【柴チヒ】帰るところ「あああ疲れた……」
国重とチヒロが過ごしていた畳の部屋に突然柴が現れると、倒れこんで畳の上に突っ伏した。
「柴、大分お疲れだな」
反射的に抱き寄せていたチヒロを抱えたまま、呆れたように国重が言う。
「術使ってまでこっちに来るくらいなら、自分のところに帰って休めよ」
「ううう……だって、チヒロ君を見んことには」
唸りながら柴が顔を上げる。
「……しょうがねえなあ」
柴の正面に、国重は抱えていたチヒロを下ろす。
「しばしゃ」
よたよたと覚束ない足取りで、チヒロが柴のもとに歩いてくる。
「あああ……チヒロ君やあ……また大きなったなあ」
途端にデレデレの顔になった柴は身を起こすと、チヒロを抱き上げ、柔らかな頬に自分のものをくっつけて頬ずりをする。
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