っ先に攻撃を受けますよねー、勘弁してくれ…」
「過去の文献には愚かにも黒の国の奥まで行って鬼を暴れさせた歴史もあります。お恥ずかしい話し、人口が多い分纏めるのは非常にもうほんと厄介なレベル…大変なんですよ。まだ奥の方に未開拓地もありますし…はぁ…」
「我々人は影響を受けやすいので黒の国に長く滞在することは出来ません。魂が変質してしまうそうです。妖精の国や神の国でも同様…黒の国のように変質する、とまではいきませんが影響を受けてしまうのは確かです。だから大人しくしてて頼むから……。あ、お次は妖精の国の神子に頼みます」
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「ハイハーーイ☆妖精の国の神子のルルタャ・ミーニャだよ♪ルルタャって呼んでねん♡」
「妖精の国はみんなも知ってる通り祝福することができるよー!愛の祝福、元気の祝福…とにかく幸せを願ってるね。あくまでもそうだったらいいなぁー、ってキ・モ・チ♡だから魔法みたいな能力はないんだ♪そのキモチが強いと〜いわゆる神聖力みたいになって神の国に行っちゃう子もいるの〜!でもその子達ができるの祝福だから、天使サマたちの加護とはまたちょっと違うよ♪」
「天使サマの加護は万能型!それ1つで何個もの祝福とおんなじ効果があるの、すごいよねー!ボク達の祝福はそれぞれ色んな祝福があるよ!種族によって得意な祝福が変わるから旅してみると楽しいかも♪いろんな所を回って、最後はボクのところにも来てね。特大の愛をあげちゃうから♪はーい、じゃあ次は血を飲むのが大好きなあの子だよー♪」
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「ハーイ!血を飲むのが何より大好き!黒の国の神子ヴァンパイアでーーす!!……ってやってられっかぁ!このテンション!」
「はぁ…説明?今さらする事あんのか?黒の国はさっきから散々な言われようだが…まぁ魔力があるのは確かだ。だが魔力ってだけだと語弊があるな。俺たちは魔力量云々よりも世界の抑止力って呼んでる。個々の力によってかかる制約が変わるんだ。その制約さえクリアしちまえば国の外にも出られるし好きに行動ができる」
「その制約ってのはそれぞれ…あー、なんだ、他の国だと種族別だが俺たちは本当に個人個人だな。例え親子でもそれぞれ違う制約がある。俺の?教えるかばーか!」
「この国じゃ力が全てだ。中には長く寝過ぎて力を失い、逆に自由になった奴とかいるな。強大すぎる力を持て余して国の中でも限られた行動しか出来ねぇ奴もいる。」
「同じ国だからって仲間意識を持つような奴らじゃねーから、基本お互いに構わねぇな…。ただ子供が産まれた場合は別だ。黒の国の子は宝、100歳になるまで護るのは暗黙のルールだ。手を出したら…その時は覚悟しとけよ?」
「あー、こんなもんでいいだろ。満足したかクソ天使」
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「………と、ザックリとした説明だったけど大丈夫かな?補足すると、魔力は強大で中には神聖力でも出来ない反魂の術を使える者もいるらしい。…禁忌だけどね。」
「禁忌と言えば、この世界ではハーフの子が禁忌とされているのは知っているね?実はハーフの子は神聖力、および魔力を持つ事が出来ないとされている。つまり黒の国の言い方で言うと『世界の抑止力』を受けないんだ」
「世界の抑止力を受けない者…そんな者達がもし戦争を起こそうとしたら大変な事になってしまう。例えば黒の国の力を持ったハーフが抑止力を受けずに大暴れしたらどうなると思う?」
「今実は我々は国境を越える際に、心のどこかで居心地の悪さや、干渉してはいけないとストッパーがかかる…これが世界の抑止力だね。ハーフにはこれがない。危険な存在なんだ」
「……ふふ、これは内緒だよ?アレン。私自身はハーフの子が危険だとは思わない。天使として良くないとはわかっているけども…私は危険と思うよりも各国を繋ぐ平和の証だと考えているんだ」
「各国を巡る、アレンに幸福を。安全な旅を、神の国の神子であるこのルシフェルが加護を授けよう」
「さぁ巡っておいで。そして色んな話を聞かせて欲しい。たくさん笑って、泣いて、人生を謳歌して…私の元へ、来てくれることを願っているよ」